7月20日・日曜日、いよいよ明後日はネズミーシーだ!
朝からみんなで雪沙ちゃんの宿題をやっつけている、それももうすぐ・・・
雪沙「おわった~~~~!!」
雪巳「やったーー!!」
雪菜「これで・・・全部・・・」
僕「あ、まだ写生の仕上げがなかった?」
雪沙「それは今夜~、お風呂の前に仕上げるよ~~」
じゃあ事実上、ほんとのほんとに終わりか!!
僕「みんなよくやった、えらい!」
雪巳「つれてってもらえるー?」
僕「もっちろん!」
雪菜「よていどうり・・おわって、よかった・・・です」
僕「さて、時間は・・・11時か、もうすぐお昼ごはんだね」
雪沙「ね~、ネズミーランドのじゅんびしたい~~」
僕「そうか、手ぶらで行く訳にはいかないよな」
リュックとかパレード見る場所シートとか必要だよな、
デパートへみんなで行くか・・いや、今日は確か・・・そうだ!
僕「みんな、出かける用意して!買い物に行くから」
雪巳「はーい」
雪菜「・・・また、お金、かかっちゃう・・ですか」
僕「心配?でも安く済む場所行くから」
雪沙「どこいくの~?」
僕「今日も電車に乗るよ、ほら行くよ!!」
駅から電車をいくつか乗り継ぎ、
正午を過ぎた頃についた場所は・・・

僕「ここだよ」
雪巳「あじのもとスタジアムー?」
雪菜「野球・・見る、です・・か?」
雪沙「え~?やきゅ~なの~?」
僕「ちがうよ、ここでは・・・まあ、入ればわかるよ」
そう、ここへ来た目的、それは・・・
入場料を払って中へ・・・おお、やってるやってる!
雪巳「わー、すごーい」
雪菜「フリーマーケット・・・」
雪沙「いっぱい売ってる~~」
僕「そうだよ、毎月1回やってる都内最大のフリーマーケット」
三姉妹はもうすでに目移りしてる・・・
順番に回っていこう、時間はたっぷりあるんだし。
雪巳「何でも売ってるー」
雪菜「あ・・・ぬいぐるみが・・いっぱい・・・」
雪沙「プラモデルもあるよ~?」
僕「今日はネズミーランドとマザー牧場の準備品を買いに来たんだから」
雪巳「そっかー・・・あー、自転車売ってるー」
僕「ほんとだ、ピンクの子供用・・・雪沙ちゃんサイズかな?」
雪沙「ちっちゃすぎるよ~~」
雪菜「ゲームソフトが・・・1つ200円・・・」
こういうのは見て回るだけで楽しいんだよなあ、
一番多いのはやっぱり衣料品だ、でも主婦用と幼い子供用ばっかり・・
僕「あったあった、リュックサック、でもちょっと小さすぎるかな・・」
雪菜「あそこの・・あれ・・・」
僕「え?・・・あ、ほんとだ!丁度良い大きさ・・よく見つけたな、あんなに遠いの」
雪菜「お兄ちゃんの・・・買ってくれた眼鏡の、おかげ・・」
雪巳「この水筒いいんじゃなーい?」
僕「これで800円か、よし・・これくださーい」
雪沙「ね~ね~、これほし~よ~~」
僕「ビニールプールねえ・・・うちの風呂と同じか少し大きいくらいのサイズね」
雪沙「かって~~かって~~~」
僕「だったらお風呂に水入れればいいじゃん」
雪沙「え~~?ベランダに出して入りた~~い」
太陽の下でってことか・・・でも値段が・・1000円!?安い!買った!!
雪菜「これ・・・私・・やってみたい・・」
僕「ん?麻雀?いや、ドンジャラだ、懐かしい・・・」
雪巳「たのしそー!丁度4人だからできるねー」
僕「でもこれだって高い・・1200円!?なら・・いいかな」
雪沙「ゆきさもするする~~~」
やばい、脱線してきてるぞ・・・
僕「さて、これでネズミーランドの買い物は揃ったかな」
雪菜「遠足の準備も・・・あとはシートだけ・・・」
雪沙「シート売ってなかった~~?」
僕「いや、シートの上に売り物はあったけどシートはなかったね」
雪巳「おなかすいたーー」
おっといけない昼食忘れてた、
もうおやつの時間過ぎてる・・・
僕はスタジアム内のケンタッキーで4人分の食事を買い、
みんなでスタンドに座ってのんびりとチキンサンドを食べる、
みんなも夢中ではむはむ・・・青空の下、ちょっとしたピクニック気分だ。
僕「さて、買ったものを整理しよう・・・リュック3つ、水筒3つ・・」
雪沙「ロッカーにプール入れているよ~?」
僕「そうだね、ドンジャラも。それと双眼鏡にジュースミキサー・・」
雪巳「これこれー」
僕「そう、その帽子!あと・・それだけ?」
雪菜「これ・・・買ってもらいました・・・」
僕「忘れてた、目覚まし時計と腕時計!」
全部で1万円くらいなんだよな、お得すぎる・・・
雪巳「漫画は買わないのー?」
僕「別に珍しいのなかったし、買うならブックオフで買うよ」
雪菜「抱き枕・・安かった・・・」
僕「あれは持って帰るのが大変だし、ちょっと恥ずかしい」
雪沙「ね~、お店って誰でもできるの~?」
僕「申し込めばね、確か5000円くらいだったかな?」
雪巳「おもしろそー」
僕「そうだね、売るほうも楽しめるのがフリーマーケットだね」
来てよかった・・・
1つのイベントとして楽しいや。
僕「食べ終わったらもうちょっと見よう」
雪沙「ハンカチ買いた~い」
雪巳「お兄ちゃんが欲しいのないのー?」
僕「うーん、これといっては・・・」
雪菜「来月も・・・来て見たい、です・・・」
午後6時過ぎ、
フリーマーケットでの買い物を終えて自宅に着いた、
あれ?留守番電話が点滅してる・・・再生をピッ、と押す。
留守電「1件です・・ピーーー・・・もしもし、こちら児童相談所の・・・」
きたああああああああああ!!
留守電「明日、お伺いしたいのですが折り返し連絡をいただけたらと思いまして・・」
どーしよーどーしよー、
よりによってネズミーランドの前日に来るのか?
雪巳「あしたー?」
雪菜「美鈴さんに・・・電話・・・」
雪沙「やだよ~、そ~だんしょ~、きらい~~」
僕「嫌いだなんて言っちゃ駄目!よし、美鈴姉さんに・・・」
早速電話をかける。
僕「もしもし・・・美鈴姉さん?」
美鈴「どうしたの?何かあったの?」
僕「それが・・・児童相談所が、明日来たいって」
美鈴「何時に?」
僕「いや、それはまだ・・・留守電に入ってて折り返し連絡しなきゃいけないんだけど」
電話の向こうで考え込む美鈴姉さん。
美鈴「・・・わかったわ、明日、来てもらいなさい」
僕「はい、それで美鈴姉さんは・・」
美鈴「午後4時までには行けると思うけど・・・」
僕「わかりました、4時ですね」
美鈴「そうね・・そうだ、万が一、私が行けなくなったり職員さんが早く来るかも知れないから・・・雪巳ちゃんに代わって」
言われた通り、電話を代わる。
雪巳「はーい・・うん、うんー・・・」
何やらメモしながら会話してる。
しばらくしてから次は雪菜ちゃん、そして雪沙ちゃんに電話が代わる。
雪沙「・・・は~~い!はい、おにぃちゃん」
僕「次は僕!?」
メモを大事そうに仕舞いながら受話器を渡してくれる雪沙ちゃん。
美鈴「もしもし?」
僕「は、はい・・」
美鈴「最後は弟クンね・・・いいこと?堂々と胸張ること!」
僕「胸をはる・・・」
美鈴「やましいことはないんでしょ?あっても、ないってことにしなさい!」
僕「わかりました・・」
美鈴「後はHな話題禁止。そういう事件が最近多いから、向こうは絶対にそこを探り入れてくるから」
僕「何だか恐いですね」
美鈴「そのへんは雪巳ちゃんたちにちゃんと言ってあるから、君は胸を張っていれば大丈夫」
僕「わかりました」
美鈴「Hなこと、してないって言い張りなさい、もしすでにしててもね」
僕「してませんしてませんしてません!!!」
美鈴「・・・・・ほ~ら、動揺してる」
そ、そりゃそうだよ・・・
美鈴「まあ、雪巳ちゃんたちがしっかりしてるから安心していいでしょ」
僕「わかりました・・・」
美鈴「じゃあ明日ね、午後4時よ?いいわね」
僕「はい、待ってます・・・ありがとう」
電話を終え、一呼吸してから相談所へと電話をかける・・・
明日はネズミーランドへの、ある意味最終関門みたいなもんだ、
何だか僕に、ないはずの夏休みの宿題を課せられたような、そんな気持ちになったのだった。
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めくる