結局、本当に描けなくなったのは日が沈んでから・・・危なっかしい帰り道を気をつけて歩く。
僕「体もすっかり冷えちゃった・・・あれ?あそこにいるのは・・・?」
霧子「はいどうぞ、いきなりですと熱いですから、ふ〜ふ〜しますねー」
僕「わ!霧子さんの眼鏡すっかり曇っちゃって・・・霧子さんも寒いでしょう」
霧子「平気ですの、寒さには・・・それよりも心配でしたから、とはいえ邪魔してもいけないと思いまして」
僕「だからって・・・どのくらい玄関の前に立っていたんですか!?あ、いただきます」
霧子「ほんの2・・・1時間半程です、さあ、お風呂とお夕食、どちらを先になさいますか?」
僕「霧子さんの体を温めたいから、お風呂を、い、一緒に・・・」
僕「じゃあ、お風呂に入りながらご飯、はさすがに無理ですよね・・・」
霧子「考えておきますわ、今日の所はテーブルでいただきましょう」
色々と準備してくれてる、その間に荷物を部屋へ運び、戻ってインターネットをする。
でも砂丘病院が無い地域でも、提携病院として大きい病院が載ってる、
全国にいる?サキュバスが何かあったらここへ行けばいいのか・・・北海道は札幌と、提携が室蘭・・・
霧子「ええ、稚内や旭川、網走あたりに提携病院を置きたいそうなのですが」
僕「砂丘病院のホームページを見てるんですが、普通の大きい総合病院ですね」
霧子「もちろん一般の、人間の方も診察いたしますから・・・同族だけでは経営が成り立ちませんもの」
服部先生のグラビアページでも探そうかと思った手を止めテーブルへ着く。
霧子「今日はホタテとかぼちゃのパイ包みに、ガーリックチキンステーキにオイスタースープです!」
霧子「明日からはしばらく家庭的な料理にする予定ですから、今夜は頑張ってみましたわ」
霧子「はい、それとこちらのハムサラダには和風ソースを・・・さあどうぞ」
かなりの力作、これを食べて欲しくて玄関の外で待つ気持ちが伝わるよ!
僕「そっか・・・んぐんぐ・・・美味しい!コクがあって、濃厚で、素晴らしい!」
栄養バランスとか、献立の偏りが無いように気を使ってくれてるのだろう、
でも今夜は『あ〜ん』が無いのがちょっと寂しいかな?そこまで贅沢言っちゃ駄目か。
僕「ありがとう・・・なるほど、今日は客と店員って感じでいくんだ」
霧子「ええ、土日と従業員のように働いてくださったので、今日は完全にお客様としてのおもてなしを・・・」
あらためて今現在の関係を確認されてるみたいだ、じゃあ来月からは?
忙しいから勝手に食べて!とかなるんだろうか?もしくは僕が作る・・・別に嫌じゃないけど。
・・・12月から従業員状態になると、もうここまではしてもらえないのかな?
でも、この間みたいな新婚さん状態に切り替わるなら、それはそれで嬉しいかも?
どういうスタンスで、どう線引きをすればいいのか、霧子さんも迷ってる状況かも知れない。
僕「ごちそうさまでした、いいのかな〜僕1人のためにこんなに」
霧子「最初はケーキにしようかと思ったのですが、余ってしまうと困るので・・・」
僕「自家製ですよね?いただきます・・んぐ・・・甘すぎなくって、おいしい!」
変にデコレーションケーキとかフルーツパフェとか持ってこずに、
手作りプリンで〆る所なんかは霧子さんらしいうえ、僕の好みに凄く合っている。
僕「・・・もう食べ終わっちゃった!本当にごちそうさまでした!」
霧子「私の食事もありますので、あとでまとめてさせていただきますわ」
日によっては大雪でNHK地上波すら大変な日があるからなぁ・・・
僕「スカパーとか入ればいいのに・・・有料放送中心だから無理か」
僕をインキュバスにするから、あれだけの料理を食べさせてくれたんだよな?
それで精をつけて、吸い尽くしてインキュバスに・・・インキュバスってどうやって、なれるんだろう?
で、インキュバスになってからはどうなるのか、普通の人と基本的には変わらないみたいな事を言ってたけど、
じゃあ基本的以外の細かい部分は?とか気になるよな、僕にも翼やしっぽが生えるんだろうか?出し入れできるんだろうか?う〜ん・・・
精が欲しいなら、入れずに出した精を注入する、とかは駄目なんだろうか?
挿入しなければインキュバスにならずに済むんなら、挿入しないで入れる方法・・・
あっ、それがあの薬として注射したり飲んだりしているやつなのかも?どうだろう?
僕「医療が発達してるなら色々解決できそうだけど・・・うむう・・・」
子供は作れるのか、戸籍は?資金源は?あの薬の精液以外の成分は?
あの翼でどうやって空を飛んでいるのか、しっぽは自分でどのくらい動かせられるのか・・・
モデルしてもらいながら話、はさすがに集中できないか、まあ、とりあえずは・・・