女医「・・・はい、もういいですよ」

 

きゅぽんっ!

 

僕「ぁぅ・・・・・」

 

ようやく器具をペニスから外された、

服部先生は衣服を直して、採血とかでよく抜いた血を入れるような試験管?ビーカー?

でも中は血の赤じゃなく、精液の白・・・それを並べている、あんなに出したんだぁ・・・ひい、ふう、みい・・・

 

女医「とりあえずこちらで8本保管させていただきます」

僕「ぅ・・・も・・・もう、しまっていいですか、パンツあげても・・・」

女医「もちろんです、ではこちらをどうぞ、お飲みください・・・できれば全部」

 

栄養ドリンクがいっぱい入った袋を渡された、

オロナミンC、リポデタンD、ミンナミンE、チョコラBB、アリナミンZ・・・

ユンケルの一番値段が高そうなのまで!あと申し訳なさそうにヤクルトもついてる。

 

僕「今すぐここで、ですか?」

女医「東京への飛行機に乗るまでに、でいいでしょう」

僕「わかりました、とりあえずユンケルとヤクルトを・・・」

女医「東京でも最低2・3本分は抜かれるでしょうから」

僕「ぶっ!・・・ごめんなさい、ちょっとこぼしちゃいました」

 

落ち着こう・・・ヤクルト甘いなぁ・・・

あ、まだ白衣の胸の部分がちゃんと閉じられてなくて、ちょっとせくしぃ・・・

 

女医「あとは普通の健康診断もあると思います」

僕「ここで先にやっちゃうのは駄目なんですか?」

女医「構いませんが、向こうでやられた方が色々な説明を聞けてよろしいかと」

僕「そうですか・・・まだ正式にインキュバスになるって決定してないから・・・」

女医「でも主治医は私が務める事になると思います、では脳の様子を伺いましょう」

 

今度は椅子にちゃんと座らされ、

後頭部に手をあてられる・・・ポワッと暖かい光・・・

確かに霧子さんのとは質も、癒される感覚も段違いだ。

 

女医「・・・前頭葉はしっかり安定しているようですわ」

僕「そんな所までわかるんですか」

女医「ええもちろん、医者ですから」

 

・・・でも服部先生は泌尿器科だよな?

まあ細かい部分は気にしちゃ駄目か。

 

女医「・・・そのままお聞きください、インキュバスに本当になられるというのでしたら、

 サキュバスに、特に霧子さんに対して気をつけていただきたい事が、そうですね、3つほどあります、

 これは東京での説明でも教えない事でしょうから、よく聞いてください、いいですか?」

僕「は、はい・・・頭がぼーっとしてきたけど、ちゃんと聞きます・・・」

女医「まず1つ目、サキュバスは長く生きて人間を、インキュバスを捕食する種族です、

 日本で一番長く生きている、東京の鈴崎会長で600年くらい生きてらっしゃいます」

僕「ひぇ〜・・・それって江戸時代よりもずっと前ですよね?嘘みたいな信じられない話・・・」

女医「霧子さんもそれ程ではありませんが、人間より長く生きています、当然、過去のことが気になるでしょう、

 でも、それには一切触れてあげないでください、サキュバスでも人間と本格的に共存するようになってからは、

 パートナーを本気で愛するようになりました、ですから何十年かかけて捕食し終えた相手の事を、

 複数いればその1人1人を、大切に大切に心へしまっています、それを掘り起こさないであげてください、

 今現在のパートナーこそが最高で最愛のパートナーであるためにも、過去の相手についてはタブーでお願いします」

 

なるほど、精を吸い尽くした相手はもうこの世にいないんだから・・・

そう考えると未亡人と結婚するみたいだな、みたいじゃなくてそういう事か。

サキュバスって予想していたよりもデリケートな種族かな・・・人間の女性だってそうか。

 

女医「2つ目ですが、インキュバスになったら、パートナーのサキュバスに気を使わないでください」

僕「気を使わないっていうと・・・どういう事でしょうか?」

女医「サキュバスは餌になってくれたインキュバスに対し、少なからず負い目を感じます、

 近年でこそ互いにパートナーという呼び方をしていますが、

 昔は最優先のインキュバスを持つサキュバスの事を何と呼んでいたと思いますか?」

僕「ええっと、インキュバスの相手であるサキュバスの呼び名ですよね?お嫁さん?」

女医「いえ・・・『飼い主』です、もちろん今の時代では、そのような言い方をすれば普通に怒られますが」

 

うわ、それはまた強烈な・・・じゃあ逆にインキュバスは飼い犬とか飼い猫とか呼ばれてたんだろうか?

 

女医「でも寿命のうち残り半分を捨ててまでインキュバスになってくださったパートナーに、感謝でいっぱいになるのです」

僕「だから、気を使わないで欲しいんですね、わかりました、インキュバスになったらそう・・・できるかなぁ」

女医「むしろ我が侭になったり甘えたり、負い目をある程度、打ち消してあげて欲しいのです」

僕「わかりました、でも女性に酷いことはできない・・・女性っていってもサキュバスだけど」

女医「愛し合うからこそ気を使うのは良いことに思えるでしょうが、サキュバスとインキュバスの関係を踏まえて考えてください」

 

まあ、そうだよな、命を半分も食べられちゃうんだから。

かといって、我が侭ってどうすればいいのか・・・追々考えるとしよう。

 

女医「3つ目、これは先ほどの2つ目の注意とも少し関連するのですが」

僕「はいはい・・・あう・・・後頭部の指圧が、気持ちいいっ・・・」

女医「サキュバスはインキュバスに気を使ってしまいます、だからお願いしたい事があっても言いにくい場合があります」

僕「それは、もっと精が欲しいけど僕がもう出すのを辛そうにしていたりとか?」

女医「そうですね、でもちなみにインキュバスは、射精の回数と量が多ければ多いほど寿命が長くなります」

 

長くなるっていったって、元の残り寿命の半分になる訳だから、

奪われる寿命が少し目減りする程度だろう、死ぬのが遅くなるって感じかな。

 

女医「そういう生活環境のために、暗黙の了解として、絶対にこうして欲しいという時は、完全な命令語になります」

僕「命令語・・・立て!とか座れ!とか、精を出せ!とか掃除しろ!とかですか?アンコウをさばけ!!とか」

女医「先ほど精を保管用採取する時、ベッドへ『さあ、来るのよ』と言いました、ああいう感じです、あとは『来なさい』とか」

僕「お約束、っていうやつですね、わかりました、そういう強い命令口調には必ず従うようにします」

女医「我が侭になってほしいと言った直後に申し訳ないのですが、インキュバスとしてサキュバスのパートナーになるための義務だと思ってください」

 

インキュバスになるとサキュバスに対して守らなければいけないルールが色々あるようだ、

でもサキュバスはインキュバスに気を使ってしまわざるをえない、だからこそ、

普段はちょっと我が侭したりするのもいい関係でありながら、関係の明確な線引きとしての命令口調があるのだろう。

 

女医「以上の3つです、よろしいですか?」

僕「はいぃ・・・必ず・・・守らせて・・・いただき・・ますぅ・・・」

女医「さあ、外で霧子さんが待ってらっしゃるようです、東京へ行ってらっしゃいませ」

 

治療は終わったみたいだ、

一礼して出ると霧子さんが座って待っていた。

 

僕「なんで、急にいなくなっちゃったんですか?」

霧子「今日の午後にでも東京の本部へ伺いに行っていいか、直接電話をと思いまして」

僕「そうなんですか・・・それで?」

霧子「はい、鈴崎会長も夜遅くなっても待ってくださるという事でしたので、これから」

僕「今すぐですか・・・わかりました、じゃあまた空港で食事にしましょう」

 

最後にひょっこり顔を服部先生の方へ覗かせ一礼する霧子さん。

その後ろから、隙間から見えた先生は昼食のお弁当を再開している。

・・・サキュバス姿、見てみたかったなぁ、おっぱいも中は見れなかった・・・

 

霧子「急ぎましょう」

僕「はい、東京へは早くて夕方かな・・・」

霧子「途中で航空チケットを買いますね・・・走らないで!」

僕「はいっ!!」

霧子「声も静かに・・・病院なんですから」

 

早速、命令口調に素直に従っちゃった。

 

 

 

 

札幌駅から新千歳空港に移動し、

飛行機を待つ間、軽く昼食を取った。

航空チケット、領収書を貰ってたけど、宛名はやっぱり砂丘病院かな?

平日の昼間って事もあり、2時前には飛行機に乗れた・・・羽田到着は3時半か、

その後の移動はわからないけど、ちゃんと夕方には間に合いそう・・・と、機内で落ち着いて考える。

 

僕「・・・・・」

 

インキュバスになる・・・

霧子さんに精を遠慮なく吸われ続ける・・・

残りの寿命が半分になる・・・確かにハイリスクだよな、

でもあんな凄い快感を味わい続けられるんだから、ハイリターンだ。

他のサキュバスともできたりするのか?例えばあの服部先生・・・凄い胸だったなぁ・・・

 

霧子「・・・・・?」

僕「・・・はっ!な、なんでもないです・・・」

霧子「そうですか・・・」

 

じーっと顔を横から見られてた、

スケベそうな顔でもしてたんだろうか?

だって服部先生すごいんだもん・・・でもあれ以上脱がなかったって事は、

あくまで事務的に、医療行為としてやったからなんだろうか?それともあれだ、

霧子さんに気を使ったとか、パートナーしか挿入はしちゃいけないとかなのかも?

 

僕「・・・・・」

霧子「・・・・・・・はい?」

僕「い、いえ、なんでも・・・」

 

今度は僕が霧子さんを見つめちゃった、

サキュバスはパートナーとなるインキュバスを本気で愛する・・・

霧子さんが僕を本気で愛してくれるなら、何でもするけど、ちゃんと言って欲しいなぁ・・・

 

僕「・・・機内ラジオでアニメソング特集でも聞いていよう」

 

・・・この歌ってる声優、アニメ声だよなぁ、

アニメ声といえば香奈々ちゃん、霧子さんがサキュバスだって知ってるんだろうか?

サキュバスっていう単語自体を知らないだろうな、中2なんだし・・・中2でもう眼鏡って早いよな。

それより土曜から、そして冬休みシーズンに入ってからどうするかだ、お手伝いに来てくれるのはいいけど、

霧子さんの部屋で寝てもらうとして僕は・・・こたつで寝る、のもまずいか、物置部屋とかないのかな?

 

霧子「・・・・・」

 

真面目に機内誌を読んでる霧子さん、

こうして見ると、普通の知的なお姉さまなんだけど・・・

って、じーっと見てちゃまた気が散るといけない、着くまで寝るか・・・精もあんなに抜かれたし。

 

僕「・・・・・」

霧子「・・・・・・・」

僕「・・・・・zzz・・・」

 

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