「食事中、誰かがテーブルの下から雫を撃った、これは間違いないわね?」

「そう言ってる村御巳さんの方向から光ったように見えたんだけどー?」

「暴発したとか、持っててつい力が入っちゃったとかだよね?」

「今はそれより、雫さんをどうにかしなきゃ、兵士に灯台の入口をこじ開けられちゃうよ」

「やああぁぁぁ・・・負けたくないぃ、うちの教団を・・・助けたいのぉ・・・」

 

教団って!怪しい宗教法人かなんかの娘だろうか?

それよりここにいたんだ村御巳総理大臣の孫娘っぽいの・・・灯台グループを仕切ってるっぽい。

 

「私はちゃんと両手をテーブルの上に置いて食事をしてたわ、鬼怒川泉さん、あなた料理後は外の見張りでしょ?光の場所なんて本当にわかったの?」

「ちゃんと見ながら食事してたわ、光った場所が大体どこからかは、なんとなくわかるから・・・でしょ?香澄ちゃん」

「わ、私は、こっち側の見張りを交代したばっかりで、集中してたから、音でびっくりして・・・じゅんちゃん、洵子ちゃんは?」

「わかんないけど、沼神さんはこのまま放置して治まりそう?無理そうに見えるけど、みんなで放り出さない?」

「見捨てないでええぇぇ・・・みんな・・・みんなで、やまわけなのにいいぃぃぃ・・・んふうっっ!!」

 

体が小刻みに震えて、いつビクビクッてイッちゃってもおかしくない感じだ、

セーラー服のスカートの中を自分でぐにゅぐにゅして・・・その手を引っ張る香澄ちゃん。

でも沼神さんこと雫ちゃんの指先はヌラヌラと愛液で濡れて・・・これはもちそうにないな。

 

「ちょっと失礼」

 

村御巳さんが沼神さんの食べてた焼そばに手を伸ばし、摘んで少し食べ・・・た?

 

「あぁっ・・・わかったわ・・全て、謎が解けたわ」

 

股間を少しもじもじさせながら銃を持ち構えた相手は・・・泉ちゃん!?

 

「な、なによ?どうして私なの!?」

「私が見ていた限り、雫が苦しみ出したのはテーブルが光る直前だったわ」

 

いかにも説明といった感じで身振り手振りする、しっかり銃口は泉ちゃんに向けながら。

 

「まず最初の証拠は消去法よ、園妙寺洵子さんは見張り用のライフル銃を夕前香澄さんに渡したばかり、

 小型の銃は配布されたものはすでに玉切れで持っていない、だから撃ち様がないわ、

 夕前香澄さんも上の美麗勇人さんの様子を見に行く時、出し抜かないように綿密に、念入りに身体検査したわ、

 下着の中まで・・・勇人さんの銃も取り上げてあるから渡してもらう事は不可能、そして交代でずっと外へライフルを構えていた。

 私は食事中ずっと手をテーブルの上にしていましたから撃つのは不可能、よって可能性があるのは鬼怒川泉さん、あなたよ!」

 

首を左右に振る泉ちゃん。

 

「だから、外へ銃を向けてたし、さらに食事もしてたから・・・」

 

だが、さらに言葉を叩きつける村御巳さん。

 

「あなたの持っている銃は小型ですからテーブル方向に向けても気付きません、

 食事の仕草をしながらなら、なおさらカモフラージュもできるでしょう」

 

盾になるかのように、間に割って入る園妙寺洵子ちゃん。

 

「それは無理があるわね、見張りしながらだと銃を向けても角度的に沼神さんには当たらないわ」

 

不適な笑みでスカートの中から銃を出す村御巳さん、そして・・・

 

バシューッ!!

 

テーブルが光った!?

 

「つまりこういうことよ、銃で撃つのが目的じゃなく、テーブルの下へ撃って光らせるのが目的なの」

 

わけわからない、という感じの表情で焦る泉ちゃん。

 

「じゃ、じゃあ、どうやって撃ったっていうの!?」

「それは、撃ったんじゃなくって、その料理よ」

 

さっき一口食べた焼そばを指さした。

 

「ほら若蔦宝子さんを泉さんが倒した時、リュックを奪ったでしょ?」

「う、うん、銃と、食料のポップコーン貰ったけど・・・」

「宝子さんへの配布特殊アイテムって、私見たけど、瓶に入った白い粉だったのよね」

 

視線を横にすると、その先にはリュックがまとめて置いてある。

 

「夕前香澄さん、鬼怒川泉さんのリュックを確認してもらえる?」

「え?ま、まさか・・・?」

「料理の後、何かを入れてたのよねー」

 

うそ?という表情の泉ちゃん、

何か核心めいた表情の村御巳さん、

まさか、といった感じでリュックをあさる香澄ちゃん、そして・・・

 

「・・・・・あったわ、これ・・・?」

「嘘!嘘よ!誰かが入れたの!私、知らないもの!!」

 

取り乱しながら銃を取り出した泉ちゃん!

間に入っていたはずの洵子ちゃんは今度は村御巳さんの後ろへ隠れた!

銃を向け合っているのに余裕の表情の村御巳さんがニヤリとしながら口を開いた。

 

「あなたの銃、残り一発だったはずよね?」

「そ、そうよ、だから、最悪でも相打ちに・・・」

「撃ってごらんなさい、ほら、ほら」

 

両手を挙げて少しずつ近づく!

それに思わずトリガーを・・・引いた!!

 

カチッ!

 

「・・あれ?あ、あれ!?」

「やっぱり!テーブルの下を撃ったのは鬼怒川泉さんあなたです!

 料理に催淫薬の粉を仕込んで沼神雫さんに食べさせ、効いてきた頃合にテーブルの下を撃ち、

 見張り中の自分ではなく、席についている誰かが撃ったように見せかけたトリックです!!」

 

やけに説得力がある!

これは国会議員、総理大臣の血筋だからだろうか!?

 

「と、いう事で、おしまい」

「やーーーー!!」

 

慌てて転がる泉ちゃん!

 

ズキューン!!

 

「ふぁああああああ!!」

 

当たったのは、思わず盾にした、苦しんでいる途中だった雫ちゃん!

酷い!息も絶え絶え・・・死ぬわけじゃないか、イクのも絶え絶えな子を盾に使うなんて!

ビクンビクンとあきらかに絶頂に・・・そのスカートのポケットから銃を抜いて撃つ!!

 

バシューーン!!

 

「え、ええーーーー!?」

 

素早く避けた村御巳さんの後ろに隠れていた、洵子ちゃんのお腹に命中した!!

 

「う、うそ・・・うそーーーーー・・・ぁぁーーーーー!!」

 

腰から砕け落ち、お漏らししながらへたりこんで白目をむいた・・・内臓からイッちゃった感じだ。

 

「私じゃない!私、知らない!ねえ、ねー、香澄ちゃんたすけ・・・」

 

バシューーーーーッッ!!!

 

すがって来た泉ちゃんの頭を、香澄ちゃんがライフルで撃ち抜いた!!

 

「そん・・・な・・・しん・・じ・・・てぇ・・・・・」

 

意識がとんだのち、遅れて体がビクンビクンと・・・

脳から先にイッちゃったんだろう・・・部屋が一気に生臭くなる。

 

「夕前香澄さん、ご苦労様」

 

体をパンパンと払いながら近づこうとする村御巳さんにまで、

ライフルを向けた香澄ちゃん、少し泣き顔になっている。

 

「何をするの?計画通りじゃない、引き分けのための策略よ」

「ねえ、本当に泉ちゃんが裏切ろうとしてたの?本当に??」

「もちろんよ、だから夕前香澄さんにも薬の瓶を鬼怒川泉さんのリュックから出した事に・・・」

「ええ、あなたに渡された・・・でも泉ちゃんが潔白なら?さらに雫ちゃんもあなたが出し抜こうとしてるって言ってたのも嘘なら?」

「躊躇無くその泉ちゃんを撃った方が今更何を?引き分け狙い同士、これからも組んで行きましょう」

 

うわぁ・・・なんだかドロドロしてる。

つまり村御巳さんと香澄ちゃんが雫ちゃんと泉ちゃんをハメたって事か、

ひょっとしたら洵子ちゃんも、村御巳さんがわざと当たるようによけたのかも!?

 

「本当に・・・信じても・・・いいの?」

「ええ・・・ほら外を見て、特殊部隊の兵隊さんたちが・・・」

 

ズキューーーーーン!!

 

「ひゃあああああああああ!?」

 

う、撃たれた!?

香澄ちゃんは撃ってないよな?

あ、倒れこんだ村御巳さんを蹴どかして、

窓から外を撃つ香澄ちゃん!そうか、きっと油断して窓際に出たから、

兵隊の動きを見た誰かが灯台の下まで来て撃ったんだろう・・・最後まで気を抜いちゃいけない。

 

ザッザッザッザッ・・・

 

わ、兵隊さんたちが螺旋階段を上がってきた!

しかも数が多い!思わず一緒に部屋の中へ入ってしまった。

 

「勇人くん!!」

「そ、その・・・」

「わ、私、知らないから!私じゃないから!!」

 

ライフルを置く香澄ちゃん。

 

「あと、こ、これも!」

 

背中の腰に隠してた小型の銃もテーブルに置いた!

 

「・・・あ、残量1って、じゃあ、香澄ちゃんが、泉ちゃんの銃と、すりかえた・・・!?」

「こ、これは、だ、だって、みんな引き分け狙いでないといけないのに、裏切る人がいるって・・・」

「村御巳さんって弁が立つから・・・あ、運ばれて行っちゃった」

 

他の3人も・・・そして残された僕と香澄ちゃん。

 

「勇人くん信じて!私、本当に引き分け、準優勝でいいと思って・・・」

「隠れて見てたけど、村御巳さんに騙されてるって可能性は考えなかったの?」

「だって、だって、だってぇ・・・勇人くんを守るためにぃ・・・」

「でも騙して他の子も撃っちゃったら、結局はみんなと一緒で、ひょっとしたらみんな出し抜くつもりで・・・」

「私は違う!絶対違うから!信じて!だってほら、ね?見て、見て見て!!」

 

1発だけ残った銃を両手で持って、

自分に向けて銃口を咥えた!ま、まさか!!

 

ズキュン!!!

 

「〜〜〜〜〜!!」

 

一発で目がぶっとんで倒れた・・・

じ、自分で、潔白を証明するために、自爆した・・・

これって僕が追い詰めた事になるのか!?イキまくって全身痺れてる香澄ちゃん・・・

 

ザッザッザッ・・・

 

「兵隊が戻ってきた!」

 

みんなのリュックから適当なものを見繕って、

もうここは離れた方がいいな・・・香澄ちゃんには悪いことしちゃった。

 

「感情的になった女の子って、怖いなぁ・・・」

 

さあ急ごう、

仲間がいない今、下から来られたら逃げ場はない。

ライフルは邪魔になりそうだから置いておこう、銃を集めて・・・

 

「女の子の着替えは捨てて行こう・・・この粉薬の瓶は・・・貰っておくかな」

 

外もかなり暗くなっている、

仮眠できそうな所までとにかく走ろう。

 

「・・・・・あ!ゆでたまごみっけ」

 

走ってる途中で割れそうだけどリュックに詰めて・・・

あ、僕のリュックは上だ、急いで回収して1つにまとめなきゃ!

電子手帳が無いと不便すぎる、さっきの5人も×つけないと・・・。

 

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