夜10時半、僕の部屋・・・

 

霧子「・・・・・」

僕「・・・・・・・」

霧子「・・・・・・・・・」

 

モデルをやってもらい、静かに描き続ける。

この今の絵は、あくまでサキュバスを表面的に描いている、

言うならばノーマルな、写真に近い絵・・・もちろんこれはこれで作品としては価値がある、でも・・・

 

僕「・・・霧子さん、こういう話をご存知ですか?ある画家さんは、裸婦を描くとき、後ろを向いてもらうそうです」

霧子「はいっ?それはなぜでしょうか?背中を描く作品も価値があるというお話ですか?」

僕「いえ、そうじゃなくって、前を立体的に描く時、背後の立体像もよくわかったうえで描くんです」

霧子「彫刻家のお話みたいですわね、裏と表、両方をイメージして描かれるという事でしょうか」

僕「そうです、ですからその画家さんは、最初に見た前の姿を頭に焼き付けてから、後姿を見ながら前を思い出し、想像して描くそうです」

 

こうやって描いててわかるけど、

実際のサキュバスの姿をそのまま描くよりも、

裸の、人間の姿の霧子さんに翼や尻尾を想像して付け足した方が、

イメージが良い方向に膨らんで、もっと幻想的な作品が出来上がると思う。

本当に描きたいのはそっちだ、そしてそれを描くには、もっと霧子さんを深く深く知りたい。

 

霧子「では、後ろを向きましょうか?」

僕「いえ、前を書くには後ろも知って、という事を言いましたが、僕が知りたいのはそれじゃないんです」

霧子「前と後ろではないとすると・・・ですと・・・・・表と裏?」

僕「勘がいいですね、その通りです、僕は霧子さんの裏の部分、本当の所をもっと知りたいんです」

霧子「しかし、この姿こそが本当の私ですわ、翼は外れませんし、しっぽだって・・・引っ張ってみますか?」

 

あ、ちょっとくいっ、と引いてみたいけど、今はそんな話じゃない。

 

僕「それはわかっています、もっと・・・もっとサキュバスの本質を、体感して描きたいんです」

霧子「では・・・恐怖を感じながら描きたいとおっしゃられるのですね?」

僕「それもありますが・・・・・インキュバスになって、サキュバスをもっともっと知りたいんです」

 

筆を置き、霧子さんの方へ近づく・・・

と、逆に霧子さんが舞い上がり僕に近づいてくる!

 

バサバサバサ・・・

 

僕「ひっ!」

 

ひょい、と連れ去るように僕を抱きかかえると、

そのままベッドへ・・・獲物を捕まえた、という感じだ。

 

霧子「では・・・たっぷりと恐怖を心へ焼き付けてさしあげましょう」

僕「お・・・お願いし・・・ます・・・」

霧子「でも、お風呂場であれだけ出されたのですから・・・長くはもたないでしょうね・・・ふふ・・・」

 

ゆっくりゆっくりと、僕は裸にむかれていく・・・・・!

霧子さんの指がシャツごしに、または直に触れるたびに、

ドクン、ドクンと心臓が恐怖で高まり、ゾクゾクッと大きな震えが通り抜ける!

 

僕「霧子さんのためなら・・・耐えてみせます・・・」

霧子「そう言っていられるのも今のうちかも知れませんわよ?」

僕「いえ・・・本当に・・・どうなっても・・・いいです・・・」

 

正真正銘の犯される恐怖・・・

前々から、怖さを感じたり感じなかったりするのはなぜだろうと思っていたが、

どうやら霧子さんの意思と、僕の意思が関係してる気がする・・・本当に、やろうとするのかどうかっていう・・・

 

霧子「これで上は全て脱がせ終わりましたわ・・・ふふっ・・・」

 

あああ!僕の胸に霧子さんの唇があっ!

 

ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ・・・・・

 

魔法でもかけるように上半身にキスの嵐を降らせてくる!

その1つ1つがぞぞぞーっとナイフで刺されているみたいな恐怖を感じる、

ただ、この怖さの質は、人では無い者にされてしまうという感覚が凝縮されたもの・・・!

 

僕「あっ・・・ああっ・・・あうっ・・・」

 

ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ・・・

 

リズム良く、しかも音をあえて立てるようなキス、キス、キス・・・

やがて唇をつけるだけだったのが、紅い舌をのぞかせペロッと舐めるようになったり、

強く吸いはじめてからは軽い痕がつきはじめた、そしてついには僕の乳首まで・・・!

 

ちゅーーーっ!

 

僕「あひっ、き、きついっ!」

霧子「・・・きついくらいの方が、良い刺激になって、気持ちいいのでしょう?」

僕「はあっ!舌で、ころがさ、ないでっ!」

 

れろれろれろっ・・・

ちゅちゅちゅっ・・・

 

気がつけば胸板は強く細かいキスで、うっ血だらけ・・・

これが広がってくっついて全身を覆い、僕をインキュバスにしてしまうのだろうか?

そう思うと全身に鳥肌が立ち、両腕が、両足がガクガクと震え始めた、そしてトドメのような、僕の唇へのキスが!

 

んちゅううううううぅぅぅ・・・

 

入ってくる舌が、僕の舌を犯す!

 

れろれろ〜・・・ぴちゃぴちゃ、にちゃっ、くちゃっ、ぢゅるるるる・・・

 

僕「ーーー!!」

 

落ちる!落とされる!落ちていくうううぅぅぅ・・・・・

 

霧子「・・・・・んはっ・・・ふふ・・・もうこれで動けませんわよ」

僕「・・・・・ぁ・・・ぁぁ・・・・・」

 

体中が長めのキスひとつで完全に痺れている・・・

霧子さんは口の中に残った唾液をごくっ、と飲むと満足したかのように体を震わせ、

大きな胸と背中の翼を揺らしている、そして僕のズボンに、パンツに手を掛け一気に下ろした。

 

霧子「まあ、お風呂であんなに出したのに、もうこんなに・・・」

 

恐怖とは裏腹に大きく強くいきり立ったペニス、

逆にもうこれは怖さを感じないと勃起しないんじゃないかと思うくらいだ。

それを見下ろす霧子さんは、獲物を見るような恐ろしい目で、不敵な笑みを浮かべている。

 

霧子「・・・怖いでしょう、せめて・・・目隠しをしてあげるわ」

 

しゅるしゅるしゅる・・・・・

 

僕「はあっ!!」

 

伸びてきたのは霧子さんの髪!

束になって上半身に巻きつき、さらには首筋、そして顔へ!

あっという間に視界が髪に覆われ真っ暗に!今度は何も見えない恐怖ま被さってきた!!

 

霧子「さあ、何も見ずに感じるだけでいいのよ・・・」

僕「ぁぁぁ・・・」

霧子「快感も倍になりますから・・・もちろん快感だけじゃなく・・・ふふふ・・・」

 

恐怖も倍・・・でも、這って来た髪の毛が、

乳首や耳までさわさわと愛撫してきて、たまらなく気持ちいい!

ビクンビクンと硬く脈動するペニス!そこへ重さがかかってきた、霧子さんが跨ってきたっ!!

 

霧子「存分に、たっぷりと、出してくださいませ・・・そおら」

 

ぐにゅっっ!

 

僕「はあああああ!!」

 

挟まれるペニス!

 

にゅる、にゅるっ!!

 

いやらしい液で熱く強くしごかれる!

でも・・・でも、何か少し違う!これは、まだ入っていない!!

言わば素股というか、股で挟んでいるだけの状態!でも、たまらなく気色良いいっ!!!

 

ぐにゅぐにゅ!ぬちゃぬちゃぬちゃ!!

 

霧子「あはぁ・・・んはぁ・・・あぁんっ・・・」

 

感じ始めてる霧子さん、

そこ小さな喘ぎ、吐息だけで僕はイカされてしまいそうだ!

きっとこのまま入れずに何度も射精させて済ませようとしてるのだろう、

目隠しだって入れてないのを誤魔化すと同時に視覚を奪い触覚を感じやすくさせる事で、

恐怖と重ねて強引にイカせ続ける作戦・・・でも、思い通りにさせる訳にはいかない!僕だって・・・愛したいんだ!

 

僕「・・・・・霧子・・・さんっ!!」

 

がりっ、と下唇を噛んで力をこめる!

恐怖も快感も全て跳ね返す勢いで体を起こすと、

自分でも信じられないくらい軽々とバネのように全身が動いた!

 

霧子「きゃあっ!?」

 

勢い余って押し倒した!

形勢逆転、まだ顔にかかる髪の隙間から、

驚いている霧子さんの顔が見える、眼鏡の奥の瞳が点になってる感じだ。

 

僕「霧子さん、愛してます!愛しています!好き・・・ですっ!!」

 

そのまま腰に力をこめる!

 

ずにゅううっっ!!

 

霧子「んああっっっ!!!」

 

もどる めくる