「催淫銃以外にもう1つ、皆さんの個性に合った武器を入れてあるざます、

 有人さんのは・・・秘密にしてあげて、他の人のをこちらへ持ってくるざます」

 

兵隊さんが先生へ適当に持ってきたリュック、そこには35番と書かれている。

 

「それ・・・私の・・・」

「出席番号35番・萌葱原 鈴(もえぎはら すず)さん、

 あなたの家系は代々忍者だったそうね・・・あなた専用の特種武器は、これざます」

 

中から取り出したのは、手裏剣!?

 

「これを受けるとざますね・・・」

 

シュッ、とリュックを持ってきた兵士の喉元へ手裏剣を投げた!!

 

バシュッ!!

 

「はぁう!!」

 

ビュクビュクビュクッ!!

 

迷彩服のズボンがおもらしみたいに濡れ、精液の匂いが・・・

 

「このように、当たると怪我はしなくても刃の部分に性感催淫銃の光線と同じ成分が染み込ませてあるざます!」

 

ピクピクを泡を吹いている兵士がタンカで運ばれる・・・

それを見ている間にクラスメイトの2人にパンツを履かせ終えてもらってズボンも上げられた。

 

「なお、人によっては専用特種武器ではなく専用特種防具や専用特種アイテムだったりするざます、

 それぞれに対して一番良いアイテムがあるざますから、慎重に使うざーますよ!いいですわね!?」

 

兵士に当たって落ちた手裏剣を35番のバックの中へ戻してあげる長月先生、

女生徒のはちゃんと補充してあげるのかよ・・・それにしてもこれは絶体絶命だ。

 

「リュックの中には他に地図と1日分の食料があるざます、

 食料が足りない場合は相手を倒して奪うなり盗むなりすると良いざます、

 もちろん自然から調達するのも良いざます、水も自力で自然から調達するざます」

 

まさにサバイバルだ・・・

 

「それと一番大事な事を言うざます・・・これは殺し合いではありません!

 今から20年以上前、クラスの生徒が全員で殺しあうといった映画がありましたが、

 そのような野蛮な行為は断じて許されないざます!多少荒っぽい行為は目を瞑りますが、

 もし、相手を命の危険に晒したり重大な怪我をさせた場合は即刻失格!賠償請求もするざます!」

 

失格か・・・あれ?僕が失格になったら、どうなるんだ?

 

「先生!質問があります」

「はい、出席番号18番・津末 由唯(つすえ ゆゆい)さん」

「相手を大きな怪我させれば失格ということは、私が勇人くんに怪我させられた場合は勇人くんに責任を取ってもらえるんですか?」

「良い質問です、普通に考えるとそうですが、その場合、勇人さんをわざと罠にはめて自分で怪我をする生徒が現れたり、

 勇人さんが自分で大きい怪我をして皆さんを失格にしようとするかも知れません、そのような不正がないようにざますね・・・

 もし勇人さんが失格または怪我によるリタイヤをした場合、勇人さんは・・・・・私と結婚してもらうざます!!」

 

えええええええええええええええええええええええええええ長月せんせえとー!?

だって確か42歳・・・っていうか独身だったの!?や、やだ・・・それは嫌すぎるううううう!!!

 

「上空から菱大路印の超高性能人工衛星が見張ってるざます、体温察知で室内や地下にいても何をしてるかばれるざます、

 兵隊も配備されていて失格者や重度の負傷者をすぐに運べるようにしてあるざます、変なことは考えないようにするざます!!」

「あ・・・あの・・・先生・・・」

「はい、出席番号0番・美麗 勇人(みれい ゆうと)さん」

「その・・・基本的な質問ですが・・・ここって・・・・・どこですか?」

「そうざますね・・・あちらを見るざーます!!」

 

兵士が体育館側面の扉を一斉に開けた!!

そこに広がっていたのは、一面の海と波・・・!!

 

「ここは島ざます、地図にない瀬戸内海の人工島・あかさ島ざーます!!」

「やっぱりー、ここ私ん家の島だー」

「そうです、出席番号1番・閼伽砂 美実(あかさ みみ)さん、あなたの不動産会社所有の島です」

「この体育館、見覚えあったんだー廃部したバレーボール部が合宿で使ってたんだもーん」

「この島は半分以上廃墟で今は無人島ざます、施設管理者や昼間だけ来る利用者も3日間は来ません」

 

僕たちで貸し切りってことか。

 

「ではスタートルールを発表するざます、まず午前11時にターゲットである勇人さんが出発します、

その後、私の正午の合図とともに女生徒の皆さんが出発、これが正式なスタート時間になるざます、

つまり丸3日後の正午まで逃げ切れば勇人さんの優勝ということになるざーます」

 

・・・いっそスタート地点でみんな撃ち合って、女の子全滅してくれないかな・・・

 

「ただし、スタートは正午ざますが武器の使用ならびに相手をイカせる行為はスタートから1時間は禁止ざます!

 これはスタート地点での打ち合いを避ける事と、この島はスタート地点のこの体育館から一番端まで2時間かかること、

 さらにスタートからの1時間で各自が打ち合わせや言葉の駆け引き、組む組まないの相談をできるようにの配慮ざます!

 それに隠れようとしている最中の勇人さんをたまたま見つけた女生徒が撃って終わりになっては運だけで決まるようなものざますから」

 

駄目だ、そこんとこはしっかり練られてる!

 

「最後に、勇人さんが射精した場合、膣内射精の場合は終了の放送を、

 そうでない射精の場合は勇人さんの射精した居場所を詳しく島内放送するざます!」

「ええーーー!?みんな僕んとこへ来ちゃうじゃん!!」

「それと島は16のエリアに区切っており、同じエリアに4時間以上いる場合、

 上空の衛星からピンポイントで超強力な性感催淫銃が頭めがけて撃たれます!

 これは壁や地面を突き抜けるタイプざますゆえ、女生徒はイコール失格と覚えておくざますよ?」

 

僕の場合は射精しちゃって居場所がばれる、ってことか。

 

「定時放送は朝6時、正午、夕方6時ざます、失格者の名前をその時に発表するざます、

 なおルールが覚えきれない生徒のためにリュックにルールブックを入れておきました、

 わからない事、忘れた事があればそれを読むと良いざます、では皆にリュックを渡すざます!」

 

・・・大変な事になっちゃったぞ、これは。

 

「出席番号0番、美麗 勇人さん!」

「は、はひ・・・ま、まだ腰が・・・」

 

兵隊さんが僕の所までリュックを・・・

 

ドサッ

 

「うがっ!重い・・・」

 

胸に落とさなくてもいいのに。

 

「出席番号1番、閼伽砂 美実さん」

「はーい!」

「出席番号2番・・・」

 

うーん、1人1人よく見て顔を覚えておかなくっちゃ。

セーラー服やジャージに名前書いてあるけど、私服だと誰が誰だかわからないからな・・・

そして僕の味方になってくれそうな人・・・僕との結婚よりお金を第一に考えそうな人を選ばなきゃ。

 

「出席番号9番、家狭霧 百合(けさぎり ゆり)さん」

「はい」

 

凛々しくも背の高いお姉さん・・・本当に同い歳か!?

そういえばいつも他のクラスの女の子が取り巻きでいるよな、

その、なんていうか、女性に人気のある女性というか、女子高チックな感じの・・・あ、目が合った!

 

「・・・・・」

 

ぺこり、と礼儀正しくおじぎをされちゃった、

あの子なら安全・・・かなぁ・・・さて、どうだろう・・・

 

「出席番号12番・不知火 樹里(しらぬい じゅり)さん」

「お呼びかしら?」

 

不知火・・・不知火っていったら、あの不知火グループだよな?

僕のひいじいちゃんが頂点に君臨する菱大路財閥のライバルである・・・

どういう経緯で婚約したか知らないけど、助けてくれるかなぁ・・・目が合った!

 

「・・・フン」

 

つーんとしちゃった・・・

この様子だと僕とどうこうする事すら嫌なんじゃ?

となると目的はお金?なら準優勝で満足してくれそうだけど・・・

 

「出席番号14番・瀬能 節華(せのう せつか)さん」

「ハイッ!!」

 

彼女は覚えてる、だって学級委員長だもん、

いかにも曲がったことは大嫌いって感じの真面目な子・・・

ちゃんとしっかりお願いすれば、僕を助けてくれるかも知れないぞ!?

 

「出席番号20番・殿池 星羅(とのいけ せいら)さん」

「ハーイ!」

 

金髪の美しい女性・・・

彼女も覚えてる、美人なのと母がロシア人でハーフだって言ってたから・・・

 

「出席番号27番・日比笠 智香(ひびかさ ともか)さん」

「あら、わたくしにこのようなセンスのカケラも無い物を持たせようと・・・」

 

チャッ、と長月先生が日々笠さんのこめかみに銃口をつける。

 

「た、たまにはこういうのも、よろしいわね、おほほほほほ・・・」

 

プライド高そうなお嬢様だ、

だからこそ「男の上にまたがるなんて」ってなってくれそう・・・

 

「出席番号28番・房後 晶(ふさご あきら)さん」

「オッシャー!!」

 

あ!!彼女は2020年東ティモールオリンピック、女子レスリング金メダリスト!!

・・・って最初の自己紹介のときにビックリしたんだよな、15歳の超新星美少女って当時騒がれたよなぁ、

もっとも騒がれた一番の原因は元プロレスラーのお父さんがキャラ濃すぎだった事だけど・・・」

 

「出席番号32番・薬袋 乎埜鼓(みない このこ)さん」

「はぁい」

 

ゾクゾクッ!!!???

・・・なんだろ今の?声を聞いただけで背骨を快感が走った・・

いや、きっとこれはまだ腰の力が入らないから、催淫銃の余韻が・・・

 

「出席番号33番・村御巳 在守(むらおみ ありす)さん」

「はいっ!!」

 

総理大臣と同じ苗字きたあああああああああああああああああ!!!

このクラスにいる以上、きっと村御巳総理の親戚かなんかなんだろうな・・・

でも政治家の血をひいているなら、お金とか関係無く僕を助けてくれるかも知れない・・・

 

「出席番号41番・禅華 小豆(ぜんか あずき)さん」

「はい・・・」

 

転校生・・・元優勝者・・・

あれ?優勝者ってことは、結婚したはずじゃあ・・・?

僕よりあきらかに年上な感じだし・・・まさか重婚する気じゃ!?

 

「出席番号42番・大塔 琴波(だいとう ことは)さん」

「オス!!」

 

う〜ん、熊みたいだ・・・

でかいしごついし胸でかいし・・・

でも、ブスではないよな、彼女も過去の優勝者・・・ひょっとして最初から準優勝狙い!?

 

「全員配り終えました、そろそろ午前11時ざます、美麗勇人さん、お立ちなさい」

「待って、まだ腰が・・・あれ?立つ?・・・・・立った」

「撃ってから丁度30分経ったざます、そろそろ準備するざますよ!?」

 

僕は走りやすいように靴ヒモを硬く結びなおす・・・

 

「・・・・・勇人くーん、勇人くーん」

「え?あ、閼伽砂(あかさ)さん?」

「・・・神社の裏で待ってるからー」

 

出席番号1番で僕の隣なのをいいことにささやいてくる・・・

後ろでは出席番号2番の猪頭さんが眼鏡の奥からじーっと見つめてる・・・

さらに後ろを見ると、すでにヒソヒソとクラスメート同士が話合ってる、

共同作戦なのか駆け引きなのか、いっそ11時にここを出ず他の子たちの探りを入れるべきか・・・

・・・・・一番後ろの2人は武器の手入れをしているみたいだ、こ・わ・ひ・・・やっぱ逃げよう。

 

「あと1分ざーます!!」

「はいはいっ!行きます行きます!!」

 

・・・場合によっちゃあ、このおばさん教師と結婚させられる可能性もあるんだよな、

おそろしい・・・それだけは避けないと・・・これは殺し合いなんかじゃないんだ、でも命と同じくらい大切な人生が・・・

 

「11時ざます!!」

「じゃあ、さよならーーー!!」

 

僕はダッシュで体育館を飛び出した!!

 

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