雪沙「いってくるね〜〜〜」

雪菜「いって・・・きま・・す」

僕「いってらっしゃい」

 

リュックを揺らしながら元気良く出て行く2人、

外は朝から快晴、まさに遠足・林間学校びよりだ、

良い思い出になってくれるといいな、さて、僕はどうしようか・・・

 

台所では雪巳ちゃんがカチャカチャと洗い物をしてくれている、

僕はやっぱり2度寝しようかな、朝食でお腹もふくれたことだし・・・

今から寝ようと思えば寝られるし起きようと思えば起きられる、微妙な感覚だ。

 

僕「やっぱりのびのび寝たいよ・・・」

 

ゆうべは窮屈だったからな、

でも起きたらなぜか僕の体に2人がしがみついてた・・・

最初から「あの子たちを抱いて寝る」って覚悟を決めたら楽なのかな?

でも、それが出来たら苦労はしない・・まあ、さっさと寝直そう。

ベットに入って・・目覚ましは・・必要ないな、お昼ごはんの時間になったら雪巳ちゃんがきっと・・・

 

ガチャ

 

雪巳「おにーちゃーん」

僕「ん?どうしたの?」

雪巳「あー、もう待ってくれてるのー?じゃーお風呂入ってくるねー」

僕「え?え?ど、どういうこと?ちょちょ、ちょっと待った!」

雪巳「えー?もう洗い物終わったよー?」

 

そういう事じゃなくて!

 

僕「朝風呂は別にいいんだけど、僕が待ってる、とか、じゃー、って、どういうこと」

雪巳「んー・・もう痛くなくなったから、できるよー」

僕「できるって、なな、なにを!!」

 

まさか!!

 

僕「だだ、駄目だよ!」

雪巳「えー、だって、せっかくふたりっきりなのにー」

僕「駄目なものは、駄目!」

雪巳「どうしてー?」

僕「どうしても!!」

 

胸の鼓動が早くなってきた、

雪巳ちゃん、今日、こんな朝から、

・・・・・やるつもりだったのか?しかも朝食後に!!

 

僕「あ、わかった!テレビゲーム?指が痛くてできなかったとか」

雪巳「・・・・・ネズミーシーのホテルで夜にやったことだよー」

僕「えっと・・・ワインテイスティング?」

雪巳「・・・・・お風呂入ってくるー」

僕「だ、駄目!わかった、何かわかったから!だから、それは、駄目だから!」

 

雪巳ちゃん、ちょっとむくれはじめた・・・

どうしよう、このままじゃ危険だ、間違いなく、押し切られる!

雪菜ちゃん雪沙ちゃんといった逃げ場?も無いし、何か良い案は・・うーん・・

 

僕「そうだ!!」

雪巳「どーしたのー?飛び起きてー」

僕「雪巳ちゃん、一緒に、行こう!」

雪巳「お風呂ー?」

僕「ううん・・雪巳ちゃん、修学旅行も遠足も林間学校も行けなかったんでしょ?」

雪巳「そうだけどー・・・」

僕「だから、今日これから、雪菜ちゃん雪沙ちゃんが行ってる、マザー牧場へ遊びに行こう!!」

 

考え込む雪巳ちゃん、そして・・・

 

雪巳「んー・・・・いいよー」

僕「よし、じゃあ準備して!」

雪巳「お弁当つくるー?」

僕「いや、お弁当はいいよ、確かジンギスカンが美味しいはずだから」

雪巳「わかったー」

 

廊下に出て行った、ほっ、ひとあんしん・・・

あのまま寝てたら僕、間違いなく犯されてたよな、

あぶないあぶない・・・さて、僕も着替えなきゃ、マザー牧場は初めて行くな。

 

 

 

☆行きの電車☆

ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・・

 

東京駅を過ぎ、千葉県に入った。

雪巳ちゃんはご機嫌でポッキーを食べている、

僕も軽くお茶を飲む・・・時間はもう10時だ。

 

雪巳「空いてるねー」

僕「夏休みの朝なのにね」

雪巳「雪菜たち、もうついてるかなー」

僕「バスだから、ついててもおかしくないね」

雪巳「マザー牧場、楽しみー!小学校の時行けなかったから、ほんとに楽しみー」

 

良かった、ちゃんとした中1の笑顔だ、

やっぱりそうだよな、こんな子にベットで僕を襲わせる訳にはいかない、

せっかくの快晴なんだし、健康的に外へ・・雪巳ちゃんの肌、太ももや胸も健康的だよなあ。

 

雪巳「これなら小学校のとき行けなくてもよかったー」

僕「なんで?」

雪巳「お兄ちゃんと2人きりで行けるからー」

僕「はは、光栄だな」

雪巳「クラス行動よりお兄ちゃんとのデートの方がいいもーん」

 

デートか、そうだよな・・・

ということは、向こうで雪沙ちゃん雪菜ちゃんとはち合わせしたら、

なんて言おう・・嫉妬、されちゃうのかな・・うーん、やましくないから、いい、はず・・・

 

雪巳「もうすぐつくよー」

 

 

☆ホーム案内板☆

 

駅に着いた、

ホームを降りて・・・

ほんっとに良い天気だなあ、

もうタオル出しておこう・・・

僕らと同じように降りたのは、やっぱりカップルばかりだ。

 

雪巳「あー、マザー牧場行きバスだってー」

僕「直通バスか、行こう」

雪巳「出ちゃったらどーしよー」

僕「運転手さんがまだ乗ってないみたいだから大丈夫だよ」

雪巳「そっかーー」

 

切符を渡して駅を出る、

って自動改札じゃないのか、

SUICAとかで来たら大変な目にあう所だったな。

 

☆駅前☆

雪巳「はやくはやくー」

僕「待って!・・・お金もうちょっと下ろすから」

 

駅前も、ほんとにさびれてるなあ、

銀行なんて無くて小さなATMが1つあるだけ、

すぐそこのパチンコ屋なんて潰れちゃってるよ。

 

僕「・・・これだけ下ろせばいいか」

 

バスに乗り込む、

乗客は僕らを入れて7人・・・

カップル3組に30前くらいの女性が1人だ。

女性1人でマザー牧場か、従業員の人か何かかな?

いや、普通のお客さん・・だったら、1人でも楽しめる所なんだろうな。

 

雪巳「運転手さんきたよー」

僕「出るみたいだね」

 

バスが発車され、マザー牧場へと進み出した。

直通って、どのくらいかかるんだろう?確か案内板では10キロって・・・

じゃあ、20分くらいかな?どんどんどんどん家がなくなっていく・・森に入っていくみたいだ。

 

雪巳「すごい坂〜」

僕「山登り状態だね」

雪巳「あんなのあるよー」

 

☆あんなの☆

ん?なんかすごいところに入ってきたなあ、

本当にこの奥にアミューズメント牧場なんてあるんだろうか?

と思ったら今度は崖が見える、道も細く曲がりくねって・・・恐いなあ。

 

僕「これなら片道30分コースだな」

雪巳「落ちたら死んじゃうねー」

僕「落ちないよ・・・多分。でも落ちたら・・・そうだね」

 

やだなあ・・・

でも途中でポツン、ポツンと看板がある、

この先マザー牧場・・あと、なぜかラブホテルも3件ほど・・・

 

雪巳「空いてるかなー」

僕「うーん、ここまでは空いてるよね」

雪巳「でも団体さんは来てるよー」

僕「え、なんで知って・・あ、そうか」

雪巳「雪菜と雪沙たちー」

 

と話しているうちに森がひらけて・・・

 

☆牧場☆

 

雪巳「みえてきたよー」

僕「本当だ、ここかな?」

雪巳「ここみたいー」

 

バスが停留場の止まる、

駐車場は車だらけで満杯だ、

そうか、車で来るお客さんが中心なんだな、

電車組は少数派・・・今も車がどんどん来てる、

東京方面からの道だ、駅側からは全然なかったのに。

 

僕「家族連れがいっぱいだね」

雪巳「犬連れてる人もいるよー」

僕「そうだね、しかも結構多いな」

雪巳「入り口はあっちだよー」

僕「どこどこ?あ、あそこか」

 

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