走る走る!地図ではこっちだったはず・・・

あの建物かな?やっぱりそうだ!ネズミーディナーショー!もう行列になってる!

後ろについて・・・はぁ、はぁ・・・何とか並べたぞ・・・ネズミーランドのお姉さんが数を数えてる。

 

お姉さん「何名様ですか?」

僕「はぁっ・・・よ・・・4名です・・・」

お姉さん「・・・キャンセル待ちの可能性もありますが、よろしいでしょうか?」

 

がーーーん!!

 

僕「はい・・・」

お姉さん「それではお名前を・・・」

 

キャンセル待ち・・・微妙だ。

食事では一番人気のディナーショーだもんな、

開門と同時にあっという間に売り切れる事で有名な・・・

 

お姉さん「では順番までお待ちください」

 

キャンセル待ちになったらどうしよう、

そもそもキャンセルなんて出るんだろうか?

作戦、失敗したかな?荷物みんな持ったままにすれば良かったか・・・

みんなは作戦をちゃんと遂行しているだろうか?

計算と実行はなかなか両立しないからなあ・・・うーん。

 

受付のおじさん「次の方どうぞ」

僕「あ、はい!いつのまにか順番が来てた・・・」

受付のおじさん「・・・4時半開始の第1回でよろしいでしょうか?」

僕「それしかないんですか?」

受付のおじさん「はい、それ以降はキャンセル待ちとなります」

 

と、いうことは、間に合ったってことだ!!

 

僕「かまいません!第1回で」

受付のおじさん「それでは会計の方をお願いします」

僕「先にお金?はい、わかりました・・・」

 

午後4時半、ディナーショーには早すぎる時間だけど仕方がない!

僕の後ろに並ぶ親子にネズミーのお姉さんが本当に心からすまなそうな話掛ける。

 

お姉さん「申し訳ございません、あいにく定数に達してしまいまして、ここからはキャンセル待ちに・・・」

 

ギリギリか!!

いやー、運がいい・・間に合った。

代金の1万7千円を払い、ディナーショーの予約券を貰う!

ちゃんと招待券風になってるんだ、何だか楽しいな、とにかく僕の任務はこれで完了!

後は雪巳ちゃんたち・・・ちゃんと集合場所の「ロックマウンテンコースター」に並んでるかな?

 

 

 

僕「どこだどこだ・・・すごい列だなあ」

雪沙「おにぃちゃ〜ん、こっちこっちぃ〜〜!!」

僕「え?おお!そんなに前か・・・あれ?雪巳ちゃんも!」

雪巳「ついさっき来たのー」

僕「そうか、良かった・・・で、どうだった?」

雪巳「取れたよー、ブーブーベアー大冒険の予約パスー、8時半から9時までだってー」

僕「良かった、結構早い時間に乗れるね」

雪菜「あの・・・お兄ちゃん・・・」

僕「あ、雪菜ちゃん、朝食レストランの予約はちゃんとできた?」

雪菜「うん・・・でも・・・」

僕「どうしたの?」

雪菜「予約・・・8時30分からだって・・・」

僕「あちゃー、かち合っちゃったか・・・」

 

うまく作戦を立てたつもりだったのになあ、

まず僕が4人分の荷物を預けるコインロッカーの確保に走り、

それから食事で一番人気、開門後すぐに埋まるディナーショーの予約へ走る、

雪巳ちゃんは4人分のパスポートを受け取ってアトラクション1番人気である、

ブーブーベアーのはちみつ大冒険へ、時間指定予約パスをパスポートで引き出してくる、

雪菜ちゃんと雪沙ちゃんは朝食で1番人気・ネズミーさんのパンケーキが食べられるカフェへ、

予約に走った後、アトラクション2番人気のここ、ロックマウンテンコースターへ並んでそこへ僕と雪巳ちゃんが合流する・・・

 

僕「完璧な作戦だと思ったのになあ」

雪菜「どうしよう・・・」

僕「仕方ないよ、朝食を8時半から急いで食べてブーブーベア行こう」

雪沙「30分でたべるの〜?」

僕「移動も考えて20分で食べ終わる感じかな」

雪巳「いそがしーねー」

僕「その分、楽しまないと!雪菜ちゃん、もう疲れちゃった?」

雪菜「・・・だいじょうぶ・・です」

雪沙「ゆきなおね〜ちゃんのおかげで迷わなかったよ〜」

僕「そっかそっか・・・あ、もうロックマウンテンコースターの中みたいだ!」

 

でも、こういうのって建物に入ってからが長いんだよなあ・・・

 

 

 

お姉さん「何名様でしょうか」

僕「4人です」

お姉さん「んー、そちらのおじょうちゃん、ちょっとこちらに立ってもらえるかなー」

雪沙「な〜に〜?」

お姉さん「・・・はい、大丈夫ですねー」

 

あ、身長制限が!よく見ると105cm以上の方しか乗れませんって書いてある。

 

お姉さん「それでは2人ずつに分かれて8番9番でお並びくださーい」

僕「あ、2人ずつか」

雪沙「ぢゃあ、ゆきさがおにぃちゃんと〜」

雪菜「ゆきさ、はやい・・・」

雪巳「いいなー」

 

素早く僕の隣へ!ちゃっかりしてる。

 

僕「はは、雪沙ちゃんが飛んでいかないようにしっかり注意しておくよ」

雪沙「ぢゃあ、手ぇ握って〜」

僕「うん・・・はい」

雪沙「えへへへへぇ〜〜」

僕「さ、来たから乗るよ」

 

8番に座る・・・

う、後ろから何だか痛い視線が・・・

 

お姉さん「それでは出発〜いってらっしゃ〜〜い!!」

 

がががががががががが〜〜〜!!

 

僕「うわっ!」

雪沙「わ〜〜〜い!!」

 

まずはゆっくり・・・

どんどんどんどん坂を登って・・・

わくわくした表情の雪沙ちゃん、

ぎゅうっ、と僕の手を握ったまま・・・

ほんとにスポッと抜けて飛んでいかないか心配だ。

 

僕「さあ、いよいよだよ・・・」

雪沙「おちる〜〜〜」

 

コースターが下る!!

 

僕「ひあ〜〜〜〜〜!!」

雪沙「わ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

雪巳「きもちいいーーーーー!!」

雪菜「・・・・・」

 

後ろから雪巳ちゃんの声、楽しそう。

うわ!コースがひねって、横から重圧が!

さらにくねって・・・物凄いスピード!うわわわわっっ!!!

 

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

ぷしゅーーーーーっ

 

お姉さん「到着でーす、足元お気をつけて降りてくださーい」

僕「ふわー、すごかった・・」

雪沙「たっのし〜〜〜♪」

雪巳「気分よかったーー」

雪菜「・・・・・・」

僕「あれ?雪菜ちゃん?雪菜ちゃん?」

 

ぽーーーっ、としちゃってる・・・

髪の毛乱れたまま・・・大丈夫か?

眼鏡はズレてない、でもその奥の目が視点合ってないような・・・

 

僕「雪菜ちゃん?雪菜ちゃん?」

雪菜「あ・・・おにぃちゃん」

僕「どうだった?」

雪菜「・・・・・すごかった・・」

僕「気持ち悪くなったりしてない?」

 

大丈夫、という感じでコクリとうなずく・・・

でも、足がちょっとふらふら・・・支えてあげないと。

 

僕「ごめん、手、離すね」

雪沙「も〜?」

僕「雪菜ちゃん、つかまって」

雪菜「ん・・・ありがとう・・・」

雪巳「あー、あそこで写真売ってるよー?」

 

出口でさっきの様子がすでに写真になってる、

僕らはどこかな・・・あった!結構、表情が写ってるもんだな、

雪沙ちゃん雪巳ちゃんは楽しそう、僕は・・必死だ、雪菜ちゃんはホエ〜って感じ。

 

僕「1枚ください、286番のを」

お兄さん「はい、1050円になります」

雪巳「わー、記念になるー」

雪菜「・・・・・いつのまに、写真・・・」

雪沙「おうちにかざろ〜〜」

 

ロックマウンテンコースターを出ると、もう7時50分か、早いなあ・・・

食事は8時半だから・・お、射的がある!ネズミーシューティング、10発200円か。

 

僕「あれやらない?」

雪沙「いいよ〜」

雪巳「でもお金かかるみたいー」

雪菜「わたし・・ちょっと座る・・」

僕「1人200円だから・・・800円、っと・・はい」

 

みんなに200円ずつ渡す、

よーし、当てるぞーーー!!

僕は真ん中の銃で遠くを狙う、

雪巳ちゃんはターゲットをまだ選んでる、

雪沙ちゃんは銃を重そうにうんしょ、と近くの的へ・・

 

ズキューン!

ズキューン!

ズキューーン!!!

 

・・・・・

 

僕「あ〜、最後に外れた・・・『9発的中、すごい!』だって」

雪巳「お兄ちゃんすごいー、私は『8発的中、やったね』だってー」

雪沙「ゆきさは〜、『5発的中、がんばった』ってかいてある〜」

 

雪菜ちゃんは・・お、打ってる!しかも座ったまま!!

 

ズキューーン!!!

 

僕「当たった!」

雪巳「おわったー?」

雪沙「すご〜〜い!」

雪菜「・・・『10発的中、おめでとう』って・・・」

僕「パーフェクト!?」

 

豪華な音楽とともにお姉さんがやってきた!

 

お姉さん「おめでとうございまーす!10発的中の記念メダルでーす」

 

小さい記念メダルが雪菜ちゃんに贈呈される!

 

僕「すごいすごいすごい!」

雪沙「ゆきなおねぇちゃん、かっこいい〜〜」

雪巳「よかったねー」

雪菜「うん・・・」

僕「座ってたのがよかったのかな?」

 

顔を赤くして、照れてる雪菜ちゃん、かわいい・・・

 

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