ソファーに座る僕、ようやく落ち着いた・・・

流香さんはまだお風呂で髪を洗っている。

それにしても僕、どうしちゃったんだろう・・・

何て言うか、急にパニックになっちゃった、

恥ずかしさと気持ち良さと興奮と、あとイかされちゃうっていう、

期待と不安、怖さも・・・いろんな気持ちがいっぺんに詰まっちゃって、

あんな泣き方しちゃった・・・流香さんが急に態度を変えて心配するぐらいに・・・

あぁ、なんであそこであんな風になっちゃったんだろう?

僕は流香さんにならされてもいいのに、流香さんにされたかったのにぃぃ・・・

あぁ、流香さん怒ってるかなぁ?途中であんな事になっちゃったんだもん、怒ってるよきっと・・・

どうしよう、僕が流香さんにHな事させたのパパやママに知らされちゃうのかな、

そんな事されたらもう、囲碁なんて2度とさせてもらえない!

それに、流香さんともう会えなくなっちゃうのも嫌だよお!!

どうしよう!どうしよう!あやまらなきゃ!

 

・・・ガラガラガラ・・・

 

流香さんがバスルームから出てきた!!

 

「・・・ふぅ、イタルくんごめんね、お待たせ」

 

バスタオルを体に巻いてる、

眼鏡もちゃんとつけてる・・・

体中から湯気がぽかぽか出てる。

 

「流香さん・・僕も・・・ごめんなさいっ・・」

 

頭を下げる・・・

流香さんの目が見れない・・・

 

「私もおかげで冷静になったわ、あやうく・・まあイタルくんは何も悪くないから安心して」

「・・・」

 

流香さんの口調がすっかりクールになってる・・・

 

「これから髪乾かしたらお家まで送ってあげるから、

 お薦めの囲碁の本も貸してあげる・・で、1つだけお願いがあるの・・・」

「はぁ・・・」

「さっきの事、黙っててね、私がこことかお風呂でしちゃった事・・・

 Hな事しちゃったの、内緒にして欲しいの、誰にも言わないで・・・お願い」

「は、はぁ・・・はぃ・・」

「・・・まだ怒っててどうしても言いたいのなら・・その時は私もあきらめるわ、

 理性外れて暴走しちゃった私が悪いんですもの、32にもなって小学生に・・反省してるわ」

「ど、どういうこ・と・・で・・す・・か・・・」

「安心して、もうHな事は絶対にしないから、今日の事は忘れてちょう・・

 ちょ、ちょっと、また泣いちゃって、大丈夫?・・じゃないわね」

「う・・うぅ・・・」

 

また涙がぁ・・

 

「落ち着いて・・・どうすればいいの?私、どうすればいいの?とにかく落ちついて!」

 

おろおろする流香さん、僕の頭をなでようとしてハッと止めた・・・

さ、さわってくれないんだ、も、もう、してくれないんだ、Hな事・・・

 

「イタルくん・・ごめんなさい・・もう触ったりしないしHな事も言わないし言わせないし、変な事もしないし・・」

「ちっ、違うんですっっ!」

「違うって・・どういう事?イタルくん・・」

 

・・・・・しばしの沈黙・・・

 

「イタルくん、思ってる事、素直に正直に話していいのよ?

 誰も怒らないし、イタルくんの望む通りにしてあげるから」

「・・・・・ほ、本当?」

「え、ええ、ええ!本当よ、だからもう泣かないで!

 ね?かわいい顔が台無しじゃない・・・ほら、イタルくん、どうしたいの?今すぐ帰りたい?」

「・・・・・帰りたくない」

「・・・何か悩みでもあるの?やっぱり勉強の事?」

「ううん・・・流香さん・・る・・か・・さん・・・」

「なあに?」

 

流香さんの口調がものすごくやさしい・・・

素直に正直な気持ちを話そう。

 

「流香さん・・・怒ってない?」

「怒ってなんかないわ、心配はしてるけど、すごく」

「流香さん・・・ごめんなさい・・・」

「どうしてあやまるの?私の事は気にしないで」

「流香さん・・・お願い・・・やめないで」

「やめないでって・・・囲碁を?囲碁クラブに行く事?もちろん行くわよ?」

「・・・ううん、やめないで・・欲しいのは・・・」

「・・・なあに?」

「・・・えっちな事、やめないで・・もっとしてぇ」

 

・・・・・またも沈黙・・・

流香さんどうしたんだろう?顔を上げて覗いてみると・・

何ていうか、ぽかんとしてる・・・

 

「イタルくん・・今、私の中で、ズルッ、てずっこける音がしたわ」

「・・・は、はいぃ・・」

「じゃあ、何で泣いちゃったの?」

「その・・・お風呂で泣いちゃったのは、

 恥ずかしいのと、気持ちいいのと、それと、流香さんが、

 いっぱいHな事聞いてきて、どんどんどんどん言ってきて、

 もう、めちゃくちゃになりそうで怖くって、いろんな気持ちがぶつかって・・・泣いちゃった」

「・・・そう・・・私、押さえ切れなくなっちゃってたものね・・

 もっとゆっくり色々聞いたり話したりすればよかったわね、反省」

「あと・・」

「なあに?」

「ここでまた泣いちゃったのは・・・

 その・・流香さんに怒られたらどうしよう、っていうのと、

 パパママに僕がHな事お願いしたの流香さんから聞いたらどうしようっていうのと、

 あ、それでは泣いてないです、それじゅあなくて・・・」

 

唾を飲む僕。

 

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