結局、僕は朝から丸一日、動けなかった・・・

安静期間が終われば働ける、若旦那になった最初の土日を馬車馬のように働こう、

そう誓っていたのにまるっきり・・・それどころか動けないばっかりに、

わざわざ霧子さんに持ち上げてもらい、飛びながら管理人室、つまり新しい夫婦の部屋へ運ばれた。

荷物もすみっこに置いてある・・・早速今日から僕が泊まってた部屋は新しいお客が入っている。

 

僕「あのベッド、大丈夫だったのかなぁ?変なシミがついてなきゃいいけど・・・」

 

まあそのあたりは完璧な霧子さんだから、ついていてもきっちり落としているはずだ。

それに引き換え僕はまったく動けない状態で霧子さんの布団に寝かされている、暇だ・・・

廊下のほうから慌しい足音やお客様との団欒が聞こえるたびに、申し訳の無い気持ちになる。

 

僕「絵でも描いていたいけど・・・筆すら持てない・・・うぅ・・・」

 

事が終わっての余韻が一日中続いている状態、

フルマラソン走って疲れ切って横になった、そんな状態がずっと終わらない・・・

それだけインキュバスの完全体になり、そして香奈々ちゃんをサキュバスにした心身の疲労が凄かったのだろう。

 

僕「そろそろ夕方・・・かな?」

 

時計を見るとまだちょっと早いか、4時半だもんな。

霧子さんはこれから夕食を作る感じかな?

でも昼食は早めの11時に持ってきてくれたんだよな、

置いてすぐいなくなっちゃったけど・・・仕事中だからしょうがない。

もう客じゃないんだ、むしろ僕が夕食作ってお客様にお出ししなけりゃいけないくらい・・・

 

コン・コン

 

霧子「あなた」

 

ガチャッ

 

美味しそうな匂いを持って入ってきた、どれどれ・・・離れててもよく見える、

あれは麻婆豆腐と白味噌汁とキャベツを荒く切ったのにドレッシングかけたのと、

ほうれん草とゴボウのサラダ、それと山盛りご飯か、トレイに乗せ両手に持ったまま入ってきて・・・

 

しゅるしゅるしゅる・・・

 

慌ててしっぽをスカートの中へ・・・

きっとドアノブをしっぽで捻ったんだな?

廊下なんだからお客さんに見られたらどう言い訳するんだろうか。

 

霧子「夕食もこれから作らないといけませんのでお先にどうぞ」

僕「あ、ありがとう・・・後でもいいのに」

霧子「そうはいきませんわ、洗い物を早く済ませるには先に食べていただいた方が・・・」

僕「後でまとめてできる訳だね、で、これはお客さんにも同じものを?」

霧子「ええ、材料がお客様の分しかない場合でなければ・・・私や香奈々ちゃんもお客様と一緒に食べる訳ですから」

 

それがこの家庭的なペンションの売りのひとつ、人気の秘密なんだっけ。

昔行った山小屋のペンションではカレー食べながら毛深い髭オヤジがギター片手にフォークソングを・・・

僕も何か芸でも磨いたほうがいいのか!?マジックショーとか・・・霧子さんが飛べるの利用して何かできそうだ。

 

僕「そうだ!その、廊下でシッポを出すのは、控えた方が・・・」

霧子「お客様は今、みなさん出てらっしゃいますわ、ちなみに香奈々ちゃんは台所で火を見てもらっています」

僕「でも油断しない方が・・・じゃあいただきます!・・・んぐ、んぐ・・・美味しい」

霧子「ちゃんとおかずは主肉、主菜、副菜、汁と揃えていますから、あなたには健康で少しでも長く生きていただかないと」

僕「ありがとう・・・てっきり精がつくようにレバーとかニンニクとかばかり出てくるかと・・・ふむ、キャベツ何もつけなくても美味しいかも」

 

筆を持つ力はまだ出なくても、

箸を持つ力は自然に出てくるっていうのは、

やっぱり人間の本能なんだな・・・いや、もうインキュバスか。

 

霧子「まだ少し手が震えてらしてますわ」

僕「え?そ、そうかな、お昼は問題なく・・・サンドイッチだったから手で食べたけど」

霧子「豆腐は少し掴みにくいですから・・・はい、あ〜ん」

僕「あ、あーーーーん・・・んぐんぐんぐっ・・・」

霧子「そうそう、月曜になったら札幌砂丘病院へ行きますから、服部先生に体を診ていただきましょう」

 

完全体になった後のチェックか・・・

服部先生、ちょっと会うの楽しみかも!?

 

霧子「私も、それと香奈々ちゃんも行きますから」

僕「わかりまし・・・んぐんぐんぐんぐ・・・やっぱりキャベツのドレッシングも美味しい」

霧子「明日の夜は、良い鯨肉が手に入ったのでどのように調理しようかと・・・」

 

カランコロンカラ〜ン♪

 

僕「あ、玄関かな?」

霧子「きっと、新しいお布団が届いたのでしょう!」

僕「お客様の?それともこっち、香奈々ちゃんのとか?」

霧子「私達3人で寝るためですわ、こたつを立てかけて・・・」

僕「じゃあ僕が運ぶ・・・のはまだ無理か、ごめんなさい」

 

ちゅっ、とほっぺにキスしてくれた。

 

霧子「ご無理なさらなくていいのですわよ?あなたは・・・私の、大切な・・・ふふふ・・・」

 

やさしく、それでいて少しいやらしいような怖いような表情で出ていった・・・

僕は霧子さんの大切な・・・続きが気になる・・・夫?それとも・・・餌?まあ、両方かな・・・

キスの余韻に頬を緩ませながら、僕は時間をかけつつ、ゆっくりと早めの夕食を済ませたのだった。

 

・・・

・・・

・・・

・・・・・

・・・・・・・・・コン・コン

 

僕「ん?どうぞー」

 

ガチャッ、とドアが少しだけ開いた、そこから覗いているのは・・・

 

香奈々「えへへぇ〜〜〜」

僕「どうしたの・・・あ、もう夜10時か、寝る?」

香奈々「や〜〜〜ん、えっちぃ〜〜〜」

 

サキュバスが何を言ってるんだか・・・しかもそういう意味で言った訳じゃ・・・

 

香奈々「お兄ちゃん、おトイレへ〜き〜?」

僕「あ、そういえば・・・そろそろ行きたい」

香奈々「じゃあ連れていってあげるー」

 

え、その小ささでもう僕を持って飛べるのか?

と思ったが、普通にうんしょ、と腕を引っ張り起こしてくれた、

うん、さすがに1日中安静にしてたから、そろそろ立ち上がっても大丈夫そうだ。

 

僕「おとととと・・・」

香奈々「まだちょっとふらふらだねっ」

僕「うん、ほんと、インキュバスになったばかりの、よちよち歩きだから」

 

そういう意味では香奈々ちゃんは淫魔の先輩だよな、

お姉さんに面倒みてもらうようなものか?いや待てよ、

香奈々ちゃんをちゃんとした淫魔に羽化させたのは僕だぞ?

だったら僕の方が一人前にしてあげたお兄さん・・・年齢では普通に上だし。

でも関係からいけば年齢関係なく、僕が餌で香奈々ちゃんは・・・と考えているうちにトイレだ。

 

香奈々「ひとりでできるー?手伝おっかー?」

僕「そ、そこまでは・・・どうせ何かしようと考えてるだろ!」

香奈々「えー、どうせ後でするんだし、一緒だよー・・・きゃっ」

 

大胆なこと言っておいて、

顔を赤らめて両手で隠してる・・・

放っておいてトイレに入ろう・・・う、ぐらっときた・・・

 

僕「・・・・・凄いな、体中の血の巡りまでわかっちゃう・・・」

 

淫魔になると、こんな所まで敏感になる。

それに、ドアの前で見張ってるみたいにして立ってる香奈々ちゃんの気配まで・・・

もうちょっと集中すれば、霧子さんやお客さんの位置まで空気を伝わって感じそうだ。

 

僕「なーんとなく霧子さんの、不思議な力が徐々に掴めてきたかも・・・」

 

・・・・・ジャーーー・・・

 

僕「ふう〜〜〜・・・トイレ終わらせるのも疲労感が・・・」

香奈々「このままお風呂いく〜?」

僕「平気かな・・・大丈夫そうだな、うん、行くよ」

霧子「はいあなた、着替えですわ」

僕「わっ!・・・あ、ありがとう・・・」

 

渡してスタスタとロビーへ・・・

びっくりしたぁ、まるで気付かなかった霧子さんの気配、

やっぱり僕よりも、何枚も上手なんだなぁ・・・

 

香奈々「お風呂、お風呂〜♪」

僕「なんでついてくるの!」

香奈々「えー、言わなくてもわかるよねー?」

 

・・・今の時間、混浴だっけ??

 

 

 

僕「・・・・・よし、脱いだぞ」

 

脱衣所で全裸になったはいいが、

くっついてきた香奈々ちゃんは端っこの奥、

死角みたいになってる所でガサゴソしている・・・

 

香奈々「・・・準備できたよー」

 

と言って出てきた姿は・・・!

 

僕「それは・・・メイド風スクール水着の子供用!?」

香奈々「どうー?にあってるぅー?」

僕「に、似合ってるというよりも・・・あ、危ない・・・」

 

乳首はポッチが透けてるし!

それより髪を下ろした姿はまるっきり小学生っぽいぞ、

これ、ロリコンが見たら一発で襲っちゃいそう・・・アソコにも縦筋が・・・!!

 

香奈々「お背中流してあげるぅ」

僕「う・・・じゃあ、お願いしよう・・・かな」

香奈々「こっちこっちぃー♪」

 

体にくっついてきて誘導される・・・

まだ足元がおぼつかないから助けてくれてるんだろうけど、

同時に軽く連れ去られてるみたい・・・シャワーの前へ座らされる。

 

僕「でも、お客さん来ても・・・平気?」

香奈々「だから水着きてるんだよぉ〜」

僕「そっか、うん・・・ならいいか・・・いいのか!?」

 

まあ、翼出したり尻尾伸ばしたりしなきゃ、いっか。

 

香奈々「まだ冷たいから待ってねぇ〜」

 

ジャーーー・・・

 

うーん、霧子さんが僕にやってたような、

お客様へのおもてなしを香奈々ちゃんも練習したいのかな?

このペンションが大きくなったら、香奈々ちゃんが従業員として就職しに来たりして。

 

香奈々「洗うから目をつむってぇ」

僕「うん・・・うわっぷ!いきなり頭から!」

香奈々「シャンプーからねぇー」

 

頭をシャカシャカしてくれるのはいいんだけど、

どうしてこう、背中に胸を密着させているんだろうか・・・

小さいながらも膨らみかけをちょっと過ぎたくらいのおっぱいが、

いい感じでむにむにと・・・その感触さえも敏感にわかってしまう!

乳首がつんつんしてるのも・・・あ、ちょっと硬くなってこりこりしてきてないか!?

 

香奈々「えへへへへーーー」

僕「どうして・・・笑う・・・の」

香奈々「お兄ちゃんを洗ってあげてるからぁ〜」

 

・・・頭が一通り終わると、

次はおそらくボディソープ・・・

容器から手へ押し出している音が聞こえるから、

間違いないだろう・・・シャワーを一旦置いて、

手ににゅるにゅると擦り合わせている、それを後ろから抱きつくようにして・・・胸に!

 

にゅるにゅるにゅるっ!!

 

僕「はあぅっ!!」

香奈々「体中綺麗にするねぇ〜」

僕「く、くしゅぐっ、たひいっ!!」

 

やばい、妙に気色良いぞ!!

 

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