♪せ〜かい〜を〜ま〜わる〜♪せ〜かい〜は〜い〜っしょ〜♪

 

テーマソングが流れる中、水の上をゴンドラに乗って進む。

 

雪沙「あのお人形かわいい〜」

雪菜「だるまが・・・まわってる・・・」

雪巳「みてみてー、あっちー、おさるさんー」

僕「うん・・・そうだね」

 

みんながはしゃぐ中、僕は赤面していた。

雪巳ちゃんと並んで座っているんだけど、

どうしても右側・・・雪巳ちゃんサイドの方を見ると、

その大きすぎるおっぱいが視界に入って、気になって仕方がない、

アトラクションの人形を見るのに邪魔、というより僕の煩悩が邪魔になる・・・

 

雪巳「あのお人形、すごく早く回ってるー」

僕「う、うん・・・おおきい・・ね」

雪巳「えー?なにがおっきいのー?」

僕「え?あ・・いや、スケールがおっきいなあ、世界一周だから」

雪巳「えー?わかんないー・・・あー、上にもー!!」

 

ああ・・・できるだけ違うほうを見なきゃ・・・・・

 

 

 

アトラクションを出るともう10時過ぎだ、

すでに3時間を経過したのか、早いもんだなあ。

 

僕「次はどこ行く?」

雪沙「トイレいく〜〜」

雪菜「私も・・・」

雪巳「わたしもー」

僕「そうか、じゃあ行っておいで・・えっと、場所は・・・」

 

地図で確認するとゴーストハウスの隣だ。

 

僕「そうだ!じゃあ僕はゴーストハウスの前で待ってるから、そこ集合ね」

雪沙「ならんでるの〜〜?」

僕「えっと、そうだね、そうしよっか」

雪巳「じゃあいってくるねー」

雪菜「いってきます・・・です」

 

別れて僕は1人、ゴーストハウスの列へ・・・

うーん、男1人並んでると、ちょっと恥ずかしいかも・・・

そもそも1人でネズミーランド行く人って、いるんだろうか???

近所に住む年間パスポート持ってる人とか、でも乗り物1人で恥ずかしくない?

あとはショーとか買い物目当てとか・・・食事目当てとか、かな?ならわかる気も・・・

 

 

 

雪巳「あ、いたいたー」

雪菜「いってきた・・です」

雪沙「おにぃちゃんはトイレいいのー?」

僕「いいよ、まだ。それよりもう中に入っちゃうよ?」

雪巳「ほんとー、門の前まできてるー」

 

オバケ屋敷、か・・・

三姉妹、大丈夫かな?

まあ、実家にはオバケより恐いビッグマザーがいるしな・・・

 

 

中に入ると門を閉められた、

薄暗い中、不気味な声がざっとアトラクションの説明をする。

 

雪菜「お兄ちゃん・・・」

 

きゅっ、と僕に抱きつく雪菜ちゃん、

やっぱり恐いんだろうな・・・うーん、

順番では雪沙ちゃんと一緒に乗り込むはずだったけど、

ここは仕方が無い、雪菜ちゃんと一緒に乗り物へ・・・

雪沙ちゃんが不満そうな顔で僕を覗き込んでくる、どうしよう。

 

僕「ごめんね雪沙ちゃん、次の乗り物でね」

雪沙「ゆきなおねぇちゃん、ずるい〜〜」

僕「ずるいって・・雪菜ちゃん、恐いよね?」

雪菜「・・・・・です」

雪沙「ゆきさもこわいよ〜〜」

 

そんな雪沙ちゃんをずるずる引っ張って乗り物に入る雪巳ちゃん!

 

雪沙「も〜〜〜」

雪巳「お兄ちゃん、雪菜おねがいねー」

僕「うん、雪巳ちゃんも雪沙ちゃんをお願い!」

 

僕と雪菜ちゃんで乗り込む!

仕方ないよな、わざとじゃないんだし・・・

って、いや、ひょっとしたら、わざと・・・???

 

雪菜「あ・・おばけ」

僕「え?わっ!ほんとだ!!」

 

雪菜ちゃん、案外平気そうだ・・・

 

 

 

アトラクションを乗り終えて降りる僕ら、

雪菜ちゃんはケロッとしている、確かに恐くはなかった、

というより面白かった・・・立体ホログラムの技術は素晴らしい。

 

雪巳「あのおばけ、ママに似てたねー」

雪沙「ママといっしょだったらおばけがにげちゃうよ〜」

雪菜「お兄ちゃん・・・一緒に乗ってくれて・・ありがとう・・」

僕「恐くなくて良かったね」

雪菜「ん・・・」

 

手を離そうとしない雪菜ちゃん・・・

 

雪巳「人がいっぱいになってきたー」

雪沙「あそこ〜、60分待ちだって〜」

僕「ほんとだ、空とぶピーターパン・・・後回しだな」

雪菜「あそこ・・・すいてる・・・」

僕「ん?ネズミーランド音楽会、待ち時間0分か、入ろう」

 

中は2人の従業員しかいない、

おじさんとおばさん・・他に人の気配が無い!?

ここ、本当にやっているのか?だって、1人も並んでない・・・

 

おばさん従業員「間もなく時間となります、こちらへどうぞ」

僕「はい・・あ、雪沙ちゃん?」

雪沙「ゆきさもとなり〜〜」

 

雪菜ちゃんと繋いだ手の反対側に雪沙ちゃんが来て手を繋ぐ、

両手塞がっちゃった・・・その後ろからついてくる雪巳ちゃんとともに奥へ・・

なるほど、客席がちゃんと奥にあるからみんなもう移動しちゃってるんだな、

だってもうすぐ11時、丁度園内が本格的に混む時間だもの、いかに人気の無いアトラクションだったとしても、

誰もいないはずは・・・・・・・・・・・・・・・あった。客席には、だあれも座っていない、本当に僕達の貸切状態か!?

 

僕「ほかに誰もいない・・・」

雪巳「運がいいー」

雪菜「真ん中に・・・座る、です」

雪沙「も〜誰もこないよね〜?」

僕「来ないと本当に僕たちだけになっちゃうね、さあ座ろう」

 

ど真ん中の、いかにも特等席といった感じの場所に座る。

右の雪菜ちゃん、左の雪沙ちゃんと手を握ったまま・・・

雪沙ちゃんの隣には雪巳ちゃん・・・あ、暗くなってきたぞ!?

 

おばさん従業員「それでは4名様だけのためにお届けするネズミーランド音楽会、はじまりまーす!」

 

ブブーーーーーッ

 

・・・・・・・・・・

 

ネズミーランドキャラクター人形の演奏会を僕らは堪能した。

 

・・・・・・・・・・明るくなった!!

 

おばさん従業員「以上で終了となります、お忘れ物のないようにお気をつけて、ネズミーランドをお楽しみください!!」

僕「うん、悪くはなかったね」

雪沙「♪らんららら〜らんららら〜らんらんら〜ら〜わんだふる〜♪」

雪菜「ちょっと楽しかった・・・です」

雪巳「でもー、1回見たらもういいねー」

僕「こら、はっきり言わない!・・・確かにそうだけど」

雪沙「つぎいこ〜〜」

 

う・・・まだ手を離してくれない2人、

手首にかかったままのお土産袋がちょっと痛いかな・・・

ネズミーランド音楽会を出る、まぶしい・・・さあ、続いてはどこかな?

 

僕「次は?」

雪巳「あっちー」

雪菜「あっち・・・」

雪沙「あっち〜〜〜」

僕「え?どっち?」

 

三姉妹が思い思いの別方向を指差す、

雪沙ちゃんはメリーゴーランドの方を、

雪菜ちゃんは蒸気船リンカーン号の方を、

雪巳ちゃんは・・・空?いや、ネズミーランドキャッスルか。

うーん、どれにしようか・・・誰を選ぼうか、迷うなあ・・・どうしよう。

 

僕「んー、次は雪沙ちゃんと一緒に乗る番だから、雪沙ちゃんの希望で」

雪沙「わ〜〜〜い♪」

雪菜「いいな・・・」

雪巳「ゆきさー、はしゃぎすぎだよー」

雪沙「ならぼ〜〜」

 

15分待ちののち、白馬を選ぶ僕と雪沙ちゃん。

まずは僕が乗って、僕の前に雪沙ちゃんが・・またがる時にスカートから眩しいパンツが!!

後ろではカボチャの馬車に雪巳ちゃん雪菜ちゃんが乗り込む。そして静かに動きはじめた・・・

 

雪沙「たのしいよ〜〜〜♪」

僕「こら、暴れない!」

 

白馬が上下し、それにあわせて弾む雪沙ちゃん、

スカートがひらひらぴらぴら・・・もう小5なんだからこれはまずいって!

でも無邪気で本当に楽しそう・・だからって許すわけには・・危ないし、まわりの視線が!!

 

雪沙「わ〜〜〜〜〜い♪」 

僕「立ち上がっちゃ駄目!・・・もう!」

雪沙「きゃっ!?」

 

思わず後ろから抱きかかえる!

・・・・・ん?随分とおとなしくなった?

表情を見ると嬉しそうに、うっとり・・僕に後ろから抱かれてるから・・・?

 

雪沙「おにぃちゃん・・・」

僕「う、うん、このままおとなしく、ね」

雪沙「うん・・・・・」

 

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