ナショナリズムと民族の概念
(1)ナショナリズムの発展
 ●フランスにおける国民意識の形成
  ・フランス革命およびナポレオン戦争の過程で形成
  ・キリスト教的な普遍意識と共同体的な地方意識⇒国民意識
(2)民族自決主義
 ●1817年11月レーニン「平和に関する布告」
  ・無併合
  ・無賠償
  ・民族自決
 ●1918年1月:ウィルソン「14ヶ条の平和原則」
  ・秘密外交の禁止
  ・海洋の自由
  ・軍備縮小
  ・植民問題の公正な解決
  ・民族自決
  ・国際平和機構の設立
 ●スターリンによる植民地解放運動奨励
 @西欧型ナショナリズム:
   国民意識の高揚を目的とし、自由・平等・人権に配慮した政治運動。
 A非西欧型ナショナリズム:
   植民地支配からの脱出を目的とし、対外的闘争への向けて意識を高揚。
 ●ナショナリズムの特徴
  ・対外的に意識の高揚が集中すると、国内の階層格差が認識されにくくなり、階層の固定
化がなされることもある。
  ・国民国家が現実的利害の単位として認識され、国家間競争は文化的側面よりも、植民地
競走に見られるように、経済的・軍事的側面に重点が置かれるようになる。
  ・H.コーン:ナショナリズムの世界への広がりをみて、その歴史的役割の重要性を主張。
(3)エスニシティ
 ●民族(nation)という語が国家や国民という意味をもつため、明確に民族的な下位文化集
団をあらわすため用いられる。
 ●自民族中心主義(エスノセントリズム)
(4)民族意識が形成される要因
  ・言語
  ・血縁
  ・神話や象徴、歴史的記憶⇒民族意識を再生産。「想像の共同体」たる側面
(5)その他
 ●アメリカ公民権運動
  ・1964年公民権法:黒人差別撤廃を目指し、ジョンソン政権下で制定。
  ・その後も黒人差別は続き、公民権運動は激化した。
 ●ベルギー
  ・北部のオランダ語系フラマン人と南部のフランス語系ワロン人による協調体制
 ●インターナショナリズム:国家の自主性を前提に、国家間の友好関係の強化を主眼。
  cf.ユニバーサリズム、コスモポリタニズム:国家を超越した世界の一体性を目標。
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