誰だろう?雪菜ちゃん雪沙ちゃんはまだ今日まで給食あるからまだ授業中だろうし、
そもそもその2人ならいちいちベル押さなくても入ってこれる・・・美鈴さんだってそうだし、
他に考えられるのは管理人さんか、雛塚家の家族か・・・変な勧誘か。勧誘なら雪巳ちゃんどうするんだろう?
僕「そっちは・・・ネズミーリゾートトレイン・・・何だろうね?」
僕「紙もいっぱいある・・・ホテル宿泊の確認証と・・あれ?別で封筒が入ってる」
僕「待って!・・・保護者の方へ、ってあるから、僕しか見ちゃいけないみたい」
その間に胸元でその秘密の封筒を開ける・・・中は・・・駐車場の案内か、関係ないや。
後は料金の支払い方法・・・クレジットにすると手続きはチェックインの時だけで済むみたい、
いちいちチェックアウトしなくて済む・・・それに、これは・・・キャラクター訪問サービス???
あなたのお部屋にネズミーやミミー、ダックンやブーブーベアーが・・・1キャラクター3万円!!!
・・・・・の所をスポンサー様は1万円、って凄い商売してるなあ、さすがネズミーランド、殿様商売してるよ。
ご希望のキャラクター名、合計数、合計料金、訪問日時をこの紙に書いてフロントへ、か・・・うーん、値段が高い・・・
でも、雪巳ちゃんたち、喜ぶだろうなーーー・・・一生に一度の良い思い出になるに違いない・・・うまく心理を突いてるなぁ。
僕「え?いや、料金についてとか、支払い方法とか、あと駐車場のこととか」
僕「えっと・・・さあ、どこだっけ?まあ、当日までのお楽しみで」
本当なら3万円なのが1万円で済むんだし、ここまできたらお金を渋ってる場合じゃないし。
・・・・・ひょっとして俺、ネズミーランドの手のひらの上、か?
ランドセル背負ったまま・・もうそんな時間か、って入ってくればいいのに。
階段下のドアも開けて・・・雪菜ちゃんは・・・エレベーターの前だ、
降りるボタンを押して待ってる、僕はその隣に立って一緒に乗り込む。
何がどうしたのか気になるけど、とにかく今はついていくしか・・・
エレベーターが1階につくと、エントランスから外へ向かって歩く見覚えのある男性の姿が・・・!!
雛塚父「そうかそうか、うちの事は何も心配いらないから、しっかりやるんだぞ」
あんな顔、僕に見せた事ないや・・・やっぱり血のつながりには勝てない。
・・・・・そうだ!今しかない!このチャンスしかない!今こそ、許可を貰う絶好のチャンスだ!
僕「あの、それで、来週、雪巳ちゃんと雪菜ちゃんと雪沙ちゃんを、遊園地に連れて行こうと思っているんです」
僕「ああっ、そんなにぺこぺこしないで・・それで、遊園地の近くのホテルに、娘さんたちと一緒に宿泊したいんですが」
雛塚父「どうぞどうぞ、雪菜、しっかりこのお兄さんの世話をするんだぞ」
雛塚父「私なんか、そういう事をまったくしてやれなくって・・・本当に感謝します」
ペコペコバッタになってるお父さん、こっちがお礼したいくらいなのに。
僕「・・・一応、お母さんの方にも話をしておいた方が・・・いいですか?」
雛塚父「いえ、それはしない方がいいでしょう、お土産とか他のも連れてけとかうるさいでしょうから」
雛塚父「ウチの事は私が責任持ちます!何なら一筆入れましょうか」
どれもボロボロ・・・その中に1冊だけあるまだ新しいノートを出して、
僕「えっと・・・夏休みの間、自由にどこへ連れて行っても宿泊してもかまいません・・・雛塚勲・・・名前もありますね」
雛塚父「ええ、貴方の名前も入れておきましょう、そうすれば問題ないはずです、失礼、お名前は・・・?」
雛塚父「どこへ連れて行ってもかまいませんので、どんどん連れて行ってやってください」
僕「わかりました、とにかく娘さん達が悲しむような事は絶対に無いようにしますから」
雛塚父「よろしくお願いします・・雪菜も、ちゃんと頭を下げて!」
雛塚父「それでは私はこれで・・・よろしくお願いします・・・」
ふうっ、酔って無いときはあんなに腰の低い良い人なのになあ・・・
本当、お酒の魔力って恐いや・・・さて、これで親からの公認を貰ったぞ!!
雪菜「お兄ちゃん・・・ネズミーランド・・・行けるよ・・ね?」
僕「あっ、うん!ありがとう!そっか、このために『待って』って言ってたり急がせたり・・・」
いつのまにか雛塚家の、雪巳ちゃんたちの弟かな?おとなしい感じの方の・・・
雅幸「ゆきなねえちゃん・・・やくそくどおり・・・教えたよ・・・」
雪菜「だめ・・・500円あげたよね・・・それが全部だから・・・」
シラフ状態になったらって・・・そのために1人に500円も・・・!!
雅幸「・・・・・広幸お兄ちゃんたちに、取られちゃったもん・・・お金・・・」
雪菜「・・・・・・・・・・うそついてるでしょ・・・うそついてる・・・」
雪菜「取られたの・・・たかゆきたちだけだよね・・・うそは、だめ・・・」
雅幸「だって、だって・・・僕も・・・行きたいから・・・教えたのに・・・」