みんなの広場
(2007年11月に移動)

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 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)07に戻る

 アクセスされた方々との交流の場です。今月は次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 秋らしく過ごしやすい陽気が続いています。十三夜(いざよい)の月は、翌日の10月24日に眺めました。月末には再び台風が関東の東南側をかすめて通り、たまたま外出していたので傘が壊れそうになりました。
目 次
1. 「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  源氏物語の千年紀にちなんだ記事を載せました。
2. 10月のトピックス
 10月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 オペラ
  調布市グリーンホールでオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」が上演され、コーラスの仲間と聴きに行きました。
 2.2 平山郁夫展
  竹橋の東京国立近代美術館で開かれている展覧会に、行きました。
 2.3 丸沼高原と奧利根周遊
  10月13日から一泊で、丸沼高原と奧利根に出掛けました。右の写真は奧利根水源の森での一枚です。
 2.4 フェルメール展
  乃木坂の新国立美術館でフェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展があり、行って来ました。

3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
  「6 私の愛読書」「7 遠藤周作氏 深い河ほか」「9. 私が愛した小説」の「3. 概要」に「]T 『コーランを読む』を読みながら」を追加しました。
  「6 私の愛読書」「8 星野道夫氏 森と氷河と鯨ほか」「6. 本の紹介」「2. 森と氷河と鯨−ワタリガラスの伝説を求めて」の「3. 概要」に、8月、間に合わなかった「リツヤ湾の悲劇」以下を追加しました。それと同時に、目次をクリックすると各章へ飛ぶようにしました。
  「6 私の愛読書」に「9 南木佳士氏 阿弥陀堂だよりほか」を追加し、「6. 本の紹介」「30 88歳の秋−若月俊一の語る老いと青春」をその下に移動しました。「6. 本の紹介」は30がなくなったので「31 ユング心理学と仏教」の番号を30として繰上げ、「本の紹介2c」は削除しました。
  「9 趣味」「5. 演劇」に「35 阿古屋」を追加しました。
  「11 興味あるリンク」には、「10 趣味1−絵画ほか」「10.2 絵画」に「10.2.12 フェルメール」を、「10.3 音楽」に「10.3.5 カヴァレリア・ルスティカーナ」を追加しました。両方とも、このページの「2. 10月のトピックス」と関連する情報です。

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 1.2 新聞の記事から 「『源氏物語』色あせぬ魅力」
    日本文学の頂点、来年で「千年紀」 王権論・ジェンダー論など… 研究に多様な切り口
 2008年は『源氏物語』の名が『紫式部日記』に記された寛弘5(1008)年から千年。千年紀を前に『源氏物語』の講演会やシンポジウムなどが盛んだ。最新の『源氏』研究を含めた千年紀の話題を追った。

 9月22日、東京の立川市市民会館で開いたシンポジウム「1千年目の源氏物語」(国文学研究資料館主催)。詩人の大岡信、歌人の岡野弘彦、作家の丸谷才一、NHKキャスターの加賀美幸子の4人が『源氏』がどう受容されてきたか、魅力について千人を超す聴衆を前に語り合った。

20世紀から評価
 興味深かったのは「源氏が高く評価され始めたのは20世紀」という丸谷氏の発言。それによると日本では国文学者の間では『源氏』の評価はもともと高かったが、漢文脈に慣れた鴎外や漱石などの明治の作家には好まれず、問題にされてこなかった。光源氏が父桐壺(きりつぼ)帝の后(きさき)の藤壺と密通してなした子がやがて冷泉(れいぜい)帝となる「不敬の書」だったという事情もあった。1933年には『源氏』の芝居は「国体を乱す」として上演禁止になった。
 ところが、英国ではアーサー・ウェイリーが1920年代の終わりに『源氏』を英訳するや、同時期に英訳されたプルーストの長編『失われた時を求めて』と並ぶ世界最高の文学とされた。正宗白鳥はこのウェイリー訳を絶賛し、谷崎潤一郎も刺激を受けて現代語訳を完成し、敗戦後には最高の日本文学となった。

やまと魂伝える
 なぜ『源氏』が最高傑作なのか。丸谷氏は「プルーストと同じように時間の経過と衰退を扱い、文体が美しいから」と話す。岡野氏は「本居宣長は『もののあはれ』を知る物語といった。私の先生の折口信夫はさらに進めて『いろごのみ』の道徳の物語といった」と強調。「いろごのみ」とは漢語の「好色」を意味しない、「いろせ、いろも、いろね」の「いろ」からきていて理想の異性を選びとることで、『源氏』は女性が神に近かった古代人の伝統を受けつぎ、「漢才」に対する日本人の「やまと魂」を伝えていると語った。
 10月5日、東大本郷で開かれたロイヤル・タイラー教授の講演会「『源氏物語』とThe Tale of Genji」は聴衆が会場に入りきれないほどの盛況ぶりだった。タイラー教授は2001年にウェイリーやサイデンステッカーに次いで『源氏』を英訳し、今年の国際交流基金賞を受賞した。
 タイラー教授は、『源氏』は1930年代にウェイリーや作家のヴァージニア・ウルフによって偉大な世界文学となったが、今は「もののけとプレイボーイの物語」というステレオタイプに成り下がったと嘆いた。
 米国での日本の流行作家の講演やオペラによって「エロチックな情事」や「ドンファン」だけが強調されているという。「『夕顔』の1章に運命ともいえる時間の流れと、流麗な文体を見いだしたウルフの深い読み方とは対照的です」と批判。 「『源氏』の主題は恋や情事だけではない。皇室の正式な系統をたち切る王権の問題から権力闘争まで血が流れている。おぞましきもの、あさましきもの、機知に富むユーモアもある。ホメロスやシェイクスピアと並ぶ壮大な文学だ」と。
 『源氏』研究は「成立」「構想」「主題」をめぐる研究から女性研究者を巻き込んで「王権論」「テクスト論」「ジェンダー(性差)論」「身体論」「絵画論]などに発展している。「源氏の子ども・性」「源氏物語絵巻の景観」「源氏における『なやみ』と身体」「源氏の遊び」など。
 大学の講義も『源氏』だけを読むのではなく、比較文学やカルチュラルスタディーズが盛ん。東大のテッド・グーセン客員教授は『源氏』、谷崎の『細雪』、村上脊樹の『海辺のカフカ』の3冊(英訳)を学生に併読させる。「もののけの話や亡き母の面影をやどした年上の女性への思いなどは共通して流れている」、とグーセン教授。

内側の視点分析
 この秋、7百ページを超す大作『源氏物語の詩学』(名古屋大学出版会)を出した高橋亨名大教授は絵巻から啓示を受けた「心的遠近法」という手法で、「言の葉」のかな文字でつづられた『源氏』のテクストの生成を精緻(せいち)に分析している。本居宣長や折口信夫が説いているように、『源氏』は外側からの西欧的な科学的解釈だけではとらえらきれない。「日本の絵画が西欧の遠近法とは違う視点で描かれたように、夢、無意識、やまと魂などの内側の視点も盛り込んで読み込んだ」と高橋教授。具体的には「謎かけ」「呼称」「夢」「琴」「横笛」「歳時」などの切り口から分析している。
 千年紀を機に研究はますます深まりそうだ。

▼源氏物語 平安時代、紫式部によって創作された長編の物語。「桐壷」から「夢浮橋」までの54巻。3部に分かれ、第1部は天皇と身分の低い女性との間に生まれた光源氏の女性遍歴と栄華を、第2部はその崩壊を描く。第3部は源氏亡き後の縁者の物語。谷崎潤一郎の『細雪』など日本文学に大きな影響を与えただけでなく、タイム誌が「世界を動かした百人の人物」に日本人から葛飾北斎とともに紫式部を選ぶなど世界文学として評価された。与謝野晶子、谷崎、円地文子、瀬戸内寂聴などの現代語訳がある。   (編集委員 浦田憲治)
(出典 日本経済新聞 2007.10.20)

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2. 10月のトピックス
 10月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 オペラ
  地元のコーラスグループの指導者のお嬢さん、岩森美里さんは二期会所属のオペラ歌手(メッツオソプラノ)です。マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ(田舎の騎士道)」で主役のサントゥッツアを演じました。コーラスの仲間数名で調布市のグリーンホールまで見に行きました。とても演技力のいる役で、美里さんにはピッタリでした。同時に上演された道化師とともにヴェリズモオペラというそうですが、はじめてのオペラで、とても楽しい内容でした。
 2.2 平山郁夫展
  平山郁夫氏の画業60年をたどる大回顧展が竹橋の東京国立近代美術館で開かれました。副題は「仏教伝来からシルクロードへ」または「祈りの旅路」となっており、次の4章から構成されています。第1章 仏陀への憧憬、第2章 玄奘三蔵の道と仏教東漸、第3章 シルクロード、第4章 平和への祈りです。氏は今年77歳の喜寿を迎えられ、これを記念して代表作80点を展示し、60年にわたる画業の軌跡を辿る展覧会でした。いずれも力作で、氏の作品を体系的に見る機会に恵まれました。
 2.3 丸沼高原と奧利根周遊
  元務めていたときは山岳部に入っていました。今でも年に二回程度、幹事が山行を企画してくれます。今回は丸沼高原と奧利根に行きました。一日目は丸沼高原で、冬はスキー場ですが、通年でロープウエイ(日光白根山ロープウエイ)を運転しており、標高2千メートルの地点まで一気に運んでくれます。山岳会の現役の連中は早出して日光白根山まで往復しましたが、我々OB組は史跡散策コースにしました。その夜は川湯温泉に泊まりました。
 二日目は車で奧利根を周遊しました。川場温泉−田園プラザ川場(道の駅)−奧利根水源の森−照葉峡−奈良俣ダム−宝川温泉−水上ICというコースです。やっと紅葉が始まったばかりでしたが、幸い天候にも恵まれ、たっぷり森林浴ができた二日間でした。
 2.4 フェルメール展
  今回の展覧会では、なんといってもフェルメール「牛乳を注ぐ女」が中心でした。作品は割に小さく、台所で仕事をする女性の描写ですが、女の姿勢、色彩、構図など素晴らしいと思いました。展示室には構図などの説明が出ていましたが、牛乳を注ぐ手に視線が集中するように描かれ、窓からさしこむ光線や、机の上に置かれたパン籠・パンなどが雰囲気を盛り上げていました。

3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 私の愛読書
  南木佳士さんの「ダイヤモンドダスト」追加する予定です。
 3.2 ウオーキング・旅行
  今月見に行った、「丸沼高原と奧利根周遊」を追加したいと思っています。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。
 

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[Last Updated 11/30/2007]