国際連盟と国際連合の歴史
(1)国際連盟の設立
 ●ウィルソン米大統領による「14ヶ条の平和原則」提唱
 ●ベルサイユ条約に基づき設立
  ・1919年設立
  ・原加盟国:戦勝29ヶ国、中立13ヶ国
    アジアからは、日本・中国・インド・タイが加盟
  ・常任理事国(当初4ヶ国(英・仏・伊・日)26年に独が加わる)
 国 名 
 加 盟 
 脱 退 
主な脱退・除名理由
日 本
原加盟
1933年
満州事変問題で脱退
ドイツ
1926年
1933年
再軍備問題で脱退
イタリア
原加盟
1937年
ソ 連
1934年
1939年
フィンランド侵攻により除名
  cf.国際連合には脱退の規定が存在しない。
 ●アメリカの不参加
  ・ヨーロッパ情勢に影響を受けることを嫌って上院が条約批准を否決。
 ●アメリカ大陸での国際関係
  ・1889〜1890年汎アメリカ会議
  ・1948年ボゴダ憲章(米州機構設立)
   カナダ不参加(1972年から常設オブサーバ)
   地域内の紛争の平和的解決や経済・文化に関する協力を行う。
(2)国際連盟の限界
 @アメリカなどの有力国が不参加であったり、脱退した。
 A総会や理事会が全会一致で、少数国で決定を否決できた。
 B違反国への制裁が経済的・外交的なものに限定され、軍事制裁がとれなかった。
(3)国際連合の誕生
 ●1941年8月大西洋憲章:ローズベルト米大統領・チャーチル英首相会談
  ・ファシズム諸国に対する民主主義の構築
 ●1943年モスクワ外相会議:米・英・ソ外相と中国大使により大西洋憲章が確認された。
 ●1944年8〜10月ダンバートン・オークス会議:米・英・ソ・中による国連憲章原案作成
 ●1945年2月ヤルタ会談:ローズベルト米大統領・チャーチル英首相・スターリン会談
  ・ドイツ戦後処理策
  ・ソ連の対日参戦、千島・南樺太のソ連領とすることの合意
  ・安保理理事会で大国に拒否権を与える
  ・委任統治にかわり、信託統治制度の導入
  ・総会における票数のバランスからソ連邦からはウクライナと白ロシアが国連に加盟。
 ●1945年4〜6月サンフランシスコ会議:50ヶ国に集まり国連憲章採択
(4)国際連盟と国際連合の比較
内容
国際連盟
国際連合
設 立 方 法
講和条約によって設立 講和条約と別個に設立
最高意思決定機関
総会 安全保障理事会
採 決 方 法
全員一致 多数決


(5)日本の国連加盟
 ●1956年国連加盟
  ・日ソ共同宣言まで、日本の国連加盟はソ連の拒否権行使により否決されてきた。
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