そんなに力まなくてもいいじゃないか私が作りたいと思うような本を出した人がいる。3人の子を持つ藤原さんは、我が子の生きるチカラにつながるものは何か、という疑問を持っていろんな人にインタビューし、『情報編集力』としてまとめた。話を聞いた相手は、松岡正剛、金子郁容、佐伯胖(ゆたか)、香山哲、鈴木寛、高城剛の6人である。 著者は、「インタビューを終えて」の中でこの本の結論を簡潔にまとめている。 人間はみな遊びから学ぶのだ。どこかで聞いたせりふだな。 21世紀を生きる子どもたちに最も大事な”生きるチカラ”として、私たちは何を彼らに贈るべきなのか。それは”ゲームするココロ”と、”ネットするチカラ”ではないだろうか。”ゲームするココロ”とは、人とのコミュニケーション力であり、シミュレーションする力であり、ロールプレイングする力である。一方”ネットするチカラ”とは、自分のやりたいことを実現するために、自分にはないキャラクターを持った人と結びつきながら、価値あるものを生み出していく力である。そしてプレゼンテーションする力が、ネットするための接着剤となる。 おもしろいのは、どの人も子どものころ悪がきであったことだ。これは『あなたが子供だったころ』を連想させる。なかでも「サムライ・フィクション」をプロデュースした高城剛の話はけっさくだ。 そういえば小2のとき、警察に賭博で事情聴取されてるんだな、俺。いつも行ってるゲーセンのおやじが点数に応じて換金してくれたんです。そのおやじが賭博でつかまって俺も事情聴取された。小2で、事情聴取ですよ。なんとすえおそろしい子どもだこと。『少年ジャンプ』とインベーダーゲームで育った彼も、いまはテレビのレギュラーを持ち、郵政省のなんとか委員会の委員をつとめ、大手企業からもひっぱりだこだという。ただ遊んでいた子どもではなく、とことん遊ばずにはいられなかった子どもだけが大成するのかもしれない。
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