
なんだ、ちゃんとした入り口だ、
牧場っていうからもっと殺風景かと思ったら・・・
中は賑わってる、例えて言うなら「始まったばかりの運動会」かな?
僕「入場券を買おう」
雪巳「横だよー」
僕「値段は・・・思ったより安いな」

並ぶと僕の前にいるのはさっきバスが一緒だった、1人旅の女性!
女性「1枚」
やっぱりお客さんだったんだ、
ネズミーランドでも思ったけど1人客って、
目的は何かの買い物かも知れない、ここでしか売ってない・・・
僕「大人1枚、中学生1枚」
牧場、今日は午後5時までって書いてある、
結構時間があるな、それだけみっちり遊べればいいんだけど・・・
入り口をくぐると普通に遊園地っぽい雰囲気だ、場内案内の紙を貰って、と・・・
雪巳「あー、いちご狩りだってー」
僕「どれどれ、いちごが無くなり次第終了、か」
雪巳「はやく行こうよー」
僕「そうだね、団体客がいるとなると午前中で無くなるかも」
雪巳「乗り場はあっちだってー」
ん?いちご狩り行き乗り場への案内標識がある、
急ごう・・それにしても家族連ればっかりだな、
あとはお年寄りの団体客か・・・雪菜ちゃんたちはどこだろう?

雪巳「あっち見てー」
僕「わ、羊がいっぱい・・・」
雪巳「羊の大行進ショーだってー」
僕「行進するだけでショーになるのか・・・見ていく?」
雪巳「いちご食べようよー」
そうだな、早くしないと全部食べられちゃう。
道を急いで、と・・・色んな動物が展示されてるんだなあ、
遊園地というより動物園に近いのかな?
でもマップを見ると遊園地エリアもあるから・・・
動物園と植物園と遊園地が1度に楽しめる牧場、ってとこだな。
僕「乗り場はここかな?」
雪巳「ならんでるー」
僕「でも4人くらいだよ」
2人でバスを待つ・・・
いや、来るのはバスなのか?
馬車だったりして、もしくは牛車や羊・・・
人力車だったりするかも、後は犬ぞり、って雪は無いしな。
と思っていると、来たのはなんと・・・!!

僕「うわ!トラクター!」
雪巳「いっぱい乗れるよー」
僕「20人乗りくらいかな、さあ乗ろう」
そうきたか・・・さすがは牧場だ。
乗り込んで進みはじめる・・・うーん、遅い・・・
歩くのとそんなに変わらないかも・・・でも楽は楽だよな。
雪巳「ねー、あそこお花がいっぱーい」
僕「あっちはハイキングコースだね、子供の団体が見える」
雪巳「雪沙たちの学校じゃなーい?」
僕「そう?よーく見るとそれくらいの年齢の子っぽいね」
雪巳「きっとそーだよー」
道は坂を登りはじめた、
脇に木で出来た案内標識がある。

僕「もうすぐみたいだね」
雪巳「いちごだけじゃないみたーい」
僕「ん?マップを見ると・・・本当だ」
いちご狩りだけじゃない、
トマト狩り、ブルーベリー狩り、
ジャム作り工房、さらにはイモ掘りまである。
僕「トマトも、もぐ?」
雪巳「持って帰るのめんどー」
僕「そうだね、沢山あっても困りそうだし」
それにしても空気がおいしい・・・
あきらかに都会と違う、静かで心地よい景色だ。
家族で東京から来たくなる気持ちもわかるよ、これは。
雪巳「あそこで止まるみたーい」
僕「到着か、よし、美味しいいちごをいっぱい食べるぞ!」
雪巳「私もー」
トラクターを降りてすぐ先に農園の入り口看板が見えた。

僕「いちご狩りは一番奥みたいだね」
雪巳「みんな向かってるよー?」
僕「遅れて目の前で締め切られたら嫌だな、急ごう」
雪巳「走るー?」
僕「・・・いや、だってほら・・・」
急な坂が・・・
トラクターでは行けないはずだ。
でも小さい子供は元気に駆け上がってる、
いいなあ体が軽くて・・・雪巳ちゃんは・・・
歩くたびに胸がぼよんぼよん・・う・・スポーツブラが透けて見えてる・・・
僕「早足で行こう」
雪巳「そーだねー」
僕「甘くて、まあるくて、おっきくて、うまい苺は残ってるかな」
雪巳「あまくてー、まあるくてー、おっきくてー、おいしいのー?」
僕「そう、食べたいなあ・・・」
ジャム工房を通り過ぎ、
トマト狩りハウス、ラベンダーハウス、
ブルーベリーハウスを抜け、いも掘り畑が見えてきた、そして・・・

僕「やっとついた・・・あそこだ」
雪巳「まだやってるー?」
僕「どうだろう」
いちご狩りの旗がたなびいている、
ビニールハウスの数がすごいな、10以上ある、
おまけにその奥にも・・・20ハウス以上、これなら食べられそうかな?
僕「受付はここか、1人1000円だって」
雪巳「千円分食べるねー」
僕「そうなると1人20個くらい、かな?」

あれ?人がいない・・・
ビニールハウスの中は賑やかなのに。
まさか、団体客だけで貸切なのか?
せっかくここまで来たのにそれはないよ・・・
でも、それだったら受付は閉めておくはず・・・
僕「すみませーん」
雪巳「こないねー」
僕「うん・・・あ、きたきた」
農園作業着姿のおじさんがハウスからやってきた。
おじさん「お待たせしました、何名ですか?」
僕「2人です」
おじさん「2000円になります」
なんだ、忙しかっただけか、
よかった・・・ほっとした。お金を渡す・・・

おじさん「それではこちらの注意事項にしたがって、30分たったら必ず出てください」
僕「はい、わかりました」
雪巳「はーーーい」
いちご入れのパックを渡してもらい、
そこへ練乳を入れてもらう・・ちょっと少ない?
いや、30分ならこんなものかもな、よし、食べるぞー!
おじさん「入ってからカウントとなりますが中にトイレはありませんので・・」
僕「先に行っておかなくて大丈夫?」
雪巳「だいじょうぶー」
携帯の時計を見て、と・・・
11時21分までだな、よし!
僕「突入ー!」
雪巳「いただきまーす!」
中は・・・暑い!!
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