僕「すいません、女の子1人外で寝てて物騒だったから、一晩うちで泊めました・・・」

雛塚母「あんたんとこに?」

僕「ええ、あと公園で寝てた、えっと、雪菜・・ちゃん?」

雛塚母「雪菜も?2人とも、あんたの家に泊まったの?」

僕「それと、雪沙ちゃんも、3人、泊めました・・・」

 

お、怒られる・・・かな?

 

雛塚母「そーう・・・」

僕「はい、その、連絡をちゃんとしなくちゃとは思ったんですが・・・」

雛塚母「ふーん・・・・・ちょっと、変な事はしなかったでしょうね?」

 

ぎくり!!

 

僕「し、してませんしてません!!」

 

そう、そうそう、雪巳ちゃんの胸つかんだのもワザとじゃないし!!

 

雛塚母「・・・・・ありがと」

僕「えっ!?」

雛塚母「助かるわぁ〜〜〜」

 

何かを含んだニヤリ笑いをするビッグマザー。

 

雛塚母「いっそ3人とも引き取ってくれないかしら」

僕「引き取るって・・・」

雛塚母「あら、じゃあアンタは犬や猫を拾っておいて、2・3日遊んだらまた捨てるの?」

僕「ひ、ひどっ!自分の娘を犬や猫だと思ってるんですか!?」

雛塚母「なら余計な事すんじゃないよ!ずっと世話するつもりがないなら、中途半端に情けかけないで!!」

 

うー・・・なんと言い返せばいいか・・・

 

雛塚母「わかったらあっち行きな!しっしっ!!」

 

そう言って自分から去って行ったビッグマザー・・・

あのままデスマッチのリングにでも上がりに行くみたいにして・・・

うーーーん・・・とにかくバイクをしまって家に戻ろう・・・・・

 

・・・

 

ちらかりまくった部屋に掃除機をかける・・・

ガー、ガー、ガー・・・念入りにやらないと・・結構大変だ。

まだこの後、風呂場の掃除がある、今朝は台所の掃除で手いっぱいだったから・・・

 

それにしてもあの雛塚家のビッグマザーはなんというか・・・

泊めた事、怒られはしたけど一応、感謝はしてくれていたのかな?

でもあの性格だからなあ・・・自分の娘を捨てられた犬や猫だなんて、許せないよ・・・

あんな風に外で寝させておいて平気でいられる神経がわからない、だからあの3悪兄弟だって、

しょっちゅう学校や警察に呼び出されるような事になるんだよ、まったく・・・何とかならないものか・・・

 

そもそもあの母親だって毎日のように問題を起こしている、

いや、それどころか家族全員が・・騒がしさや迷惑によりあの家の周りは誰も住めなくなった、

おかげで両隣と向かいの家は倉庫として使用する人と契約している、1人暮らし用だから丁度いい広さだ。

でもあのビッグマザー、まだ隣に人が住んでたとき、どうせ誰も長く住まないんだから出てったら使わせろ、

なんて無茶言ってたなあ、まさかわざと隣人を追い出した・・?まあ、そもそも家賃滞納しっ放しなんだから、

さらに隣の部屋を貸す事なんて絶対出来ないんだけど。もし貸してたらさらに隣を追い出したりして1階全部雛塚家に・・・

まるでシロアリみたいだな、そういや隣が倉庫になったからって壁に穴開けて繋げようとした事件もあったっけ・・・

 

あの窮屈さじゃ仕方ないか、現にゆうべ2人の少女が家からあふれてたんだ、

でもだからといってこれ以上どうする事もできない、うちのマンションは都心の便利な場所にある、

空室が出れば嫌でも埋まるから、あの家族のためにさらにどうこうする余裕なんてないし、

何より普通ならもうとっくに追い出されてるような問題世帯だ・・現に立ち退き通告を何度もしている。

でもむきになって居座り続けている・・・そりゃそうだ、引っ越してもその先でまたトラブルを起こすだろう、

だったら居心地の良い所から出たくないっていうのはわかる、現にここへはそうやって流れ着いたのだろうから・・・

これも僕の甘さが招いた問題なのかもしれない、だからといっていつまでも住まわせていく訳にはいかない。

 

僕「・・・・・ふう、ようやく部屋が片付いた」

 

彼女たちが脱ぎっぱなしにしていたシャツを拾う、

まだぬくもりが残り香として感じられる・・・かわいい子たちだったなあ・・・

不憫で仕方がない・・・せめてまともに育って欲しい、あんな母親みたいには絶対に・・・

 

今度は風呂の脱衣所に移動しシャツを洗濯機に入れる、

彼女たちのぬくもりを洗い流す・・・そしてここの掃除もしなきゃ。

脱衣所から風呂場を見ると・・・うぅ、真っ黒・・・垢だらけだ、酷い・・・

ゆうべのうちに洗っておくべきだった、こりゃ一苦労だぞ・・・と、むにゅ、と何か踏んだ、

なんだろう、足元に目をやると白い布地・・はっ、こ、これは、ゆうべそのままにした、ぱ、ぱぱ、パン・・・!

 

ぴんぽーーーん

 

だ、誰か来た!?

体を玄関に向けると足の指に子供パンティが引っかかりそれを解く、

いったい誰だろう、集金系は全部引き落としにしてるから・・・管理人かな?

と、玄関に備え付けてあるカメラモニターを見ると、そこにいたのは赤いランドセルの少女、

メガネをかけた、細い体の・・・えっと、雪沙・・いや雪巳・・・いや、雪菜・・・・・??受話器を取って話す。

 

僕「はい・・・ゆき・・・・ん・・・ちゃん?」

 

ビクッ、と驚く少女、

小型カメラを見つけ納得した様子だ。

 

少女「あ、あのー・・・」

僕「どうしたの?忘れ物?」

少女「はい・・・その・・・下着・・・忘れちゃって・・・」

 

さっき足にひっかけた子供ぱんつだ!!

 

僕「じゃあ、ちょっと待ってね、えっと・・とにかくロック開けるから、階段上がって玄関まで来て」

 

ボタンを押し鍵を開ける、

さっきのパンツを渡さなきゃ・・・って、

どうやって渡そう、笑顔で「はい、これ」って・・・

へ、変態に思われちゃうかな、考えすぎ?いや、でも・・・

少しでも変に思われないように、やっぱりここは彼女に直接・・・

 

ガチャ

 

僕「やあ、今朝ぶり、えっと・・・ゆき・・さちゃんだっけ?」」

少女「雪菜です・・・」

 

朝と違ってちゃんと小学校の制服を着ている、ブラウスだ、

水色と白のコントラストが可愛い、黄色い帽子もとっても。

手に持っている学校の袋は体操着か何かが入ってるのかな・・・

 

僕「その忘れ物って・・・」

雪菜「はい・・・下着・・・返して」

 

か、返してって!?

ぼ、ぼぼ、僕、盗んでないぞ!?

 

僕「あ、そういえば、脱衣所に落ちてたよ」

雪菜「・・・やっぱり・・よかった・・・」

 

安心してるみたい。

それにしても、「返して」って・・・

い、いや、別にそんな意味で言ったんじゃないと思う、

ただまだ小学生だから言葉がうまくないだけで、

僕が別に取ったとは思ってないはず・・・と、思いたい。

 

僕「じゃあ、そのままにしてあるから、とりにきてよ」

雪菜「あ、はい・・・おじゃまします」

 

玄関を上がる雪菜ちゃん、

ゆうべや今朝と違って制服姿の彼女は、

僕の目によりリアルな幼さ、小学生である事を認識させる・・・

 

僕「こ・・・これだよね」

 

脱衣所でまるで警察の現場検証のごとく落ちたままの下着を案内する、

いかにも「僕はまったくさわってませんよ」という感じで・・踏んじゃったけど。

 

雪菜「はい・・・ありがとう」

 

それを拾うと・・・足を通してそのまま履く!

制服のスカートの中から白いおしりが見えた、

ノーパンだったのか・・じゃあ今朝も出て行く時、スパッツを直に!?

 

僕「その、朝、気づかなくてごめんね、ほんとに」

雪菜「・・・・・」

僕「じゃ、じゃあ僕は洗濯と掃除があるから」

 

洗剤を洗濯機に入れる僕。

 

雪菜「あ、あのー・・・」

僕「な、なに?」

雪菜「私、掃除、洗濯、やりたい・・・です」

 

ランドセルを脱ぐ雪菜ちゃん。

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