みんなの広場
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 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の3項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「11 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 4月は、お花見の残りがありました。一時乾燥注意報も出ましたが、おそらく1年で最も陽気の良い季節です。
 つつじ、藤、ハナミズキ、バラなど、いろいろな花が咲いています。
1. 今月の追加内など
 1.1 今月の追加内
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  今月は大西秀樹さんの「がんと向き合う 大西 秀樹さんに聞く」と題する「がんの痛み」の記事を載せました。
2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 猿江公園
  19日、油絵のスケッチ候補として、江東区にある公園を見に行きました。右の写真はミニ貯木場ごしに見たポブラの植え込みで、一番左の樹の上に、押上にあるスカイツリーが頭を出しています。画面が小さいのと、塔が青空に溶けこんで見にくいかと思います。
 2.2 鳳凰祭4月大歌舞伎
  20日、歌舞伎座、夜の部に行きました。
 2.3 海苔のふるさと館
  22日、友人の日高氏が50年前に撮影した「大森の海苔漁」が展示されている、大田区の「海苔のふるさと館」に行きました。

3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 今月の追加内など
 1.1 「今月の追加内容」
  「5 本の紹介」に追加した「134 里山資本主義は、新しい資本主義の形を紹介しています。
 「11 興味あるリンク」に追加した「1 役にたつホームページ」の「gacco(ガッコ)」と「mooc(ムーク)」は、我が国でも新しく始まった動画による在宅学習のご紹介です。

 1.2 新聞の記事から
  「がんと向き合う 大西 秀樹さんに聞く」 痛み越え いのち輝く 生の意味 施策重ね


がんの痛みは多様で、互いに影響しあっている
 「痛み」ほど人々が恐れ、嫌うものはない。死に際(ぎわ)に苦痛だけは取り除いてほしい、と誰もが願う。20年以上にわたって、心と体の痛みに苛(さいな)まれるがん患者に寄り添ってきた精神科医の大西秀樹さんに「痛みとは何か」を聞いた。
 「がん患者が抱える痛みには肉体的痛み、精神的痛み、社会的痛み、魂の痛みがあり、それぞれ影響し合っています」
 「体の痛みの激烈さは『万力(まんりき)で挟まれて360度回転したよう』と表現されることもあります。欧米では『がん性疼痛(とうつう)を取り除かないのは医師の罪』といわれ、医療用麻薬を使った疼痛緩和が普及していますが、日本では麻薬に対する偏見から立ち遅れてきました」
 「体の痛みは、けがや臓器の異常による知覚神経への刺激が脳に伝わって自覚されます。危険から身を守るアラーム(警報)といってもいいでしょう」
 医療者に気づかれにくいのが心の痛み、と大西さんは話す。
 「医療の進歩で治癒(ちゆ)率が上がったとはいえ、国内で毎年30万人の命を奪い死亡原因の1位を続けるがんに、死を連想してしまう人が多いのは事実です。ショックも大きく、『告知されて頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなった』と多くの患者は話します。ショックから心を守るための仕組みなのでしょう」
 「ただ、人の心には、辛い経験をしても、その衝撃的な出来事に対して適応していく力が備わっており、通常なら2週間ほどで回復します。しかし、がん患者の2〜4割に気分の落ち込みや食欲不振、不眠、倦怠(けんたい)感など、うつや適応障害の症状が現れます。闘病意欲を失ってがんが進行してしまう患者も少なくありません。がんの身体症状の悪化と医師に誤解されて、治療の変更や中止につながることもあります」'
 「精神科の医師である精神腫瘍医が関わる理由はそこにあります。心をケアするだけでなく、診断や治療の質を高める意味でも求められているのです。以前は、がんの痛みを我慢し続けたり、心の辛さを誰にも理解されないまま亡くなったりする患者がいました。痛みを取り除く緩和医療は治療の手段がなくなった末期になってから受けるもの、と考えられていたからです。しかし、2007年策定されたがん対策推進基本計画は、緩和医療を治療の初期段階から受けるものとし、痛みを医療者に伝えず我慢するのは、過去のものになりつつあります」
 「会社でバリバリ働いたり、主婦として一家の暮らしを支えたりしていた人が、がんと診断された瞬間、仕事や社会生活から切り離され、『がん患者』として生きていかなければならなくなります。孤独感や疎外感のほか、自分の地位や役割がなくなってしまうのではとの不安が募り、離職や経済的な不安も頭をよぎります。こうした苦悩が『社会的痛み』です。家庭の支え手から支えられる立場になることがストレスとなって、心のバランスを失う人もいます」

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体は衰えても、心は成長できる
 「一方、自分がこの世から消えて無くなるのではないか、という恐怖や、人から援助されるだけの存在になるのではないか、生きている意味があるのだろうかと苦悩するのが、人間の尊厳にかかわる『魂の痛み』です。しかし、そのような状況でも人生の意味や存在意義を問い、思索を通じて人間的に成長する患者を数多く見てきました」
 「たとえば、数年前、院内の内科医から紹介されて私の外来に来た50代の主婦。大腸がんが他臓器に転移して厳しい状況でした。初診時に『今の治療がだめだったらもう治療法はないと言われました。母にさえ知らせずにきました』と涙ぐみます。患者がグループで病気や人生について話し合う『集団精神療法』に参加してもらい、メンバーと交流すると、徐々に明るさを取り戻しました。4ヵ月目には『いつか必ず死ぬ日が来る。でも、この病気のおかけで成長できた』と発言。7ヵ月目には『体がどんどん悪くなるのは、自分では止められない。でも、心はコントロールできる。がんが心に転移しないようにしたい。この会に参加できて本当によかった』と吹っ切れたような表情で集団精神療法の仲間との交流を通じて人生や家族についての思索を重ね、『がんになったことは不運だけれど、不幸じゃない』という境地に至ったのです」
  「家族を思いやり、仲間に感謝して、次のような言葉を残します。『この病気で強くなることができた。仲間に出会い、私の周りにあった幸せに気づくこともできた。できなかったことばかりを考えない。やりたかったことがあるし、今、できることもある。この病気に感謝することがある。悔しいけどね』。この言葉を聞いて、身震いしました。人はここまで強く、やさしくなれるのか。体は衰えても心は成長できる。いのちを輝かせて人生を締めくくる人への敬意が、患者の心に向き合う今の私を支えています」

日本初の「遺族外来」 医療に厚みと深み
 がん患者の心をケアする精神腫瘍学(サイコオコロジー)は、1970年代に欧米で始まり、日本では80年代半ばに学会ができた。その頃からがん告知が進み、患者の精神的衝撃に対処する必要に迫られたという背景がある。
 大西さんは、こうした変化を1990年代初めの米国留学を通じて肌で感じ、帰国後の95年から精神腫瘍医としての活動を本格的に始める。患者ばかりでなく、家族や遺族にも精神的苦痛を抱える人が多いことから、2006年に日本で初めて「遺族外来」を開設した。
 「家族は"第二の患者"。多くの家族が傷つき、苦しんでいる」と大西さん。外科、放射線科、腫瘍内科などの治療医と力を合わせて、がん医療に厚みと深みを加えている。

おおにし・ひでき 兵庫県生まれ。横浜市立大学医学部卒。横浜市立大学精神科講師、神奈川県立がんセンター精神科部長などを経て、2006年埼玉医科大学精神腫瘍科教授、07年同大学国際医療センター精神腫瘍科教授。専門は精神腫瘍学、死生学。主な著書に「がん患者の心を救う」など。
(出典 日本経済新聞 2014.4.12夕刊)

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2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 猿江公園
  猿江公園は都営地下鉄新宿線の住吉から歩いて5分位の所にあります。公園は新大橋通りを挟んで南と北の両方にあります。南側地区には日本庭園、公会堂、野球場があり、北側地区には芝生広場、冒険広場、健康広場、テニスコートがあります。ここはかって猿江貯木場として材木を水に浮かべておく場所でした。今でも公園の一部にミニ木蔵(きぐら)が残してあります。なおJR総武線錦糸町駅南口4番乗り場から東大島駅行きのバスに乗り、江東公会堂停留場で降りると、公園の前に停まります。
 2.2 鳳凰祭4月大歌舞伎
  歌舞伎座は建て直してから丁度1年になります。夜の部は一條大蔵譚(ものがたり)、女伊達(おんなだて)、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう 髪結新三)の3本です。出演者は吉右衛門、幸四郎、魁春、梅玉などで、良い狂言と役者が揃って、楽しむことができました。
 2.3 海苔のふるさと館
  京浜急行平和島の近くに「大森ふるさと浜辺公園」の一郭に「大森海苔のふるさと館」があります。むかしこの辺りで穫れた海苔を記念するため大田区が建てたものです。友人の日高氏が50年前の学生の頃に撮影した「大森の海苔漁」が展示されています。今では埋め立てが進み、大森で海苔が穫れていたことを知る人も少なくなりました。貴重な写真は「大森 海苔漁の原風景」という写真集にもなっています。

3 来月の予定
 3.1  私の愛読書
  「5 私の愛読書」の司馬遼太郎さんの項に「沖縄・先島諸島」(朝日新聞社)を載せる予定です。
 3.2 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 5/31/2014]