あくる日。
雪沙「ただいま〜〜〜〜〜!!」
僕「お帰り、早かったねー」
雪沙「うんっ、だってデートだも〜ん」
時間は午前11時半・・・
授業が終わって即行で帰ってきたんだろう。
それだけ楽しみにしてくれたってことか・・・嬉しいな。
僕「急いで帰ってくるのはいいけど、車にちゃんと気をつけてる?」
雪沙「うん♪きをつけてるよ〜」
僕「えらいえらい、じゃあ行こうか」
雪沙「着替えるね〜〜」
僕「そうだね、買い食いに思われるとまずいからね」
目の前で脱ぎ出す雪沙ちゃん!
ちゃんとファーストブラつけてるんだなあ、
シャツだっていい胸なのに・・って、なんでここで脱いでるんだ!?
僕「なんでここで着替えるの!?」
雪沙「はやく行きたいから〜・・・んしょ〜」
僕「だからって・・・」
雪沙「あとね〜〜・・・サービス〜〜」
僕「サービスって!!」
昨日、取り込んで畳んだまま僕の部屋に置いてある雪沙ちゃんの普段服を着る、
かわいらしく、あどけない仕草で・・・それにしても、意味わかって言ってるのか!?
雪沙ちゃんくらい幼い、小5でもさらにまだ未発達な体を見せられても、サービスになんて・・・
ならない、とは言い切れないことも無いことはないんだな、これは・・・ふう。
雪沙「ん〜〜と〜〜〜」
なんだ?棚の低い引き出しから雪沙ちゃん専用の、
ベビーパウダーの箱を取り出して・・・パウダーの中に指を・・・
雪沙「今日は・・・ろっぴゃくえ〜ん!」
僕「なぬっ!?そんなところに!!」
パウダーの底に小銭を隠していた!
へそくりか!?そういえばサイフ持って無いって言ってたよな、
じゃらじゃらポケットに入れて持ち歩くのは危険だって注意したんだっけ・・・
雪沙「いこっ♪」
僕「うん・・・行こう」
パウダーまみれだった小銭を軽く吹いて払い、
スカートのポッケに入れて玄関へ・・・甘い匂いが鼻をくすぐる。
雪沙「おにぃちゃんも、お金持った〜?」
僕「うん?そうだね・・・よし、持ったよ、じゃあお菓子買いに出発!」
雪沙「しゅっぱつ〜〜〜」
玄関を出ると、幼い手がきゅっ、と僕の手を握った。
雪沙「えへへ〜〜、なかよし〜〜」
僕「うん・・・」
は、恥ずかしいっ・・・
大学生にもなって、ハタチにもなって、
こんな小学生の女の子と手を繋いで外へ出るなんて・・・
エレベーターに入り1階のボタンを押す。うーん、どのタイミングで手を離そう・・・
このまんま街中出たら、変な噂でもたてられかねない・・・でも、それどころか僕の家に寝泊りしてるんだし・・・
・・・・・1階について外へ出る、
正面玄関は恥ずかしいから自転車置き場のある裏口へ・・・
雪沙「おにぃちゃん、駄菓子やさんの場所、知ってるの〜?」
僕「知らないけど・・・」
雪沙「だって〜、こっち近道だよ〜」
そうなのか、じゃあ都合がいいや。
・・・そうだ!バイクに乗って行けば手を繋ぐ心配も・・・
いや、雪沙ちゃんのヘルメットが無い・・・うーん、どうしよう・・・
雪沙「あ〜、ママ〜〜」
僕「え!?うわっ!」
ビッグマザーがあらわれた!
雛塚母「仲いいわね〜〜〜、ほんとに」
僕「いや、あの、その、これは・・・」
雪沙「うん〜、なっかよしだよ〜〜〜」
僕にぴたっ、とくっついて仲の良さをアピール!
雪沙ちゃん、大胆というか・・・手を握る力も強くなったみたいだ。
雛塚母「うちの娘たちが役に立ってるみたいね〜」
僕「あ・・は・・・はい・・・とっても・・かなり・・・」
雛塚母「もう2人、雪沙より下の娘がいるんだけど・・・それも手伝いに行かせてもいいんだよ?」
ニターと醜い魔女みたいな笑み・・・こわひ・・・
僕「いえいえいえいえいえ・・・3人で・・い・・いっぱいいっぱいです・・・」
雛塚母「あら、残念ね・・だったら・・・雪巳も雪菜も雪沙も、ずーーーっと手伝わせてもいいんだよ?」
僕「そんな!約束は一応、夏休みいっぱい、まで・・・」
雛塚母「なんなら、好きなの貰ってくれるとありがたいんだけどねっ!」
僕「貰って、って・・!?」
何とも言えないビッグマザーオーラ・・・見えない波動に押し込まれるううう!!
雛塚母「雪沙、おまえ、もう戻ってこなくてもいいんだよ?このお兄さんの家の子になっちまいな」
雪沙「ええー!?」
僕「そんな!!」
酷い事を・・・本人の前で、戻ってこなくてって・・・捨てる気か!?
雪沙「でも〜、だって〜、ゆきさね〜〜、えへへ〜〜、やぁ〜・・・」
か、体をくねくねさせて、てれてれしてる!?
あきらかに、恥じらいの行為・・・嫌がったり悲しんだりするどころか、
これは・・・思いっきり照れて、喜んでいる!?なんちゅう反応だ・・・!!
雛塚母「雪巳や雪菜にもそう言っといて!」
僕「僕が、ですか!?」
雪沙「や〜!お兄ちゃんのお嫁さんは、雪沙だも〜〜ん」
ぎゅううっ、と全身で抱きついてくる!!
ははははは、はずかしい〜〜〜!しかも母親の前で!!
雛塚母「そういうことだからねっ!ワカッタラデテケー!!」
僕「は・・はいっ」
雪沙「あ〜、おにぃちゃん待って〜〜〜!!」
裏口から外へ・・・
はぁ、はぁ・・・なんか異常に焦っちゃった、
やっぱり、やましい事があるからか?いや、やましくなんかは・・・
雪沙「つかま〜えたっ♪」
ぎゅうっ、と腕を組んできた!?
僕「あ、ごめん、急に走っちゃって」
雪沙「ね〜おにぃちゃん、ほんとにゆきさ〜、もらってくれるの〜?」
僕「ええっ?そんなこと、言ってないよ」
雪沙「だって〜、ママに、はい、ってさっき言ってたよ〜?」
僕「い、いや、あ、あれは・・・」
つい、言っちゃった言葉であって、別に約束は・・・
僕「あれは、出てけって怒鳴られたから、出て行くっていう意味で・・・」
雪沙「わかったらでてけー、って言ってたよぉ〜?ママは〜」
僕「その・・・雪巳や雪菜にも伝えて、って言われた言葉に、だよ」
雪沙「え〜〜〜?ごまかしてな〜い〜?」
僕「ごまかしてないっ!」
ふう、小5とはいえ、結構するどいというか、かしこいというか、なんというか・・・
雪沙「こっちだよ〜〜」
僕「わかったわかった」
腕を組み合ったまま、ぐいぐい引っ張られる。
・・・ああ、これで雪沙ちゃんがあと8歳年をとってたらなあ・・・
ガラガラガラ

雪沙「こっこだよ〜〜」
僕「へえ、まだこんな古風な駄菓子や、あったんだ」
雪沙「どれにしようかな〜〜」
リングチョコを手に取る、懐かしいなあ・・・
うまい棒も種類揃ってるし・・・ん?いつのまにか雪沙ちゃんの背後に、
ランドセル背負った少年が・・・雪沙ちゃんの服の端をつんつんと引っ張ってる!?
雪沙「あ〜〜!なりゆきぃ〜〜」
也幸「・・・・・」
僕「え?・・・・・あ、弟!?」
僕と目が合うと、口に指を入れたままサササッ、と雪沙ちゃんを楯にして隠れる。
雪沙「いつのまに〜〜〜?」
也幸「・・・・・・・・」
雪沙「帰りにゆきさ見たからついてきちゃったんだ〜〜」
コクコク、と薄くうなずいている・・・
そして、雪沙ちゃんが持ってる駄菓子をじーーーっと見つめる。
雪沙「だ〜〜〜め!これはゆきさの、おきゅうりょうで買ったの〜〜」
也幸「・・・・・・・」
雪沙「そんなこと言っても、あげな〜〜い」
ええ!?也幸くん、何にも喋ってないような・・・
こっちじゃ聞こえないくらい小さな声なのか、それともまさかテレパシー!?
也幸「・・・・・・・・・・」
雪沙「だって〜、なりゆき、ガッコの帰りだよ〜?買い食いになっちゃうよ〜?」
也幸「・・・・・」
雪沙「一度帰ってもダメ〜!そのときはもうここにいないから〜〜」
也幸「・・・・・・・」
ぐいぐいぐいぐい雪沙ちゃんの服を引っ張る強さが増してる、
あれじゃあせっかく買ってあげたのに、伸びちゃうよ・・・う〜〜ん・・・
僕「50円くらい、あげたら?」
雪沙「や!だって〜、おにぃちゃんがくれたんだも〜ん」
僕「そうか・・・じゃあ僕が」
サイフから100円玉を出して也幸くんの方へ・・・あ、また隠れちゃった
雪沙「え〜?でも、買い食いになっちゃうよ〜?」
僕「そうか・・・じゃあ、雪沙ちゃんが也幸くんの選んだのをこの100円で買ってあげて運んであげればいいじゃん」
雪沙「ん〜〜〜・・そっか〜〜、おにぃちゃん、あたまいい〜〜」
100円を雪沙ちゃんが受け取る。
也幸「・・・・・」
僕の視線から逃げるようにお菓子を選び始める也幸くん、
笛ガムに、うまい棒に、コーラ餅・・・これでもう50円か。
さらに、ミニミニヨーグルト、キャベツ太郎、フェリックスガム・・・
90円分選んだ所で、残り10円分を何にしようか悩んでるみたいだ。
雪沙ちゃんも負けじとお菓子をあさる・・・こっちは60円ジュースとか遠慮なく買ってる。
僕「じゃあ、買うかな・・・おみくじガムを・・・・・お、この色は・・ハズレか」
雪沙「おにぃちゃん、一緒にメロンアイス買お〜よ〜」
僕「へ?一緒にって?」
雪沙「50円づつ出して、はんぶんこするの〜〜」
僕「はは、かわいいなあ・・・だったら4つ買うからみんなに1つずつあげるよ」
・・・・・あれ?雪沙ちゃん、ちょっとむくれた?
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