深い深い、情のこもった舌に頭がぼーっとなり、だらんと両腕が下がる・・・。
ちゅっ、ちゅぴっ、じゅぶっ、ちろちろっ、ぬちゃぬちゃっ・・・
あぁ、誰にも邪魔されない2人っきりの空間だからこうなるのか・・・
しかもこのキス、霧子さん相当我慢していた感じだ、舌を貪ってきている・・・
まるで『この餌は私のもの』と勝ち誇るかのようにペースを握ったキス、それに翻弄される・・・。
キスに夢中でいつのまにか抱きしめられてるのに気付かなかったし、
気付いたら気付いたで、大きな大きな胸が密着して、僕の心を埋もれさせようとしてくるっ!
くちゅくちゅっ、ちゅぶちゅぶちゅぶっ、れろれろれろれろれろっ・・・・・
あの恐ろしくてそれでいて凄まじい快感を、すっかり脳裏と体に焼き付けられた吸い尽くされる喜びを・・・!
霧子「・・・・・んっ、はい、ここまでですわ、続きは帰ってから・・・」
霧子「さあ、駅へ・・・その前に口紅が付いてしまいましたわね、お拭きしますわ」
ううう・・・この勃起どうしてくれるんだぁ・・・あ、しぼんできた。
今度は札幌へ持っていくお土産に、あとは・・・本屋に安いDVDが並んでる。
またクラシカルな幽霊の格好で笑わされたら、たまんないからなぁ・・・霧子さんも傷付くし。
僕「リング・・・呪怨・・・着信アリ・・・怪奇大家族は違うな日本じゃ珍しいコメディホラーだから」
霧子「まあ怖そうですわね、でもそんなに買って大丈夫ですの?」
僕「廉価版だからね、洋画も買っておくか・・・でも洋画は1980〜90年が一番いいんだよな〜」
やっぱり霧子さんが意図する『精神的恐怖』は日本のホラーがいいな、
あと昔はエロティックホラーていうジャンルが確立されてて妖女伝説セイレーンとか、
アニメでもホワイトシャドウとか・・・そのあたりはネットで観る有料動画サイトに繋げばいいか。
僕「やっぱり外国のホラーは単にびっくりさせるだけのが多いから、日本のこれで」
僕「はい・・・って霧子さんが持っていっちゃ・・・ま、いっか」
僕「・・・・・あれ全部見終わったら、どんなことされるんだろう」
でも、それが楽しみに感じるのは、やっぱりインキュバスになったからなのかも・・・
人間のとき、ペンションで霧子さんが迫った時の恐怖、あれ以上のものが・・・・・待っていそうだ。
自分用に何か記念って訳じゃないけど今まであえて買わなかったような、
雷おこしとか、銘菓ひよことか、もしくは形に残るような・・・東京タワーの置物はいらないよな。
霧子「買ってまいりましたわ、あらお土産でしたら程ほどにしておいてくださいませ」
僕「うん、でも自分用っていうか、こういうの持って行きはしても自分じゃまず食べないから・・・」
霧子「よろしいですが、北海道の空港でもお客様にお出しする用のお土産を買っておきたいので」
霧子さんは東京や大阪、本州から、いや、北海道以外の場所から来たお客様のために、
北海道土産をあえて買ってペンションで出すのか、僕も夜にお腹が空いて、白い恋人を貰ったっけ、ためになるなぁ。
僕「じゃ・・・自分のは、やわらかいひよこ饅頭だけにしておこう」
霧子「夕食はどうしましょう、今から空港で、ですと時間があまり・・・」
僕「んー、手料理がいいかも・・・まだ明日の朝は普通の食事でいいんだよね?」
霧子「そうですね、お昼から変化が表れますから、明日の朝はお好きな物を・・・ただ・・・」
僕「あ、朝だから重い食事は無理か・・・かといって電車の中とかで手料理は無理だし、まあ、駅弁でもなんでもいいや」
霧子「わかりましたわ、そのかわりと言っては何ですが、食べさせてさしあげましょう」
ラブホではある意味、あれが東京へ来たメインていうくらい大変だったからなぁ。
僕が眠った後もシーツの交換とか、体も拭いてくれたみたいだし、霧子さん大して寝てないだろう。
そっとしておいてあげよう・・・機内誌でも読むか・・・あいかわらず広告が多いなぁ、まあ無料だから・・・あ!
黒い翼も美しかったなぁ、黒い尻尾も・・・女は魔物というけど、これは魔物の女だ。
あらためてインキュバスになって見てみると、この目とか淫魔独特のそれっぽい、写真なのにゾクッとする。
じーっと見てると段々と僕を獲物として見ているような気がしてきて、て、手が震えてきた・・・慌てて雑誌を畳む。
一線級のサキュバスとは、まさにこの事なのだろう、鈴崎会長も別格だった。
そういえばこのサキュ・・・女優、ホラー映画も出てたよな、髪の毛が伸びて襲うやつ・・・
あれを霧子さんにあげれば良かった、まだ公開して日が経って無いから廉価版は出てないのだろう、
札幌で新品を・・・まだいいか、いきなり情報をいっぱい与えても霧子さんがこんがらがっちゃう、序々にでいい。
うー、雑誌にもかかわらず、このサキュバスに取り付かれた感じだ。
僕「・・・一発でこのページ出るのって、どのくらいの確率だ!?」
前の網に突っ込んで戻す・・・機内ラジオでも聞くか、って嫌な予感が・・・!
ラジオの声「宮森ゆま子がお送りする、空飛ぶアニメソング放送局ぅ〜♪」
さ、ささ、さきゅばす声優・・・うぅ、しょうがない、とりあえず寝よう・・・
もっ、もちろんイヤホンは抜いて!これ聞きながら寝たら、間違いなく夢で犯される!!