オカリナの演奏を堪能した僕達はボートを降りて次を目指す。

 

雪沙「お城いこ〜よ〜〜〜」

僕「いいけど・・でもまだ雪菜ちゃんの番、だよね?」

雪菜「お城でいい、です・・」

雪巳「チュリトス先にするー?後にするー?」

僕「朝ごはん、ぎょうざまんだけだったから、先に食べようか」

 

お城の門の前にある屋外型カフェについた、

と言ってもお城は火山のとなりにあって、その火山の洞窟みたいな所にカフェがあるから、

雨が降っても大丈夫だし、すっかり日が高くなった今では影になって涼しい。

チュリトスは2口サイズで2個400円か、1人4個くらいでいいな、ジュースも買って・・・

素早く席を確保してくれた三姉妹のもとへと持っていく、あ、雪巳ちゃんが手伝いに来てくれた!

 

雪巳「ジュース持つよー」

僕「ありがとう」

雪沙「おいしそ〜〜〜」

雪菜「シロップが・・2種類・・・」

僕「チョコ味とアーモンド味だよ、さあ食べよう」

 

まだあったかい極太チュリトスを食べる、

おいしい・・・焼きたてビスケットって感じで舌にとろける。

 

僕「甘いね」

雪巳「すごくおいしー」

雪菜「お持ち帰り・・したい、です」

僕「でも家に帰って食べると冷めておいしくなくなるんだろうな」

雪沙「ごちそ〜さま〜」

僕「もう食べたの!?」

雪沙「うん〜〜〜」

 

ちゃんと味わったのかな・・・

ここなら誰も取ったりしないのに。

 

 

チュリトスを食べ終えて石造りのお城へ入る、

門をくぐるとガイドのお姉さんが出迎えてくれている。

 

ガイド「こちらはネズミーシーキャッスルです、よろしければこのお城に隠された8つの部屋をご案内いたしますが」

僕「どうする?無視して探索してもいいみたいだけど」

雪巳「せっかくだからー」

雪菜「おねがいします・・です」

雪沙「あんないして〜〜」

ガイド「はいー、かしこまりました!ではこちらへどうぞー」

僕「何だか得した、のかな?」

 

ガイドさんについていってまず最初の部屋へ入る、中は・・・

 

雪巳「わー、ネズミーシーだー」

ガイド「はい、こちらの部屋ではネズミーシーの縮小模型を展示しております」

雪沙「おふねがうごいてる〜」

ガイド「どうぞご自由に操作なさってください」

雪菜「こってる・・・火山が光ってる・・・」

 

シーの海に浮かぶ小さな船をみんなで操縦する、

手前のパネルで・・これっていくらくらいかかってるんだろう?

ひょっとしたら億くらいは行っちゃうかもしれない、豪華なジオラマだ。

 

雪巳「隆幸だったらこわしちゃいそー」

雪菜「・・・雅幸、こういうの、好きそう・・・」

雪沙「なりゆきもきっとすきだよ〜〜」

 

確かに、女の子でこれだけ夢中なんだ、

雪巳ちゃんたちの弟3人がいたら、ここだけで半日は過ごせそう・・・

 

僕「次の部屋をお願いします」

ガイド「はい、かしこまりました」

雪巳「ゆきさ〜いくよ〜」

雪菜「おいてくよ・・・」

雪沙「あ〜〜、まって〜〜」

 

2つ目の部屋は・・でっかい振り子がある、

これ、何か昔、学校の教科書で見たことがあるような・・・

 

ガイド「この振り子は地球が自転している事を証明するためのものです」

雪巳「理科でならったっけー」

僕「フーコーの振り子、だね」

雪沙「ふ〜子ぉ〜?

雪菜「・・・勉強になる、です・・」

 

何だか社会見学みたいだ。

次の部屋は何だろう?お、大きな窓から外が見える!

 

ガイド「ここでは海に向かって大砲を撃つことができまーす」

雪巳「打たせてー」

雪菜「たま・・・とぶ、の?」

雪沙「これひっぱるのー?えーい」

僕「わ、もう引いちゃった!」

 

ひゅーーーーー・・・どーーん!!

 

僕「音・・・だけ?」

雪巳「煙が出てきたー」

雪沙「わ〜い、うったうった〜〜」

雪菜「なんかいい・・です」

ガイド「どんどん打ってみてくださーい」

 

お城から海へと攻めて来た船を打ち落とす、

そんな雰囲気を楽しむものか・・・子供用だなあ。

 

ひゅーー・・どーん!

ひゅーー・・どーん!

ひゅーー・・どーん!

 

さ、次、次。

 

ガイド「4つ目のお部屋はこちら・・なんと!錬金術の部屋です!」

雪沙「れんきんじゅつってな〜に〜?」

僕「金を作り出す事だよ」

雪巳「魔法なのー?」

雪菜「ほんとに・・・できる、の?」

 

入ると何だか物々しい、科学者の部屋って感じがする。

 

ガイド「こちらです!さあ、お好きな鉱物を組み合わせてこの大窯へ入れ、スイッチを入れてください!」

雪巳「金ができるのー?」

ガイド「うまく組み合わせが成功すれば!できるかも知れませんねーー」

雪沙「やるやるやる〜〜」

ガイド「ただし!・・・組み合わせが悪いと、爆発するかも知れませんよーー」

 

うんしょ、と適当に石を放り込む雪沙ちゃん、

どの石が何って書いてある説明を読む暇なく・・・

ぽちっ、とボタンを押すと・・・ガタガタ動いて・・下から何か出てきた!

 

ガイド「ざんねーん、石炭みたいですー」

雪巳「私がやるー」

僕「がんばって!!」

 

・・・・・金が出る事あるのか?いや、ないだろうな・・・

 

 

ガイド「5つ目の部屋です!」

雪沙「おっきいガラスだま〜」

雪巳「あー、まわり、絵ばっかりー」

雪菜「右も左も、上も下も、みんな、絵・・・」

僕「本当だ、壁全部、丁寧に描かれた絵だね」

ガイド「中央の水晶を通して見てみてくださーい」

雪沙「つながってみえる〜〜」

僕「ほんとだ!部屋の隅が、境が消えて繋がった絵に見える」

雪巳「どういうしかけー?」

雪菜「ふしぎ・・・です」

 

 

6つ目の部屋は・・・屋根が無い、そして飛行機があるぞ?

 

ガイド「これはダビンチの作った人力飛行機です、乗ってこいでみてください!」

雪沙「は〜〜〜い」

 

きこきこきこきこ・・・

 

ガイド「一生懸命こげば、空を飛べるかもしれませんよー」

 

そんなばかな・・それよりスカートの中、見えちゃってる・・・

 

 

7つ目の部屋はお城の最上階にある、かなり広いみたいだ。

 

ガイド「こちらが当お城一番の名所、天体模型です!」

雪巳「太陽だー」

雪菜「プラネタリウム、みたい・・」

雪沙「あれがちきゅ〜?」

僕「そうだね、太陽系がみんなある」

ガイド「どうぞ、回してみてください」

 

雪巳ちゃんがぐるぐるハンドルを回すと・・・

太陽を中心に惑星が回りはじめた!楽しいなあ、

椅子に腰かけてじっくり見よう・・・いや、僕も回してみたいぞ。

 

 

8つ目の部屋、これが最後か。

 

ガイド「最後の部屋は、真実を映す鏡の間です!」

雪巳「鏡が5つあるー」

ガイド「このお城の言い伝えによると、このうちどれか1つが真実を映し出す鏡だそうです」

雪沙「みるみる〜」

僕「どれ・・うわ!僕がすごく痩せて背が伸びて見える!」

雪菜「こっちは・・・縮んで、太って、みえる・・・」

雪沙「これふつ〜のかがみだよ〜」

雪巳「でもなんかへんー」

僕「そっち?・・・あ、この鏡・・・」

雪菜「左右が、逆・・」

僕「うん、鏡は逆に映るんだけど、これは逆に映らない鏡っていうのかな」

雪沙「つぎのかがみは〜・・あ〜、ゆきさがいっぱい〜」

僕「合わせ鏡みたいになってるね、ずーーーっと奥まで何重にもなってる」

雪菜「5つ目・・・何も、うつって、ない、です」

僕「どれ?あ、ほんとだ、あれ?でも後ろの壁は映ってるよな」

雪巳「人間は映らないみたーい」

僕「おかしいな・・ちゃんと背景は逆に映ってるのに・・・はて」

 

こうして8つの部屋を堪能した。

 

ガイド「楽しんでいただけましたでしょうか?この後もご自由にお楽しみください!それと・・・」

 

まだ何かあるのか?

 

ガイド「あちらも是非どうぞ!」

 

出口を開けたその先に広がっていたのは!

 

雪巳「船だーー!」

雪菜「おっきいお船・・・」

雪沙「のりた〜〜い」

 

なかなか良い演出だな。

 

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