みんなの広場
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 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の3項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「11 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 2月は、初旬に節分がありましたが、東京には大雪が2回降り、とても寒い時期でした。月末には寒さが少しゆるみ、春らしい陽気になりました。
 近くの池上梅園の梅は、月末に満開となり、多くの来園者がありました。
1. 今月の追加内など
 1.1 今月の追加内
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  今月は池澤夏樹さんの「第一次世界大戦の教訓 誰が薪を積むのか」と題するコラムを載せました。
2. 2月のトピックス
 2月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 本門寺節分会(せつぶんえ)
  3日に本門寺の豆まきに行ってみました。右の写真はその時のものです。
 2.2 尾瀬岩鞍(いわくら)スキー
  8日〜10日、元の会社の山岳部の仲間と2泊3日で尾瀬岩鞍スキー場に行きました。
 2.3 川瀬巴水(はすい)
  23日に大田区立郷土博物館で開催中の展覧会に行きました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 今月の追加内など
 1.1 「今月の追加内容」
 「9 趣味」「3. 美術」「2. 絵画作品集」に追加した「44 果物と壺」は、一昨年秋(2012.10)のグループ展に出品した油絵の最後の1点のご紹介です。
 「11 興味あるリンク」に追加した「16 人」の「16.27 川瀬巴水」は、この頁の2.3項「川瀬巴水展」との関連です。

 1.2 新聞の記事から
  「第一次世界大戦の教訓 誰が薪を積むのか」 池澤夏樹

 先月のこの欄でぼくは尖閣諸島の事態についてこう書いた。
 「係争の地域では武装した艦船や航空機が小競り合いを続け、中央政府の間には意思疎通の回路がない。これは偶発戦争に繋(つな)がる構図である。この時期に識者は、第一次世界大戦が偶発的に起こったことを指摘している。」
 識者というのはたとえば国際政治学者の藤原帰一さん。「あの大戦は、当事者も起こるとは思っていなかった……英国の参戦はドイツには想定外だったし、4年も続く大戦争になるとは誰も考えていなかった」と彼は言う。
 あの時期のヨーロッパ諸国にはさまざまな対立や同盟の緊張関係があった。いわば火が着いたら容易に消せないほどの薪が積んであった。
 1914年6月のサラエボの暗殺は火花一つでしかなかったが、着火にはそれで充分だった。「クリスマスまでには終わる」と言われながら戦争は足かけ5年続き、9百万人が死んだ。
                             ○     ◎     ○
 政治とはコントロールの技術である。たとえば経済という巨獣にたづなをつけて国民に利をもたらすように誘導する。
 ちなみに「政治」は西欧語で「ポリティクス」つまり「ポリス(都市国家)の運営」だが、ギリシヤ語には「キベルニシス」という言葉もある。政治・行政・統治の意で、直訳すれば「舵を取る」。スクリューでもエンジンでもなく舵だ。
 その舵がいつも利くとは限らない。そもそも戦争とは出力過剰の状態であって、舵は利きが悪くなる。第二次世界大戦で言えば、1941年の12月に真珠湾で始まった太平洋戦域の戦いが、翌年6月のミッドウェイ海戦を境に後はずっと負け戦だったのに、日本政府は3年かけても終結に持ち込めなかった。挙げ句の果ての原爆2発。
 それ以前はもっとひどい。中国戦域では1931年9月の満州事変以来14年間に亘って戦争状態が続いた。出先機関である関東軍が東京の政府の言うことを聞かない。尾が犬を振った。
 先月、ぼくが今の日本と中国の対峙の構図に第一次世界大戦を重ねたのは警告のつもりだった。係争地で偶発的な衝突が起きて、中央政府の間に意思疎通の回路がなければ戦線は拡大する。薪に火が着き、戦闘が戦争になる。そうなっては困る、と言いたかった。
 そうしたら、1月22日、安倍首相はダボスで第一次世界大戦から百年目の今年、領土問題をきっかけに日中間に「偶発的な衝突が起こらないようにすることが重要だと思う」と言った。
 言うまでもないが、ぼくと首相では立場が違う。同じ歴史を踏まえた発言であるが、首相はそういう展開があり得ることを承知で、そうなってもしかたがないと明言したのだ。
 別の場で彼は「残念ながら今、(緊張緩和の)ロードマップがあるわけではない」とも言っている。あるわけではないって、あなた、それを作るのがあなたの仕事でしょうが……
                             ○     ◎     ○
 今、事態はものすごく危ないことになっている。安倍首相は自分の靖国詣でをアメリカ大統領のアーリントン墓地参拝になぞらえ、アメリカは怒った。それは当然、アーリントンに戦争犯罪人は葬られていない。死者を汚すことになると人は誰も感情的になる。それとこれとを一緒にするなと憤る。
 第二次世界大戦で我々は負けた。アメリカに負け、中国に負けた。この事実を踏まえての戦後世界の運営なのだ(今更言うまでもないが「国連」とはあの大戦の「戦勝国連合」であり、中国はその一員である)。この構図を引っ繰り返すにはまた戦争をする覚悟が要る。安倍さんにはそれがあるのかもしれないが、ぼくには無い。中国との全面戦争なんてまっぴら御免。
 今の段階ではことはパブリシティーの戦いに納まっているが、そこでも日本は負けている。ぼくはそれに荷担するつもりはないから、日本政府・官邸・安倍首相がぼこぼこに負けていると言おうか。
 中国政府が、安倍首相の靖国参りはドイツの首相がヒトラーの墓に詣でるようなものだと言った。もちろん間違い。ドイツ人はヒトラーの墓を造らなかった。今に至るまで徹底してあの男を忌避している。彼の罪について再考の余地はない。
 だからこそ、この重ね合わせは効果的だし、きついのだ。
 それを承知の上でまだ安倍首相が同じような発言と行動を繰り返すとすれば、彼は本当にどんどん薪を積んでこの国を戦争に引き込むつもりだと思わざるを得ない。
 ぼくの友だちが言った――「ここで戦争をしなければならないほど日本の経済は逼迫(ひっぱく)してるのかな」
 まさか、でも、しかし……そういう種類のバブリーな経済を信奉するのがあの首相だとすると……そこに原発再稼働を重ねると……
(出典 朝日新聞 2014.2.4 夕刊 文芸・批評 「終わりと始まり」欄)

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2. 2月のトピックス
 2月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 本門寺節分会
  本門寺は我が家から近いのですが、豆まきには久しぶりに行きました。本堂の前に長い花道が設けられ、時間になると貫首に導かれ、年男、代議士、芸能人、アニメのキャラクタなどが出てきて、一斉に豆まきを始めました。豆は透明ビニールの袋に入っており、観客は腕を高く挙げ、受け取ろうとするので、大変な賑わいでした。
 2.2 尾瀬岩鞍スキー
  この2年ほど、草津・万座から尾瀬岩鞍スキー場に変わりました。祭日を挟んだ連休とあって高速道路が渋滞します。今年は高崎まで新幹線で行き、高崎に住むO君に拾って貰って民宿のある川場村までドライブしました。ところが、たまたま前夜から大雪が降ったため、後輪駆動の軽自動車ではスタッドレスタイヤを履いていても、傾斜のある道はスリップして登れず、宿に着くのがやっとでした。別行動の5人は4躯の車なので問題なくスキー場に着き夕方まで滑りました。2日目はその車に同乗させて貰い、3日目は帰途に就いたので、1日だけ滑ることができました。たまたま冬期オリンピックの最中とあって、宿ではテレビ中継を見るとができました。
 2.3 川瀬巴水展
  川瀬巴水は馬込にも住んだことのある近代風景版画の第1人者です。大田区郷土博物館では彼の作品を多数所蔵しています。今年は巴水の生誕130年とあって、昨年秋から3月初めまで展覧会が開かれ、3回にわたって展示換えを行って、巴水の生涯を作品で追いました。この展覧会も3月2日に終わるため、会期末になって見たことになります。特に「馬込の月」が有名ですが、今はバスの停留所としてのみ名が残る3本松にかかる満月を描いたものです。こんなに偉い画家が近くに住んでいたと思うと、誇らしい気持ちになります。

3 来月の予定
 3.1  「馬込の坂」
  久しぶりに、「ウオーキング・旅行」に「馬込の坂」を載せる予定です。
 3.2 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 3/31/2014]