みんなの広場
(2013年4月に移動)

トップページに戻る

総目次に戻る

改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)13に戻る


 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の3項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「11 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 3月は、日によって寒暖の差が激しく、外出着の選択に困る程でした。梅は開花が遅れたのに、桜は開花日、満開日が月末の1週間を残して、3月に早まりました。
 木蓮が、花を咲かせています。
1. 今月の追加内容など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  今月は「日本人の精神基盤 上田正昭さんに聞く」という記事を載せました。
2. 3月のトピックス
 3月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 井の頭トレッキング
  1日、YMCAウエルネスクラブのトレッキングに参加しました。
 2.2 お花見
  24日、お花見に行きました。右の写真は目黒区にある林試の森公園の桜です。
 2.3 東京駅の見学
  30日、大学のクラスの有志で改装が終わった東京駅を見に行きました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 今月の追加内容など
 1.1 「今月の追加内容」
 「8 ウオーキング・旅行」に追加した「60 台湾旅行」は、先月訪れた主として台北の旅行のご紹介です。
 「11 興味あるリンク」には、「1 役にたつホームページ」に「1.21 東京駅を見よう」と、「1.22 Over the Century 2012」を追加しました。両項共、このページの2.3項の記事との関連です。

目次に戻る

 1.2 新聞の記事から
    「日本人の精神基盤 上田正昭さんに聞く」
 開かれた島国根性 調和・共生・順応が底流に

 うえだ・まさあき 歴史学者、京都大学名誉教授。 1927年生まれ。京都大卒。専門は古代史、神話学。世界人権問題研究セター理事長や高麗美術館長、島根県立古代出雲歴史博物館名誉館長も務める。著書に「上田正昭著作集」(全8巻)など。京都市文化功労賞や福岡アジア文化賞などを受賞。

 『日本は古代から海外の文化や思想、宗教を受容、習合してきた』
 近著「私の日本古代史」で縄文以前から律令国家成立までの通史を1人で書き上げた歴史学者の上田正昭さんは、アジアとのつながりの中で日本を理解する大切さを訴えてきた。文献、神話、考古、民俗など学問分野を越えて古代を総合的に探究してきた大家は、日本人の精神の基盤に調和と習合、共生かあると見る。
 「日本の歴史は列島の中だけを見ていてもわかりません。四方を海に囲まれた島国は武力による侵略は受けにくく、交流しやすかった。膨大な海岸線に万里の長城のような壁を作るわけにはいきませんから。古来、日本では海を越えて人が往来し、文化や思想、宗教を受け入れ、独自のものにしてきた。島国根性というと排外的で閉鎖的なイメージですが、古代における島国根性は外に対し聞かれた精神だったと思います」
 「古代の受容はおおらかでした。日本人は山川草木、あらゆるものに神が宿ると考えてきた。多神教というより汎神教です。本居宣長が古事記伝で神の本質を書いています。神は優れ、徳があり、かしこきものですが、尊く善きものだけでなく、あしきもの、あやしきものも含んでいる、と。日本人は神をとても広範にとらえてきました」
 「こういう信仰、意識があるところに百済から仏教が伝わった。日本書紀や日本霊異記には外来の神を指す言葉があります。受け入れた時から神仏習合があった。日本の宗教は神か仏か、ではなく、神も仏も、だったのです」
 神社には神宮寺、寺院にも神社が建てられ、寺と神社は互いに補って共存してきた。が、明治維新後の神仏判然令などをきっかけに仏教施設や仏像が多く破壊された。
 「判然令は神道と仏教の分離が目的で、仏教の排斥を意図していなかったのに廃仏毀釈運動が起きてしまった。残念なことです。日本には宗教間の論争や権力者による宗教弾圧はあっても宗教戦争はなかった。対決ではなく対論で解決をはかってきたのです」

 『大和魂とは、優れた教養や判断力を持つこと』
 日本の精神文化の象徴として上田さんは七福神や風呂敷を挙げる。七福神信仰は室町時代に商工業者の間に広まった日本独自の信仰だ。
「七福神を構成する神様のうち、えびすは日本由来ですが、毘沙門天、弁才天はインド起源の神様。大黒天はインド由来の神と日本の大国さまが習合したむので、福禄寿と寿老人は道教の神、布袋は中国の和尚です。この神様たちを一緒に宝船に乗せて、福の神としてあがめてしまう。実におおらかな精神です」
 「ただ、何でも受容したわけではない。儒教は入れたが、孟子の革命思想は入れなかった。宦官や科挙の制度も取り入れていません。何でも入れるように見えながら、取捨選択している。広げた風呂敷を結ぶようなものです」

目次に戻る

 歴史や文化の研究では言葉が概念を規定するケースかある。上田さんは研究をもとに誤解や偏見を生む概念の問題点を指摘してきた。
 「大和魂は戦前、戦中には軍国主義的な、男の勇猛な精神を指していたと思います。しかし、大和魂という言葉をいち早く使ったのは紫式部でした。源氏物語の乙女の巻には漢才、当時の中国の学問を学んでこそ大和魂は重んじられるという表現かある。ここでいう大和魂とは優れた教養や判断力です。時代によって意味が変わる言葉がありますが、明治から戦中にかけ、古代とは随分違う日本人の精神が言いはやされたのです」
 「古代に中国大陸や朝鮮半島から日本に渡ってきた人々の呼び名は以前、帰化人が主流でしたが、私は渡来人の呼称を提唱しました。『あれは上田の造語や』などと批判も受けましたが、教科書の記述や歴史学界の用語の今の主流は渡来人になってます」

 『ルーツも大事だが、ルートも探究すべきだ』
 大学で教える傍ら、京都府亀岡市にある和銅元年(708年)創建の小幡神社の宮司も務めてきた。今も現役だ。
 「日本人の精神性で欧米との違いを感じるのは自然と向き合う姿勢です。自然と対決するのではなく、調和し、順応してきた。人間相手でも共存する手法を取っています。古事記や日本書紀の神話には、武力ではなく、言葉で服属を誓わせ、平定する国譲りの記述があります。戦にしても、戦い抜くのではなく、城を明け渡させることかありました。江戸城明け渡しがまさにこれに当たります」
 「国と国が対峙すると譲れなくなる。国譲りや城の明け渡しがない現代、対決を避けるには民間交流を盛んにすることが必要です。1974年に京都市の使節団の一員として中国を初めて訪問した際、民間交流の意義を実感しました。その際に言い出した民際という言葉はその後よく使われるようになりましたね」
 「日本人論や文化論ではルーツに興味が集まりますが、ルートにも関心をもってほしい。どこを通り、どのように形成されていったのか。そこに注目すれば、海を隔てた交流に目が向くはずです。日本が主導し太平洋・島サミットを開いていますが、関心が高いとは言えず、残念です」
 「日本人の精神には共生の思想があります。江戸時代に広まった心学の開祖、石田梅岩は『先も立ち、我も立つ』と、利を共にする思想を説きました。当時軽んじられていた商業に道徳的な根拠を与え、女性にも門戸を開き教えるなど開明的で先進的な思想でした。日本人には『おかげさま』という感謝の心もあります。直接何かしてくれたわけでもない相手に感謝する。これも素晴らしい文化です。歴史を学ぶ意義は過去に学び現在を見極め、未来を展望することです。政治家、特に外交に携わる人にもっと歴史を学んでもらいたいですね」 (編集委員 堀田昇吾)
(出典 日本経済新聞 2013.3.23 夕刊)

目次に戻る

2. 3月のトピックス
 3月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 井の頭トレッキング
  友人の庄司さんが、YMCAウエルネスクラブで万歩計によるシュミレーションをやっており、このトレッキングに誘われました。井の頭線の三鷹台駅に集合し、神田川の上流を見た後、西南方向に約5百米歩き、あとは玉川上水に沿って井の頭公園をかすめ山本有三記念館から東北に向かい、成蹊学園の前にあるA.K Laboがゴールでした。天気にも恵まれ、楽しい散歩を楽しみました。
 2.2 お花見
  東急東横線の渋谷駅が、ヒカリエ(元の東急文化会館)の地下に引っ越し、そのためか東急バスと電車の広告が新聞の折込に入っていました。目黒から近い「林試の森」は桜の木が多く、しかも五反田−渋谷間のバス(渋72)で行けることがわかりました。そこでこのバスを利用して行ってみることにしました。このページの写真にあるように、まずまずのお花見ができました。帰りは東急目黒線の武蔵小山駅から帰りました。我が家から近い馬込の桜並木も24日頃が見頃でした。
 2.3 東京駅の見学
  たまたま東京駅の近くで会食する機会があり、改装なった東京駅を見に行きました。今回の工事は「東京駅復原工事」と呼ばれ、戦後に復旧した丸の内駅舎を大正3年の創建当時の建物へ復原することを目的にしています。NPO法人「東京シティーガイドグループ(TCGC)」のボランティア・ガイドの方に説明して頂いたので、工事の内容が良く解りました。建物としては南・北のドーム部と中央部があります。戦後復興された2階建ての駅舎と今回復原された3階建ての駅舎の違いを化粧煉瓦、レリーフ、建具、免震構造などに分け詳しく伺い、実物で確認しました。最後に南部ドーム2階部分に登って見学をすることにより、レリーフの細部などが良く理解できました。

3 来月の予定
 3.1  私の愛読書
  司馬遼太郎さんの「台湾紀行」を載せたいと思います。
 3.2 油絵
  昨年(2012年)10月中旬に開いたグループ展に出品した油絵の4点目をご紹介したいと思います。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)13に戻る

トップページに戻る

総目次に戻る

[Last Updated 4/30/2013]