みんなの広場
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改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)09に戻る

 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 朝夕は随分と冷えますが、日中は割に暖かい日が続きました。月末には裏日本を中心に大雪が降り、各地のスキー場も滑れるようになったようです。
1. 「新年のご挨拶」など
1. 「新年のご挨拶」など
 1.1 新年のご挨拶
  新年のご挨拶を申し上げます。
 1.2 昨年を振り返って
  新年に当たって、昨年を振り返ってみたいと思います。
 1.3 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.4 新聞の記事から
  星野智幸さんが、怪我にもくじけず、車椅子に乗りながら、同じ境遇にある人たちに役立つことを残した伯父さんを紹介した記事です。
2. 12月のトピックス
 12月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 フェルメール展
  上野の東京都美術館で開催中の、フェルメール展に行きました。
 2.2 熊ノ湯スキー
  今シーズン1回目のスキーとして、友人の小林君とBSAポール&小回り講習会に参加しました。右の写真は、その折に撮ったゲレンデ横の霧氷です。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「新年のご挨拶」など
 1.1 新年のご挨拶
  新年のご挨拶を申し上げます。
 1.2 昨年を振り返って
  昨年の我が家の行事としては、6月に米国東海岸、夏に軽井沢、秋に大阪・奈良へ旅行しました。
  私個人として、6・7月に足を痛めて歩けなくなったのはショックでした。
  ホームページは毎月末に改訂版をアップロードできました。こうしてホームページが続けられるのも、健康でいられるお陰だと思っています。内容が「本の紹介」と「ウオーキング」に片寄っているので、少し変えて行きたいと思っています。
 1.3 「今月の追加内容」
 「5 本の紹介」に追加した「33 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」は、民族学者とそのパトロンである経済人の渋沢敬三のことを描いたノンフィクションです。
 「10 スポーツ」に追加した「6. 登山」は、10月に登った筑波山のご紹介です。
 「11 興味あるリンク」には、「10 趣味1−絵画ほか」に「10.2.20 ヨハネス・フェルメール」を、「14 スポーツ」に「14.2 平沢スキー研究所」を追加しました。それぞれこの頁の「2.1 フェルメール展」と「2.2 熊ノ湯スキー」の関連です。

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 1.4 新聞の記事から 「バリアフリーは人を善良にする」  星野智幸
 列に並ぶと、白いカーネーションを手わたされる。私はそれを、叔父の棺の前にしつらえられた献花台に捧げた。
 無宗教でとり行われた葬儀だった。お焼香でなく献花、お坊さんの読経の代わりに、会葬者たちが血の通った哀悼の言葉をたむける。形よりも内実を大切にする、叔父夫婦らしい選択だった。
                               □ □ □
 会葬者のおよそ半数が、叔父と同じく、車椅子生活者だった。誰もが故人への感情を隠さず、悲しんでいる。同時に、故人がこの世に存在していたことを喜び、感謝を表明する。それが葬儀に不思議な熱気をもたらしていた。葬儀の終わりに、私はこの熱気の真の意味を知ることになる。
一人の青年がギターを持って棺の前に座ると、弾き語りで「『いちご白書』をもう一度」を歌い出した。私は激しく心を揺さぶられた。叔父がこの歌を好きだったことに、胸を衝(つ)かれた。青年は最後まで叔父に付き添ったヘルパーで、後で聞けば、叔父はこの曲を毎日のように聴いていたという。
 ご承知のように、「『いちご白書』をもう一度」は1960年代の学生運動を歌ったフォークソングである。団塊の世代である叔父も、全共闘運動に血道をあげた一人だった。だが、内ゲバにより脊椎(せきつい)を圧迫骨折、重い障害を負うことになる。私がものごころついたころには、叔父はすでに車椅子に乗っていた。
 いつも楽天的で柔和で人なつこい叔父は、私たち甥(おい)や姪(めい)のアイドルだった。出逢う人の誰からも愛されていた。障害者となっても、その並外れた前向きさで道を切り開いてゆく。東京を歩き回り、車椅子にとって便利な施設・不便な施設を調べてガイドマップを刊行したのを皮切りに、障害者にやさしいまちづくりを始めたのだ。今でいうバリアフリーを実現させてきた、先駆けの一人と言える。
 叔父の活動について、おりにふれ母から聞かされて育った私は、成人して社会に出るころになると、その生き方にひそかに影響を受けるようになる。
                               □ □ □
 当時はバブル経済のピークだった。私は、「自分一人が何をしても世は変わらないんだから、楽しいことをすればいい」と考える同世代の「新人類」になじめないでいた。だから、「一人一人が本気になれば世の中は変えられる」と信じて行動した全共闘世代がうらやましかった。
 ところが、その全共闘世代の現在を見ると、幻滅せざるをえない。運動が挫折した後に「転向」してすっかり世間となれあい、社会の中堅として権勢をふるっている姿に、「あなたたちの60年代は何だったんですか」と問いたかった。
 私にとって叔父は、「転向」していない数少ない大人だった。学生運動から福祉へと、より現実に即した現場へ移っただけで、本気で世を変えるために行動するという信念はそのままであるように映った。私は叔父にいろいろ尋ねてみたかった。何を変えようとしたのか。何が限界だったのか。あの時代と比べて現代をどう思うか……。だが、学生運動のことは決して口にしない叔父に、尋ねることはできないでいた。

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 ここ数年、叔父の体調は悪化の一途をたどり、昨年には全身が麻痺したと聞いていた。ところが、今年の年賀状には、「ブログを始めました」と書いてあるではないか。「トライアル60」と題するそのプログを開くと、つれあい(つまり私の義理の叔母)やヘルパーの手を借りるだけでなく、息で操作できるパソコンを導入し、少しずつ書きつづっていることが報告されている(「トライアル60」で検索すれば見られます)。
 叔父はこれまでになく率直に、自分の考えや病状を明らかにしていた。2007年8月6日の文章を読んだときには、ひどく衝撃を受けた。そこには私が聞けなかったことが書かれていたのだ。38年前のこの日に怪我を負ったときの詳細、もし学生運動をしていなかったら・・・等々のさまざまな後悔。毎年この日になると、その後悔と向き合い、重い障害を抱えた今の自分を肯定し直すこと。
 叔父は「『いちご白書』」を、単なるノスタルジーで聴いていたのではないと思う。またあのころのような気持ちで一からスタートしたい、という思いが含まれていたのではないか。ブログに「重度障害者の60歳からの再挑戦」という副題を付けたのも、そんな決意からだろう。
                               □ □ □
 告別式の最後は、私の義理の叔母である喪主からの挨拶だった。叔母は、夫が残した手記から、次の言葉を紹介した。
「(障害を負って)よかったこと、『ありがとう』が素直に言えるようになったこと。多くの人に支えられていることを実感できるようになったこと。人は善良な人が多いと思えること。そして、バリアフリーは人を善良にする力がある」
 叔父が言う、バリアフリーがもたらす「善良」さとは、8月6日のプログに書かれていたような、絶望をひっくり返して現状を肯定したときに現れるような、強靭な善良さのことだろう。そのような意味での善良な人が具体的にどんな人たちかを、叔父は自らの葬儀の場で、身をもって教えてくれた。私が感じた、この集まりを包む熱こそが、「善良」の正体なのだ。
(出典 日本経済新聞 2008.12.7)

2. 12月のトピックス
 12月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 フェルメール展
  17世紀のオランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632〜1675年)は、現存する作品が30数点と極端に少ないことで知られています。そのうちの7点と、彼の生まれたデルフトの巨匠の作品を集めた展覧会です。フェルメールの7作品は「ディアナとニンフたち」「マルタとマリアの家のキリスト」「小路」「リュートを調弦する女」「ワイングラスを持つ娘」「ヴァージナルの前に坐る若い女」「手紙を書く婦人と召使い」です。今回は出品されていませんでしたが、彼の作品としては「真珠の耳飾りの少女」が有名です。
 2.2 熊ノ湯スキー
  BSAというのは、平沢スキー研究所のシニアのための会員制スキー学習会です。毎年この時期は雪が少ないのですが、今年は人工雪のほかに降雪もあり、普通に滑れました。幸い天気にも恵まれ、連続して曲がる小回りや、ポールを雪面に刺して、その間だを縫うように滑走するポールの練習も行うことができました。初日の半日は平沢先生が直接指導され、後の時間は5〜7名の生徒に対して、インストラクター1名がつきます。友人と参加するとアフタースキーも楽しむことができます。

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3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 ボランティア
  最近始めた、「ぬり絵」ボランティアをご紹介したいと思います。
 3.2 本の紹介
  「本の紹介」に、いせ ひでこさんの「ルリユールおじさん」(絵本)を採り上げたいと思います。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 1/31/2009]