みんなからの愛をそそがれ日に日に回復していく俺、

体も次第に動くようになり、腕を持ち上げる事が可能になり、

寝返りもなんとかうてるようになった、みんなの愛のおかげで・・・

そんな愛攻撃はみんな揃って仕掛けてくることもある、

一致団結協力して・・・そう、たとえばこんな風に・・・

 

「おにぃちゃぁん、今日はねぇ、動物を連れてきたのぉ」

「動物?動物って?」

「うん、アニマルセラピーっていってぇ、動物が心を癒してくれるんですってぇ」

「動物・・・窓からペガサスやドラゴンはよく見てるけど・・・」

「実際に部屋に連れてくるのぉ、ちょっと待っててねぇ」

 

部屋から出るミルちゃん、しばらくして・・・

 

「にゃん♪」

「レ、レンちゃん!その格好、猫の・・・!?」

「わんわんっ♪」

「ルルさんは・・・犬の格好・・・!」

「ヒヒヒーーーン♪」

「リリさんは馬で・・・」

「がおー、がおー♪」

「ララさんは・・・ラ、ライオン・・・かな?」

「チューチューチュー♪」

「ミルちゃんっ、ね、ねずみ・・・かわいいっ・・・!!」

「ほらぁお姉様ぁ、恥ずかしがってないでぇ」

「う・・・ぴ、ぴょんっ・・・」

「ハ、ハッ、ハプニカさまあああ???」

 

最後に顔を赤くして入ってきたのは・・・

なんと、バニーガール姿のハプニカ様だ・・・!!

う、美しいハプニカ様がバニーの格好を・・・すごい、すごすぎ・・・!!!

 

「そ、その・・・やはり、似合わぬか・・・?」

「いえ、その、なんというか・・・素晴らしすぎて、クラクラしそうです・・・」

「そうか?・・・素晴らしいか?本当か?」

「本当です・・・世界で一番美しいバニーガールです、間違いなく・・・」

「そうかそうか、ふふふ・・・喜んでもらえて嬉しいぞ・・・ぴょん」

 

網タイツにうさぎ耳のヘアバンド・・・胸を強調するバニースーツ・・・

どんな高級なお店でも、こんなにすごいバニーガールはいないだろう・・・だって・・・

本物の女王様がバニーガールをやってるんだから・・・き、気絶しちゃいそうだ・・・

 

「ねぇねぇ、なでてなでてぇ〜、にゃぁ〜♪」

「うん、はい、なでなでなで・・・」

「にゃんにゃんにゃん♪ごろごろごろ・・・」

「私も!わんわんっ♪」

「私もー、ヒヒーン♪」

「がおーがおーがおー」

「ちゅーちゅーちゅー・・・ちゅっ♪」

「あー、ミル様ずるいー!私もキスするっ!」

「うわっ!みんなそんなに寄りかからないで・・・つぶれるっ!」

「やめぬか!こら!・・・すまない、皆、つい・・・ぴょん」

 

みんなを下げて俺に近づくバニーハプニカ様・・・

 

「・・・ほら、さわってよいのだぞ、どこでも」

「どこでもって・・・」

「ほら・・・」

 

胸を突き出すハプニカ様・・・

う・・・手を出そうとして躊躇すると・・・

 

「遠慮せずとも・・・ほらっ」

 

ぷにっ

 

「あっ・・・!」

 

俺の手首を掴んでそのまま大きな胸に・・・

やわらかく重い・・・弾力ある感触だぁ・・・!!

 

「どうだ?」

「恥ずかしいですっ・・・」

「嫌か?」

「いえ、決して嫌という訳では・・・」

「そうかそうか・・・ふふふふふ・・・・・」

 

手を離すハプニカ様。

 

「では今日はこの格好で皇務をする事にしよう」

「そっ、それは・・・」

「そうかそうか、似合ってるか・・・ふふふふふ・・・・・」

 

ミルちゃんを残しみんなと出て行くハプニカ様・・・

あ、あのまま皇務をって・・・大事な会議とか、儀式があったら・・・

いくらなんでもあのままじゃあ・・・と、止めなくていいのかな・・・まわりも・・・

 

「あんなに嬉しそうなお姉様、久しぶりチュー」

「そうなの?」

「チューチューチュー」

 

 

ララさんが今日は部屋いっぱいの花を飾ってくれている、

まるでお花畑のように・・・甘い匂いに包まれる・・・すがすがしい。

 

「いいですね・・・でもこんなに抜いてきちゃって、大丈夫ですか?」

「ええ、あとでちゃんと埋め戻しておきますから・・・どうでしょうか?」

「本当に素晴らしいです、楽園のようで・・お花畑に寝転んでるみたいです・・・」

「では今日はお花畑で貴方様をすっきりさせていただきますわ」

「えっ?・・・あっ!そこはっ・・・ま、まだ昼間なのにっ!!」

「楽園に昼も夜もありませんわ、さ、出させてさしあげます」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

リリさんが今日はたくさんのお茶を作ってくれている、

部屋中に暖かないろんなお茶の匂いがたちこめている・・・いい匂いだ。

 

「ごく・・・ごく・・・このお茶もスッキリしますね」

「はいー、このハーブティは高山でしか取れない葉をー」

「このお茶はコクがあって・・・どれもおいしいや」

「全部、精がつく薬草が入ってますー」

「えっ?・・・あっ!そこは・・・そんなことされたらお、お茶こぼしちゃうっ!」

「しっかり精がついたか確かめますねー」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

ルルさんのマッサージはまさに天国だ・・・

この国でいちばんうまいらしい、いや、世界で一番かも・・・

 

「このつぼをこう押すと・・・えいっ!」

「くうっ・・・き、きくううう!うううぅぅぅ・・・」

「だろ?そして、ここをこうぐりぐりすると・・・」

「うううっっ!い、いいっ!気持ち、いいっっっ!!!」

「そしてこの腰のつぼを同時に・・・ぐいっと!」

「はあああああう!うっ、ううう!!!」

「勃起するでしょ?そういうつぼ。じゃあこのまま・・・」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

レンちゃんは最近はベットに潜って体中を拭いてくれる、

くまなく丁寧に拭いてくれるのはいいんだけれども・・・・・

 

「汗びっしょりぃ・・・なめちゃうぅ!ぺろっ」

「こ、こら!きたないって」

「きたなくないよぉ・・・ぺろぺろぺろ」

「あひゃひゃ、くすぐった・・・あっ、そこはっ!」

「ここは念入りになめるねぇ」

「そっ、そこは・・・そんなことされたら、で、でちゃうう!」

「出たら全部飲んであげるぅ・・・ぺろぺろぺろ」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

ミルちゃんは最近、色気づいてきて困る、

俺の前でお化粧をしたり、ファッションショーまがいの事まで・・・!!

 

「おにぃちゃぁん、どう?口紅ぃ、似合うぅ?」

「う、うん、可愛いよ、ちょっと色っぽいし」

「この服はどう?」

「それもすごくいい・・・って、脱がなくても・・・わっ!」

「この黒い下着はどーう?」

「ミルちゃん、大胆・・・せ、せまってこないでっ!そんな下着でっ!」

「興奮するぅ?興奮してるぅ、だって、ここぉ・・・」

「うっ・・・そこはっ・・・ミルちゃんに、こんな格好で、こんな事っ!!」

「お姉様に負けないんだからぁ」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

ハプニカ様には直々に髪を切ってもらったりした、

それだけではなく、髭を剃ってもらったり、手足の爪まで・・・!!

 

「・・・ハプニカ様にこんな事までしていただけるなんて」

「これぐらい、たやすいことだ」

「恐れ多いです、大変・・・」

「こんな事で恐れていてどうするのだ」

「・・・いたっ」

「す、すまない、深爪になってしまった・・・ぱくっ」

「あっ!そんな、指を吸って・・・きたないっ・・・」

「・・・・・」

「あああっ、そんな、しゃぶらないで・・・指を・・・指の間まで・・・」

「・・・・・・・」

「手、手が!ハプニカ様の手・・・そこはっ・・・駄目っ・・・!」

「・・・・・・・・・・」

「ああっ・・・あ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

 

快楽漬けの日々・・・

まさにハーレムといった感じだ・・・

悦楽の1ヶ月がたち、俺はようやくベットから立てるようになった・・・

 

「やった、両足で立てた!・・・おっと」

「大丈夫?まだ歩くのは難しそうだけど」

「ありがとうルルさん、ルルさんのリハビリのおかげで・・・」

「そうでもないよ、貴方の精神力がやっぱりすごいんだよ」

「そうかなあ・・・よし、歩行訓練もしよう!」

「まだちょっと早いよ、無茶して怪我でもしたら・・・」

「うーん、でも、すぐにでも歩けるようになりたいから・・・」

「すぐは無理だから、ゆっくり行こう?ね?」

 

早く歩けるようにならなきゃ・・・

身も心も完全に奪われる前になんとかしなきゃ、

この国を去れなくなってしまう、はっきり言って、

もう、いつ虜になって国王になる事を了承してしまうかもしれない、

これ以上の快楽漬けはもう危険だ・・・早く、早く出ていかなくっちゃ・・・・・

 

 

「失礼する」

「はい、ハプニカ様、お仕事はお済みですか」

「ああ、それでだ、そなたが立てるようになったと聞いて・・・」

「えっ?何ですか?その小さな箱は」

「うむ、そなたに贈り物がな・・・これだ」

 

中を開けるとそこには・・・

 

「こ、この金のメダルは、モアスの!?」

「ああ、そなたにお返しする」

「戻ってきた・・・嬉しい・・・ありがとうございます!」

「ウッホン・・・礼にはおよばぬ・・・」

「懐かしい・・・あ、あれ?でも、ちょっと・・・・・!?」

 

よーく見るとデザインが・・・違う?

これは・・・刻まれていた俺の名前もないし・・・!?

 

「・・・実は、そなたのはすでに溶かされてしまっていた・・・すまぬ」

「そう・・・ですか」

「それで色々調べて・・・同じ物を作ったつもりなのだが・・・」

「あ・・・りがとう・・・ござい・・ます・・・」

「・・・やはりうかぬ顔のようだな・・・すまない」

「いえ、そのお気持ちだけでも・・・嬉しい・・・で・・す・・・」

「それとは別に、これも受け取ってほしい」

「今度は・・・指輪!?」

「ああ、結婚指輪だ・・・どうか・・・受け取ってはもらえぬか」

「・・・・・・・・・・」

「受け取って・・・・・くれぬ・・・か?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙り込む俺・・・

沈黙の空間・・・・・ 

 

「・・・・・俺がちゃんと歩けるようになったら、答えを出します」

「そうか・・・・わかった、ではそれまでこの指輪は預かっておいて欲しい」

「・・・わかりました、あくまで、預からせていただきます」

 

どこか寂しそうに出て行くハプニカ様・・・

考え込む俺・・・俺の意志はまだなんとか保っていた、

この国を出て行くという意志を・・・1ヶ月もの愛攻撃でボロボロだけど・・・

いかにどれだけ愛情を表現されても、それは緻密に計算した行為、作戦でしかないだろう、

俺をこの国の王にするための・・・本当は俺を愛しているのではなく、だ・・・・・

 

・・・本当にそうだろうか?

本当にみんなは俺を愛していないのだろうか?

俺の心は少し揺るぎはじめている・・・少しじゃないか、もう・・・

でも、本当にどうなんだろう、みんな、献身的に世話をしてくれてて・・・

愛してなければできないんじゃないかと思える事まで・・・!?うーーーん・・・

 

・・・・・そういえばシャクナさん、どうしているんだろう、

あれ以来、会ってないな、ビンタされたあの日以来・・・

確か、俺が呼ぶまでもう来ないと・・・よし、じゃあ呼んでみよう・・・

 

 

「お久しぶりです、トレオ様」

「うん・・・そういえば俺、そんな名前使ってたんだっけ」

「はい・・・お会いできて、大変嬉しく思います・・・」

「お城には来てるの?」

「いえ、あの日以来です・・・お呼びがかかって、ほっとしています」

「もう呼ばれないと思って?」

「それもありますが・・・呼んでいただいたという事は、その・・・」

「その?」

「決心なされたのですね、国王になっていただける・・・」

「その事でいろいろと話を聞いてほしいんだ」

「はい、何でしょうか?」

「俺が国王にならなかったら、どうなるの?」

 

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