メリーゴーランドを乗り終えた、

何だか雪沙ちゃん、いつもの3倍べったりしてきてる・・・

さっきのメリーゴーランドで、よっぽど気分良くしたみたいだ・・・

 

雪巳「次はお城いこー」

僕「うん、それでいいよ」

雪沙「おにぃちゃんとならどこでもいい〜〜」

雪菜「・・・・・」

僕「あ・・・」

 

きゅうっ、と僕の手をまた握ってくる雪菜ちゃん、

雪沙ちゃんにはくっつかれてるし・・あ、あついなあ・・・

太陽もあがってきて気温が上昇してるせい、だけじゃないよな・・あはは・・・はぁ。

 

 

 

お姉さん「それではネズミーランドキャッスルをご案内しまーす!」

雪沙「ここは乗り物じゃないの〜?」

僕「そうみたいだね」

雪菜「あ・・地下へ行く・・・」

雪巳「暗くなってきたよー?」

 

本当だ、進んでいくうちに真っ暗に・・・

足元、気をつけないと・・それよりはぐれないようにしなきゃ!

って、僕の右には雪沙ちゃんがべったり、左手では雪菜ちゃんがぎゅうっと・・・

 

僕「あれ?雪巳ちゃんは?」

雪巳「いるよーー」

 

むぎゅっっ!!

 

僕「!!!」

雪巳「くっつけば迷わないよー」

僕「うん・・そ、そそ、そうだね」

 

僕の背中に雪巳ちゃんがくっついて・・お、おっぱいが!!

むぎゅむぎゅ、おっぱいで押されてる・・・なんていう感触・・・

こ、これは、逆襲か!?雪沙ちゃん雪菜ちゃんと手を繋いでる僕への、

雪巳ちゃんからの、ささやかな復讐というか存在表明というかアピールというか・・・

あ、歩く足がカチコチになっちゃう!ちゃんと進まないと・・・ネズミーの、お、おねえさ〜〜〜ん・・・

 

 

 

お姉さん「それではここで見事、ネズミーランドを救った勇者さまにメダルの授与が行われます!お名前は?」

少年「・・・じゅん」

お姉さん「では、勇者ジュンさまに皆さん拍手をどうぞ!!」

 

ぱちぱちぱちぱちぱち・・・

 

僕「勇者になれなくて残念だったね」

雪沙「いいも〜ん、ゆきさ、そんなに子供じゃないから〜」

雪巳「立候補してたくせにー」

雪菜「ゆきさ・・それって・・・まけおしみ・・・」

僕「お、もう12時だ、お昼ごはんどうする?」

 

表に出ると、ランドのお客さんみんなレストランの方に向かってる・・・

 

雪巳「お兄ちゃーん、この時間、チャンスなんだよー」

雪菜「アトラクション・・空いてる時間です・・・」

雪沙「ごはんはもーちょっと後でいいよー」

僕「そうだね、確か正午から1時まではアトラクションの列が一気に減るんだったよね」

雪菜「あの・・そろそろ、ネズミーさんに・・会いたい、です」

 

ということは、あそこだな。

ブーブーベアーの横を抜けて・・・

ネズミータウンエリアへと入ったその一番奥に・・・

 

僕「あった!『ネズミーの家』そのまんまな名前だ」

雪沙「ほんとにあえるの〜?」

雪菜「25分待ち・・・です」

雪巳「やっぱり挨拶しないと失礼だよねー」

僕「はは、じゃあハムでも包んで持ってくるべきだったかな?」

 

本当にお中元持ってくる人・・・いるわけないか。

 

雪沙「あっちになにかいるよ〜」

僕「え?・・あ、ほんとだ!何かのキャラクターが歩いてる」

雪菜「あれは・・・グリフォンさん・・・」

雪巳「ちゃんとみんなランドの中を歩いてるねー」

僕「ガイドブックとかだと、ずっと入り口付近にいるってあったけど、こんな奥までも来るんだね」

 

子供達が記念撮影のために並んでる、

一緒に写真撮るためだけなのに、もう五分待ちくらいになっちゃってる。

もう立派なアトラクションだ・・って、僕が今並んでるのはネズミーさんと会うためのアトラクションだし。

 

雪沙「ネズミーさんの家、りっぱだよ〜〜」

雪菜「あ・・・この石、ネズミーさんの形・・・」

雪巳「ほんとだー、持ってかえろっかー」

僕「こらこら、ドロボーは駄目だよ」

雪沙「でも〜あのひと取ってってるよ〜〜」

 

あ、ほんとだ・・・

と思ってたら僕の後ろに並んでるカップルが、

雪菜ちゃんの見つけた方の石を拾ってしまっちゃった。

 

雪菜「とられ・・・ちゃった」

僕「でも、本当はいけないんだよ」

雪巳「お土産に欲しかったー」

僕「後で何か買ってあげるから」

雪沙「でもこれ、ただだよ〜〜」

 

あ、また別のネズミー石を雪沙ちゃんが拾った!

駄目・・・だよな・・・人ん家のもんだし・・・うーん・・・

こういう時にどう言えばいいか・・・ほんと、小さい子供への躾けって難しい。

 

僕「だ・め」

雪沙「は〜〜〜い」

 

人が立ち入れない奥のほうへ投げた・・・

うーん、お土産売り場であの石、売ってないのかな・・・

ひょっとして持ち帰りOKだから売ってない?いや、駄目なはず・・・

 

雪巳「もうお家に入るよー」

僕「やっと順番か」

雪菜「おじゃま・・・します」

僕「丁寧だね、アトラクションなのに」

雪沙「チャイムがある〜〜」

 

ぴこぴこぴろりんっ♪

 

ネズミーの声「ハーイ!いらっしゃい!楽しんでいってねー!」

雪巳「返事したー」

雪菜「こまかい・・・」

雪沙「はやく会いた〜い」

僕「家の中もいろいろ仕掛けがあるみたいだね」

 

 

ネズミーの家を堪能し、そして・・・

 

 

僕「いよいよこの向こうにネズミーがいるのか」

男性従業員「はい、ネズミーくんとの記念撮影はいかがですか?」

雪巳「おっきい写真ー」

男性従業員「お値段は1000円で、記念写真を撮影いたします!」

雪菜「そういえば・・・カメラ、持ってない・・・」

男性従業員「写真を撮影いたしますと、出来上がりは午後6時となります」

雪沙「いちまいだけ〜〜〜?」

僕「・・・・・買います、お願いします」

 

これはお約束だから、ね・・・

 

ガチャ

 

女性従業員「ネズミーさんの準備ができましたー、みなさんどうぞこちらへー」

僕「来た!」

雪沙「いちんばんのり〜〜」

雪巳「すばしっこーい」

雪菜「はやいものがちじゃ・・ない・・のに」

 

部屋に入るとネズミーさんが!ほ、本物だあ!!

 

雪沙「わ〜いわ〜い」

 

ネズミーさんが、抱きついてきた雪沙ちゃんをハグハグしてる!

続いて雪巳ちゃんと・・さらに雪菜ちゃんへ、そして・・僕にまで!!

 

女性従業員「ネズミーさんは映画最新作の撮影をしていまして、その合間の休憩時間を利用してこうして・・」

雪沙「ネズミーさん、鼻つかんでいい〜?」

雪巳「いい匂いがするー」

雪菜「ちょっと・・・こわい・・」

僕「みんな、がっつかないの!」

 

お姉さんの説明くらいちゃんと聞いてあげようよ・・・

 

女性従業員「それでは皆さん、もうお時間となりましたので・・」

僕「ええ、もう!?」

 

30秒くらいしかたってないのに!

 

男性従業員「それでは記念撮影を行います、並んでー」

雪沙「ゆきさ、ネズミーさんの下〜」

雪巳「私はとなりー」

雪菜「じゃあ・・お兄ちゃんの前で・・・」

僕「え?じゃあ、僕はネズミーさんのこっちがわの隣に・・・」

 

みんな並んではい・ちーず!

 

パシャ!!

 

男性従業員「ありがとうございましたー」

女性従業員「またネズミーに会いに来てくださーい!!」

 

手を振るネズミーさんたち、

それに応える三姉妹・・・良い記念になった。

午後6時に写真受け取りブースか、忘れないようにしよう。

 

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