林檎の礼拝堂

本「林檎の礼拝堂」

La Chapelle des pommiers
田窪 恭治著

発行 集英社

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 著者が家族とともにフランスのノルマンディー地方に渡り、廃墟と化していた16世紀の小さな教会をよみがえらせた物語です。色ガラスで屋根を葺き、周囲の環境に合った林檎の壁画を描いて、打ち捨てられていた古い教会を再生しました。本には現地で写した数々の美しい写真とともに、約12年の苦闘が記録されています。
 NHKの教育テレビで放映された番組を見て大筋は知っていましたが、今こうして作者とその家族(夫人と三人の子供たち)の苦労と喜び、それらを支える支援団体の協力を知ると、改めて良くやったものと改めて感動しました。
 上に掲げた表紙の真ん中に見えるのは、入り口を通して見た樹齢六百年に近いと思われるいちいの大木で、教会の壁には作者の手になる林檎の木の一部が見えます。この絵は周囲の環境に合ったモチーフとして、作者が考え出したものであり、絵は筆で壁画を描くのとは違って、壁面に薄い鉛の板を張り、その上に約十層の顔料の層を作り、それを削ることによって色を出す方法を採っています。

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[Last updated 4/30/2001]