☆妖精☆

 僕「・・・こんにちは」

 

 ビクッ!ビクッ!と体を震わせる2人、

 かなり驚いた表情だ・・・これって・・・妖精!?

 

 妖精A「こ、こここ、こんにににちわわわ・・・」

 妖精B「さ、さ、さささ、さようううなななららららら・・・・・」

 

 逃げようとする妖精をもう一方の妖精が引き止める、

 かわいい妖精だ・・・よく見るとちゃんと服着てる・・・片方は黒髪、もう片方はピンクの髪・・・

 窓の方へと向かったピンクの髪の妖精を、黒髪の妖精が引き戻してきた・・そして僕の顔の前に・・・

 

 妖精A「わ、わたしたちが・・・見えるんですね?」

 僕「うん、見えるよ」

 妖精B「お、おおおおお、おじゃましましたあああああ」

 僕「うん、さようなら」

 妖精A「ちょっとミナ!逃げないの!!」

 

 ピンクの髪の妖精はミナというらしい。

 

 ミナ「だって・・・ナオも逃げようよお」

 

 黒髪の妖精はナオというのか。

 

 ナオ「おちつきなさいよ!・・・私たちが見えるって事は、それだけいい人なのよ」

 ミナ「でも、でも・・・」

 ナオ「大丈夫!つかまったりしないわよきっと、ほら!」

 

 羽根をブゥーーーンと鳴らしながら、

 2人の妖精は僕の顔の前で静止する。

 

 ナオ「はじめまして!私、妖精の国から来ました、ナオっていいます!」

 ミナ「は、ははは、はじめまし・・・て・・・ミナと・・・いいますううう」

 

 なんかかわいいな

 

 僕「はじめまして、妖精さんだね、はじめて見るよ」

 

 思わず笑顔になる僕の表情に、

 2人は少し安心したようでほっと胸をなでおろしている。

 

 ナオ「私たちが見える大人のひとって、こっちの世界ではじめて見ます」

 ミナ「ほ、ほんとに、感動しました!心が清い証拠ですよ」

 僕「うーん、心が清いって、ほめられてるのかな?」

 ナオ「当然です!子供だって私たちを見られる人ってまれなのに・・・」

 ミナ「その・・・私たちを・・・捕まえたりしませんよね?」

 

 まだミナは少しおびえているようだ。

 

 僕「捕まえないよ、約束する」

 ミナ「ほ、ほほ、ほんとに?」

 僕「本当に」

 ナオ「ありがとう!」

 

 ブゥーーーンと飛んで僕の頬にちょっとキスするナオ。

 

 僕「君たちは何をしてるの?」

 ミナ「それは、あの・・・」

 ナオ「その、人間界に、栄養の補給に・・・」

 僕「栄養って・・・花の蜜とか?」

 ミナ「いえ、花は私たちの世界には無数にあります、ただ・・・」

 ナオ「その、え、塩分が足りないんです!妖精の国では」

 僕「塩分!?」

 

 2人は僕の目をじっと覗き込む。

 

もどる めくる