☆いりぐち☆

 

なんだ、ちゃんとした入り口だ、

牧場っていうからもっと殺風景かと思ったら・・・

中は賑わってる、例えて言うなら「始まったばかりの運動会」かな?

 

僕「入場券を買おう」

雪巳「横だよー」

僕「値段は・・・思ったより安いな」

 

☆入場券売り場☆

並ぶと僕の前にいるのはさっきバスが一緒だった、1人旅の女性!

 

女性「1枚」

 

やっぱりお客さんだったんだ、

ネズミーランドでも思ったけど1人客って、

目的は何かの買い物かも知れない、ここでしか売ってない・・・

 

僕「大人1枚、中学生1枚」

 

牧場、今日は午後5時までって書いてある、

結構時間があるな、それだけみっちり遊べればいいんだけど・・・

入り口をくぐると普通に遊園地っぽい雰囲気だ、場内案内の紙を貰って、と・・・

 

雪巳「あー、いちご狩りだってー」

僕「どれどれ、いちごが無くなり次第終了、か」

雪巳「はやく行こうよー」

僕「そうだね、団体客がいるとなると午前中で無くなるかも」

雪巳「乗り場はあっちだってー」

 

ん?いちご狩り行き乗り場への案内標識がある、

急ごう・・それにしても家族連ればっかりだな、

あとはお年寄りの団体客か・・・雪菜ちゃんたちはどこだろう?

 

☆羊がいっぱいほいさっさー☆

雪巳「あっち見てー」

僕「わ、羊がいっぱい・・・」

雪巳「羊の大行進ショーだってー」

僕「行進するだけでショーになるのか・・・見ていく?」

雪巳「いちご食べようよー」

 

そうだな、早くしないと全部食べられちゃう。

道を急いで、と・・・色んな動物が展示されてるんだなあ、

遊園地というより動物園に近いのかな?

でもマップを見ると遊園地エリアもあるから・・・

動物園と植物園と遊園地が1度に楽しめる牧場、ってとこだな。

 

僕「乗り場はここかな?」

雪巳「ならんでるー」

僕「でも4人くらいだよ」

 

2人でバスを待つ・・・

いや、来るのはバスなのか?

馬車だったりして、もしくは牛車や羊・・・

人力車だったりするかも、後は犬ぞり、って雪は無いしな。

と思っていると、来たのはなんと・・・!!

 

☆ヤンマー?☆

 

僕「うわ!トラクター!」

雪巳「いっぱい乗れるよー」

僕「20人乗りくらいかな、さあ乗ろう」

 

そうきたか・・・さすがは牧場だ。

乗り込んで進みはじめる・・・うーん、遅い・・・

歩くのとそんなに変わらないかも・・・でも楽は楽だよな。

 

雪巳「ねー、あそこお花がいっぱーい」

僕「あっちはハイキングコースだね、子供の団体が見える」

雪巳「雪沙たちの学校じゃなーい?」

僕「そう?よーく見るとそれくらいの年齢の子っぽいね」

雪巳「きっとそーだよー」

 

道は坂を登りはじめた、

脇に木で出来た案内標識がある。

 

☆標識〜☆

僕「もうすぐみたいだね」

雪巳「いちごだけじゃないみたーい」

僕「ん?マップを見ると・・・本当だ」

 

いちご狩りだけじゃない、

トマト狩り、ブルーベリー狩り、

ジャム作り工房、さらにはイモ掘りまである。

 

僕「トマトも、もぐ?」

雪巳「持って帰るのめんどー」

僕「そうだね、沢山あっても困りそうだし」

 

それにしても空気がおいしい・・・

あきらかに都会と違う、静かで心地よい景色だ。

家族で東京から来たくなる気持ちもわかるよ、これは。

 

雪巳「あそこで止まるみたーい」

僕「到着か、よし、美味しいいちごをいっぱい食べるぞ!」

雪巳「私もー」

 

トラクターを降りてすぐ先に農園の入り口看板が見えた。

 

☆フルーツ農園☆

 

僕「いちご狩りは一番奥みたいだね」

雪巳「みんな向かってるよー?」

僕「遅れて目の前で締め切られたら嫌だな、急ごう」

雪巳「走るー?」

僕「・・・いや、だってほら・・・」

 

急な坂が・・・

トラクターでは行けないはずだ。

でも小さい子供は元気に駆け上がってる、

いいなあ体が軽くて・・・雪巳ちゃんは・・・

歩くたびに胸がぼよんぼよん・・う・・スポーツブラが透けて見えてる・・・

 

僕「早足で行こう」

雪巳「そーだねー」

僕「甘くて、まあるくて、おっきくて、うまい苺は残ってるかな」

雪巳「あまくてー、まあるくてー、おっきくてー、おいしいのー?」

僕「そう、食べたいなあ・・・」

 

ジャム工房を通り過ぎ、

トマト狩りハウス、ラベンダーハウス、

ブルーベリーハウスを抜け、いも掘り畑が見えてきた、そして・・・

 

☆ついた〜〜☆

僕「やっとついた・・・あそこだ」

雪巳「まだやってるー?」

僕「どうだろう」

 

いちご狩りの旗がたなびいている、

ビニールハウスの数がすごいな、10以上ある、

おまけにその奥にも・・・20ハウス以上、これなら食べられそうかな?

 

僕「受付はここか、1人1000円だって」

雪巳「千円分食べるねー」

僕「そうなると1人20個くらい、かな?」

 

☆受付☆

あれ?人がいない・・・

ビニールハウスの中は賑やかなのに。

まさか、団体客だけで貸切なのか?

せっかくここまで来たのにそれはないよ・・・

でも、それだったら受付は閉めておくはず・・・

 

僕「すみませーん」

雪巳「こないねー」

僕「うん・・・あ、きたきた」

 

農園作業着姿のおじさんがハウスからやってきた。

 

おじさん「お待たせしました、何名ですか?」

僕「2人です」

おじさん「2000円になります」

 

なんだ、忙しかっただけか、

よかった・・・ほっとした。お金を渡す・・・

 

☆注意事項☆

おじさん「それではこちらの注意事項にしたがって、30分たったら必ず出てください」

僕「はい、わかりました」

雪巳「はーーーい」

 

いちご入れのパックを渡してもらい、

そこへ練乳を入れてもらう・・ちょっと少ない?

いや、30分ならこんなものかもな、よし、食べるぞー!

 

おじさん「入ってからカウントとなりますが中にトイレはありませんので・・」

僕「先に行っておかなくて大丈夫?」

雪巳「だいじょうぶー」

 

携帯の時計を見て、と・・・

11時21分までだな、よし!

 

僕「突入ー!」

雪巳「いただきまーす!」

 

中は・・・暑い!!

 

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