
ひらけた場所に出てきた、
お昼ご飯が食べられる場所は・・・
うへえ、あんなに遠くか、でもこういう、
だだっぴろーい芝生を歩くのは嫌いじゃない。
むしろ、寝そべったりシートをひいてお弁当を食べたいくらいだ。
雪巳「ひつじだよー」
僕「お、ほんとだ、向こうはヤギもいるね」
雪巳「その向こうは馬だよー」
柵で囲われてるけど、
みんな遠慮なくさわっている。
僕らも羊に近づいてみよう・・・

僕「お、来た来た」
雪巳「毛がいっぱーい」
僕「さわってみようか」
雪巳「・・・なんかきたなーい」
僕「え?・・ほんとだ、土埃が毛にビッシリ」
遠くから見ると綺麗なんだけどなあ、
毛のグレーって土埃の色だったのか、
触ってみて初めて気付いた・・そりゃそうだよな、寝転ぶはずだし。
雪巳「あっちで餌あげてるー」
僕「ほんとだ、わざわざ持ってきたのかな?」
雪巳「ここにあるよー?」
お、餌箱がちゃんとあるぞ。

僕「って、有料かっ!」
雪巳「100円だってー」
僕「・・・買う?」
雪巳「もったいなーい」
僕「そうだね、僕たち人間の昼食がまだなのに」
餌が貰えない雰囲気とわかると、
ぷいっ、と他所へ行く羊たち・・・
現金なもんだ、そして買った餌を持ってる子供におねだり・・・
雪巳「羊の餌が100円って、ぜいたくー」
僕「そうだね、普通の餌も牧場から貰ってるだろうし」
雪巳「私なんか1日で60円のパン1個だった時もあるんだよー」
かわいそうに・・・
雪巳「いこっ」
進むと今度は馬だ、
放牧してあるだけじゃなく、
その先の小屋が賑わってる、そこには・・・

僕「乗馬かぁ」
雪巳「たのしそー」
僕「行っておいで、はい、お金」
雪巳「うんー♪おにーちゃんはー?」
僕「僕は見てるよ」
乗馬ねえ・・・
上品なお嬢様のたしなみ、だよなあ、
雪巳ちゃんだって磨けば光る子だ、
お金持ちの名家に嫁げば上品な乗馬も出来るだろう、
雪菜ちゃんは馬に乗った高さでもう駄目そうだよな、
雪沙ちゃんだと、はしゃいで暴れて馬が嫌がりそう・・・
なんてぼーっと考え込んでるうちに雪巳ちゃんが乗る番みたいだ。
かっぽかっぽかっぽ・・・
お、うまく乗っている、
自転車の立ちこぎみたいな感じだ、
こっちに近づいてきた、笑顔がまぶしい。
雪巳「お兄ちゃーーん!」
手を振ってくれている、
結構揺れるもんだなあ、
上下に・・スカートがひらひら、中が見えてる・・・
いや、それよりも、あの上下運動を見ていると、
酔った寝込みを襲われた時の雪巳ちゃんの騎乗位を、思い出しちゃう・・・
僕「はは、ははは・・・」
手を振って応えてあげる、
でも僕の表情、ひきつってるんだろうなー・・・
やっと売店までやってきた、
でもレストランは遊園地エリアの方みたいだ。
いい匂い・・これは・・・あれだ!!

雪巳「ソーセージおいしそー」
僕「じゅうじゅういってるね」
雪巳「ならぼーよー」
僕「いいよ、お、骨付きソーセージだ」
雪巳「ジュースは何にするー?」
皮がパチパチ焼けて脂の匂いがする、
うう、いちごあれだけ食べたのにお腹が鳴りそうだ、
でもこれ昼食にはならない感じだから、1本でいいかな。
雪巳「あー、あそこに雪菜がいるよー」
僕「え?ほんとだ、ベンチでお友達とお弁当食べてる」
雪巳「雪菜にも持っていくー?」
僕「いや、いいよ、邪魔しないようにしよう」
雪巳「わかったー」
・・・・・気付かれたら、やばい、よな・・
いや、隠す必要なんて無いはず・・でも教える必要も・・ない、か?

雪巳「順番きたよー」
僕「骨付きリブソーセージ2本にオレンジジュース2本」
雪巳「お兄ちゃーん、ケチャップとマスタードどーしよー」
僕「僕はいいや、そのままでも美味しそうだし」
雪巳「私はケチャップつけるねー」
会計を終わらせソーセージを受け取る、
おいしそうだ・・・今すぐかぶりつきたい、
でも雪巳ちゃんがケチャップつけてるから、まだ我慢・・・
雪巳「あーーー!」
僕「ん?どうしたの?」
雪巳「ねーねーねー」
僕「どうした?どうした?」
雪巳「あれも食べるーー」
視線の先にあったのは・・・

僕「ソフトクリーム・・これは買わないと」
雪巳「でしょー」
僕「最高の組み合わせだな」
雪巳「買ってくるー」
僕「はい、お金。僕はバニラで」
受け取る雪巳ちゃん・・ソーセージを持ってあげる、
ソフトクリームはそれほど混んでないからすぐ戻ってくるだろう。
良い天気だ・・汗が出てきちゃったけど、健康的で凄く心地よい汗だ。
雪巳「はーーい」
僕「ありがと、雪巳ちゃんもバニラにしたんだ」
雪巳「いただきまーす」
僕「いただきます・・」
雪巳「・・・・・おひひいー!」
パリパリッ、とウインナーを食べる!
汁が口の中にじわーっと染み出て、うますぎる!
本当に本格的なソーセージ・・ここまで美味しいのって、
ファンランドで食べた焚き火で焼く特大ソーセージ以来だ、
しかもあれは大味だったけど、こっちは濃厚・・あつ、あつあつあつ・・・
僕「アイスも食べよう・・・」

何だか普通のソフトクリームより良い白さに見える。
はむ・・・つめたくて、おいち〜〜〜〜!一気に頬が冷まされる・・・
さっきのジューシーなソーセージの直後だけあって、冷たい美味しさが際立ってる。
雪巳「あまーーーい」
僕「うん、普通のより、おいしいね」
・・・ソーセージとソフトクリーム、
交互に食べてるうちに、あっという間にたいらげちゃった。
満足満足・・・仕上げにジュースを飲んでご機嫌な雪巳ちゃんと僕だ。
雪巳「ごちそうさまー」
僕「ごちそうさま。って昼食まだなんだよな」
雪巳「もうちょっと後でいいよー」
さてさて、次はどこへ行こうか・・・
あのやたら大きいドームは何なんだろうか?
人がいっぱいいるみたいだけど・・・とりあえず行ってみよう。
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