みんなの広場
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改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)09に戻る

 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 4月は、桜の満開が遅れたので、珍しく5日に行われた地元の桜並木でのお祭りに間に合いました。夏日があるかと思うと、暖房が欲しい日があるなど、不順な気候でした。つつじ、シャクナゲなどの花が咲きそろい春たけなわというところです。月末にはゴールデンウイークに入りました。
1. 「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  トルコで遺跡の発掘に一生を捧げておられる、大村 幸弘アナトリア考古学研究所所長の記事「トルコ遺跡 驚きの重層」を載せました。
2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 お花見
  4月1日はV Age Clubの仲間と、大森でお花見をしました。
 2.2 白山ハイキング
  4月11日に元の会社の山岳部の仲間と、本厚木近くの白山にハイキングに行きました。右の写真はその時、長谷寺に向かう道で撮った桜と菜の花の一枚です。
 2.3 NMCオペラ・アリアの夕べ
  代々木のアトリエ・ムジカで、プロの歌手を迎えて演奏会がありました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
 1.1 「今月の追加内容」
 「5 本の紹介」の「34 韓のくに紀行 街道をゆく2」は、司馬 遼太郎さんの「街道をゆく」シリーズの一冊で、韓国旅行記です。また「31 iPS細胞(さいぼう)ができた !」には本の内容がわかるように「4. 内容の要約」と「8. 幹細胞ハンドブック」を追加しました。
 「9 趣味」「5. 演劇」の「43 ストーン夫人のローマの春」は、先月(2009年3月)観た芝居のご紹介です。テネシー・ウィリアムズの小説を戯曲にしたもので、良い作品だと思います。
 「11 興味あるリンク」には、「3 本(出版社、書店、著者)」に「3.17 幹細胞ハンドブック」を、「11 趣味2−旅行」に「11.65 白山・長谷寺(本厚木)」を追加しました。前者は「5 本の紹介」の「31 iPS細胞(さいぼう)ができた !」、後者はこのページの「2.2 白山ハイキング」の関連です。

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 1.2 新聞の記事から 「トルコ遺跡 驚きの重層」 カマン発掘50年計画の中間点、歴史の記述5千5百年分
                                                               大村 幸弘
 トルコ国土の大半を覆うアナトリア高原。古来多くの民族が行き交い、文明が交差する要衝の地だったため、多くの古代遺跡が存在する。その一つ、中央に位置するカマン・カレホユック遺跡の発掘を任され四半世紀がたつ。30以上の古代都市が層をなし、約5千5百年分の歴史を堆積(たいせき)する貴重な遺跡だ。50年を見込む発掘計画の折り返し点に立ち、来し方を振り返りたい。

                                         ♯ □ ♯
 三笠宮崇仁殿下が尽力
 アナトリアでの発掘に携わるきっかけは、紀元前1400年ごろに鉄器を持って歴史に登場したとされるヒッタイト帝国に対する興味だった。アンカラ大に留学した私は、約10年にわたって様々な発掘に参加しながら、この帝国の製鉄技術の痕跡を探し続けた。そうするうち、自由に調査研究できる自分の遺跡や考古資料を持ちたいと強く願うようになった。
 転機が訪れたのは1979年。東京に設立された財団法人中近東文化センターの研究員として採用され、しかも発掘の後押しをしてもらえる幸運を授かった。センター総裁の三笠宮崇仁殿下が、私の師でありアナトリア考古学界の重鎮であるアンカラ大のオズキュッチ教授と親交があり、二人の尽力でカマンの発掘権を取得できた。それまで20年以上も外国に許可されなかった遺跡の発掘権が日本に下りたのだ。
 「ヒツタイトの鉄」探しは依然大きな関心事だったが、これだけの遺跡を特定の宝探しには終わらせてはいけない。師の助言もあり、目的を「文化編年の構築」とした。一カ所を最深部まで掘り下げ、遺物から民族・文化の入れ替わりを丹念に調べた上で、最終的にその地の正確な歴史を記述するという膨大な手間と時間のかかる作業だ。
 本格的な発掘開始は86年6月。掘る前は何も出てこなかったらと危惧したが、開始1時間でオスマントルコ時代の遺構が現れた。ほっとしたが、後にここから20万点以上の遺物が出てこようとは思いもよらなかった。

                                         ♯ □ ♯
 現場経験の重みを知る
 それからは毎日が驚きととまどいの連続だった。遺物の大半は土器片。土まみれの遺物は見分けにくく、大学で学んだ知識が通用しない。発掘される遺物を前に途方に暮れる私を見て、オズキュッチ先生が次々と時代を言い当てて見せた。「君の今までの勉強はいわば博物館のガラス越しの考古学なのだよ」と言われ、現場での経験の重みを強く感じた。
 長く発掘するうちに大きな発見もあった。88年のことだ。ヒッタイトが滅んだ紀元前1200年から450年後までの地層から、正体不明の彩文士器と柱穴を持つ建築遺構が出てきた。前の層と連続性がないばかりか、実はその層は考古学的には「暗黒時代」と呼ばれる無文明時代。出るはずのない地層から遺物が出たことは、まったく見当違いの地層を掘っていた可能性もある。大失敗かもしれないと相当落ち込んだ。
 だが、炭素測定でも年代に間違いはない。89年に学会で発表したところ、大半の研究者からは「発掘の仕方を間違ったのでは」と疑問を持たれたが、「ひょっとすると面白いかもしれない」との反響も得た。その後、暗黒時代に関する研究会もでき、今ではこの時代に高度な文化があったことが学界で認められつつある。カマンの発見はその先鞭(せんべん)を付けたのだ。
 大量の人骨を発掘したときも驚いた。焼土層の遺構から50体に及ぶ人骨が出てきたのだ。地層は紀元前1950年ごろ。住居の2階から20代女性と幼児、1階には剣が突き刺さった小柄な男性、そして屋外に大柄な男性とタイプが異なる人骨が見つかった。

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                                         ♯ □ ♯
 残る人生をささげる
 経済力で栄え2百年ほど居留していたアッシリアの商人が、この時期を境にこつぜんと姿を消す。これを考え合わせると、人骨はその後栄えたヒッタイト人の激しい攻撃を受けた犠牲者だろう。むごたらしい殺りく場面が目に浮かびぞっとした。
 5、6人の隊員で始めた作業も、今では20カ国以上、80人余りの人々が携わっている。日本の発掘現揚だが、遺物は地域の遺産と考え、どの国の研究者にもオープンにしているためだ。地域の若者から欧米の研究者までが発掘に参加し、発見について毎日激論を交わす。知識と経験を磨いた優秀な若者が、大学に次々とヘッドハンティングされる。生きた考古学の教育がこの場で実践されているのが何よりうれしい。
 日本から遠く離れたこの地の文化編年を日本人が構築する意味は何か。それは欧米主導だった世界史の記述を我々の手で行える軸を持つことだと考える。何千年もの間ダイナミックに民族が入れ替わってきた世界の歴史を借り物ではない知識で語れて初めて、自国の歴史を世界史の中に位置づけられるのではないだろうか。その壮大な目標に向け、残された人生をこの地にささげたい。
(おおむら・さちひろ=アナトリア考古学研究所所長)     (出典 日本経済新聞 2009.4.1)

2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 お花見
  4月1日は天気予報が雨だったので、砧(きぬた)公園で予定していたV Age Clubのお花見を、急遽JR大森駅での集合に切り換え、水神公園(JR大森駅の大井町寄り、海側)でお花見をした後に、駅近くの中華料理店で遅い昼食としました。今年は桜の開花は早かったのですが、寒さが戻ったため、長い間お花見を楽しめました。
 2.2 白山ハイキング
  元の仲間と現役の会員約15名が参加しました。小田急線本厚木駅に集合し、神奈川中央交通バスの上飯山行に乗り、飯山観音前で降りて歩き始めました。少し上り坂にかかった頃、長谷寺の山門が現れました。参詣の後、3名が男坂、残りが女坂を通って白山に登りました。途中からは厚木の町がよく見えました。白山山頂には小さな池と、社があります。昼は現役のメンバーが山菜で天ぷらを作ってくれ、それを肴に宴会です。山の歌を合唱した後、下り始めました。桜山経由で尼寺(往きに下車した飯山観音の一つ先の駅)に出て、そこからバスで本厚木に戻りました。天気にも恵まれ楽しいハイキングでした。
 2.3 NMCオペラ・アリアの夕べ
  この数年間、4月に二期会のメンバーに来て貰い、演奏会を開くことが恒例になりました。今年もテノールの岡本泰寛さんとソプラノの菊池美奈さんにおいでいただき、オペラ・アリアの夕べを開きました。曲目はヴェルディの「椿姫」から乾杯の歌、同「リゴレット」から女心の歌などのアリアと、オー・ソレ・ミヨやカタリ・カタリなどポピュラーな曲です。ピアノ伴奏は丹生谷佳惠(にゅうのやよしえ)さんでした。大きな劇場と違って、小さな部屋で出演者が間近で歌うのを聞くと、表情など細かいところまでわかって良いものです。

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3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 本の紹介
  「5 本の紹介」に、南川三治郎著「ウィリアム・モリスの楽園へ」(世界文化社 ほたるの本)をご紹介したいと思います。
 3.2 ウオーキング
  「8 ウオーキング・旅行」に、「羽田七福いなり」を載せたいと思います。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 5/31/2009]