お城に続き船も遊び終え、それでもまだ午前11時だ。
次は・・・おや?最初の方に乗った、くるりんウォーダービーグルに戻ってきた。
雪菜「今なら、あれ、乗れる、です・・・」
僕「そうか、後回しになってたよね確か、雪菜ちゃんと乗るって」
雪沙「ね〜、ゆきさがおにぃちゃんと乗る番まだ〜?」
僕「あわてないの!雪菜ちゃんはまだこれ一緒に乗っても、さらにもう1つ一緒に乗るから」
雪巳「ちゃんと順番なんだからわがまま言わないのー」
あーあ、雪沙ちゃん、ちょっとしょげちゃった。
僕「じゃあ、行こう」
雪菜「・・・・・です」
雪沙「ゆきさものる〜〜」
雪巳「邪魔しないのー!」
僕「雪巳ちゃんたちも2回目乗るんだね」
池の上でビーグルに乗り込む、
動きが小刻みだから前のバーをしっかり持ってないと危ない、
でも雪菜ちゃんは僕の体に抱きついて・・密着するたびに雪菜ちゃんの匂いがふわっ、と漂う。
僕「前のバー持った方が、安全だよ」
雪菜「ううん・・・これが、いい・・で・・ああっ」
僕「ほらほら、危ないって」
・・・・・なんとなくだけど雪菜ちゃん、
揺れるのを利用して、キス、しようとしてないか?
気のせいかな?でも・・雪巳ちゃんにキスされたのがあるからなあ・・・
僕「結構面白かったね、雪菜ちゃんは?」
雪菜「・・・・・」
僕「ど、どうしたの?顔を赤くして・・・」
雪沙「おにぃちゃんまって〜〜」
雪巳「ねー、今度はあれ入ろうよー」
隣に見えるのはこのエリアの目玉、竜巻観測ラボだ。
予約パスを発行してるけど、普通に並べばすぐに見られるみたい。
僕「よし、あれにしよう」
雪沙「え〜?ガイドブックだと2人乗りぢゃないよ〜?」
雪巳「ほんとだー、映画館みたいー」
雪菜「・・・100人乗り、って書いてある・・・」
僕「乗り、って動くのかな?乗ればわかるか、入ろう」
・・・僕達は竜巻観測飛行を堪能した!!
僕「びっくりしたーー」
雪巳「こういうの好きー」
雪菜「うごき・・ました」
雪沙「ね〜、次は2人乗りにしよ〜よ〜」
僕「うーん、近くに2人乗り・・あ、海底探検アドベンチャーは12時半だっけ」
あと1時間もあるな、
まずは目の前のネズミーシートロリーに乗って正午のパレードの場所取りでもしよう。
雪沙「この列車〜、2人乗りじゃな〜い〜」
僕「うーん、雪沙ちゃん、ちょっと我侭が過ぎるよ」
雪菜「ゆきさ・・・うるさくなってる・・・」
雪巳「お兄ちゃんにきらわれちゃうよー?」
雪沙「ごっ、ごめんなさ〜〜〜〜〜い!!」
涙目になっちゃった、ちょっとかあいい。
僕「じゃあ・・・僕の膝の上に乗っていいから」
雪沙「・・・・・うん〜〜♪」
猫みたいな声だな・・・
アナウンス「ネズミーシートロリーに御乗車いただきありがとうございます、このトロリーは・・・」
雪沙「あのお城、面白かったね〜」
僕「うん、下のお船もね」
雪沙「ゆきさがおっきくなったら、ふたりでまたこよ〜ね〜」
僕「ははは、おっきくなったら恋人とデートで来るんだよ」
雪沙「・・・だからおにぃちゃんとくる〜〜」
雪巳「お兄ちゃんは我侭な雪沙なんか嫌いになっちゃうかもねー」
雪沙「そんなことないも〜ん、ね〜〜」
僕「あう、あんまり動くと、膝が・・・」
雪菜「ゆきさ・・・降りなよ・・」
雪沙「・・・は〜〜〜い」
何だか大変だ。
正午のショーが行われる海を見張らせる場所へ来た、
すでに人がたくさん・・・でも見えないことはないな、うん。
雪沙「トイレいってくる〜〜」
雪巳「私もーー」
僕「いっておいで、荷物は見てるから」
雪菜「私は・・・います」
雪巳「すぐ戻るねーーー」
トイレへ走る雪巳ちゃん雪沙ちゃん、
そして残った僕と雪菜ちゃん・・なんだか変な間が・・・
雪菜「お兄ちゃん・・・」
僕「どうしたの?」
雪菜「ごめんね・・・雪沙、わがままで・・・」
僕「あれくらいは、かわいいもんだよ」
雪菜「あと・・雪巳おねぇちゃんも・・・」
僕「ななななな、なに、かな?」
雪菜「・・・・・ごめん・・・なさい」
僕「はは・・・いきなりあれは、こまる、よね、みんなの前で・・・」
・・・キスされたことだよな?僕があのティーカップのやつで・・
そ、それとも、ままま、まさか、あの夜のこと・・・いや、それを考えるのは、よそう。
雪菜「雪沙も、雪巳お姉ちゃんも、はしゃぎすぎ・・」
僕「僕だって、はしゃいでるよ」
雪菜「・・・・・私も」
きゅうっ、と腕に絡み付いてくる・・・
雪菜「・・・・・私にも、チャンスは、ありま・・・すか」
僕「なななななななななななな、なにの、か・・・な」
雪菜「・・・・・・・・あります・・よ・・・ね?」
顔を赤らめてると、幼さが強調されて見える雪菜ちゃん・・・
あ、はじめて告白されたお風呂での顔を思い出す・・目がうるんでるし。
僕「まだ、待ってって、言った、よね?」
雪菜「・・・待ってたら・・とられちゃう・・」
僕「まだ、まだとられてないから、ね?」
雪巳ちゃんのあれだって、無理矢理だし・・・
で、でも、はじめては、とられちゃったんだよな、
いや、まだ僕の心は誰のものでも・・でも雪巳ちゃんとあんなことした以上は・・
雪菜「・・・信じて・・いい、です、か」
僕「うん、うんうん!雪菜ちゃんのこと、ちゃんと考えてるから!」
雪菜「・・・・・でも、私も・・・取られる前に・・お兄ちゃん、取っちゃいたい・・・」
・・・なんか、凄く大胆なこと言ってないか!?
小学6年生が、取る取らないだなんて・・・どどど、どう、しよう・・・
雪巳「ただいまーー」
雪沙「あ〜!ゆきなおねぇちゃんといちゃいちゃしてる〜〜」
僕「そっ、そんなことないよ!」
雪菜「・・・私、トイレ・・・」
僕「いいい、いってらっしゃい!!」
逃げた雪菜ちゃんのかわりに雪沙ちゃんがきゅっ、と絡み付いてくる。
雪沙「海のパレードたのしみだねぇ〜」
僕「うん、でも前、見れる?」
雪沙「ん〜、かたぐるまして〜〜」
僕「ええっ?さすがにそれは無理だよ」
雪沙「ぢゃ〜、おんぶ〜〜」
僕「うーん、それなら・・・」
雪沙「やった〜〜」
・・・なんで逆らえないんだろう?
パレードが終わり丁度12時半だ、
みんなで「海底探検アドベンチャー」へ向かう、
僕はなぜか雪沙ちゃんをおんぶしたまま・・暑い。
雪沙「も〜いいよ〜〜?」
僕「うん・・・ここまでね」
雪巳「雪菜もおんぶしてもらうー?」
雪菜「・・・いい・・」
僕「軽くなったぁ・・・海底は涼しいかな?」
海底探検アドベンチャーの入り口が見えたあたりで、
もう行列の最後尾が見える・・でも予約パス持ってるからこの列じゃないんだよな。
もっと前・・あったあった、予約パスを渡して・・これなら5分待ちだ、洞窟内はひんやり涼しい。
僕「ええっと、乗るのは雪菜ちゃんだ」
雪菜「はい・・・」
雪沙「はやくゆきさのばんこないかな〜」
雪巳「じゃー、次、雪沙の番にゆずったげるー」
雪沙「ほんと〜〜?」
・・・この雪巳ちゃんの余裕具合、そろそろちょっとムッとしてきたぞ。
僕「いいよ、順番通りでなきゃ駄目だから、雪菜ちゃんの次は雪巳ちゃん!」
雪巳「だってー」
雪沙「え〜〜〜」
僕「順番、順番」
雪沙「は〜〜〜い」
お、いよいよ乗り込むぞ・・・
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