ナレーター「夏のネズミーランドは楽しいぞお!」

 

♪東京ね〜〜ずみ〜〜〜〜ら〜〜〜〜〜んど♪

 

ナレーター「ネズミーシーも毎日開催中!みんな集まれ〜!!」

 

なんだ、ネズミーランド&シーのCMか・・・

 

雪沙「たのしそ〜〜」

雪菜「・・・・・いいなあ」

雪巳「いつか行ってみたーーーい」

 

すごいな、CMひとつで三姉妹の目は釘付けだ、

パンフレットも投げ出されちゃってる・・・そうか、ネズミーランドか、

小学生の時に学校の行事で1回行ったっきりだな、シーは未経験・・・

行ってみたい気はあったけど男1人で行くもんじゃないし、

かといって誘う人なんていなかったから・・・僕もなんだか行きたくなってきたぞ。

 

僕「ネズミーランド・・・行きたい?」

雪巳「うんー!」

雪菜「・・・・・いきたいけど・・・」

雪沙「まさか〜〜!」

僕「・・・・・夏休みの宿題を海の日までに全部終わらせたら、連れてってあげよう!」

 

・・・勢いで言っちゃった!

 

雪沙「やるやるやる〜〜!」

雪菜「・・・・・いいの?」

雪巳「ほんとにー?ほんと?ほんとー?」

僕「うん、海の日までに終わったらね」

 

そうだな、本当にそれだけ頑張って宿題終わらせたら、連れていってあげよう。

 

雪沙「やくそくだよ〜?ゆびきり〜!」

僕「はい、ゆびきりげんまん」

雪菜「・・・・・今から、宿題やります・・・」

僕「もう配られてるの?」

雪巳「私も今夜は夜更かししてやるー」

僕「こら!明日学校じゃん」

 

えらい喜びようだな・・・

 

僕「あ、でも・・・」

雪菜「・・・どうしたの?」

僕「いや、2つ心配が。チケット取れるかなーっていうのと・・・」

雪巳「夏休み終わってからでもいいよー?」

僕「あと・・・遠くに連れ出すなら、君たちのご両親に許可貰わないと」

雪沙「へ〜きだよ〜」

僕「いやいや、そうはいかないよ、小学生連れ出すんだもの」

 

最近、少女の連れ去り事件が多発してるからな・・・

いくら一緒に住む許可が正式に出てるとはいえ、こういう事は慎重に・・・

 

雪菜「・・・・・パパとママは・・・なんとか、するね・・・」

僕「雪菜ちゃんが!?」

雪菜「うん・・・」

雪沙「おにぃちゃんも宿題てつだってくれる〜?」

雪巳「駄目だよー!私が手伝うからー」

僕「まあ、がんばって」

雪菜「・・・・・がんばる・・・です」

 

実は僕も楽しみになってきたぞ・・・

 

僕「でも、海の日までに全部できる量なの?」

雪巳「21日だよねー?できるよー」

雪菜「あ・・・自由工作だけ・・・時間かかっちゃう」

雪沙「ゆきさは絵だからできるよ〜」

僕「じゃあ、自由工作だけは夏休み期間中でいいや」

 

それより僕にも宿題が出来たぞ、

ネズミーランドのチケット手配に、

ご両親の許可・・・あのビッグマザーに何て言おう・・・

 

雪巳「旅行はどうするのー?」

僕「あ、一人旅?うーん、考え中。でもネズミーはこれとは別だから」

雪沙「ぜった〜い、宿題終わらせるね〜」

僕「うん、僕も行きたいから、期待してるよ!」

雪菜「・・・うれしい・・・お兄ちゃん・・・」

 

また、体をぴとっ、てくっつけてくる!

 

僕「待って待って待って!嬉しいかも知れないけど、感謝はネズミーに行けてから、ね?」

雪巳「わかったー」

雪菜「・・・・・はい」

雪沙「は〜〜〜い♪」

 

インターネットで少し調べるか・・・

 

 

 

 

 

カタカタカタ・・・・・

 

僕「すごいなぁ、ネズミーシーの中にホテルがあるのか・・・」

 

でも、どの日も満室みたいだ・・・

いや待てよ?うちの兄の会社関係が、

確かネズミーランドのスポンサーだったとかなんとか・・・

そういえば美鈴姉さんが、ネズミーランドの優先特権持ってるとか何とか。

電話・・・って程でもないからメール送っておこう、タイトルは「ネズミーシーで1泊したい」と・・・

 

雪菜「・・・お兄ちゃん」

僕「わ!びっくりした、どうしたの?」

雪菜「晩御飯作った・・・です」

僕「もうそんな時間か、わかった、行く」

雪菜「それ・・・ネズミーランド?」

僕「あ、そう、ネズミーのホームページ。チケットは明日にでも買えば間に合うみたい」

雪菜「・・・・・ほんとにつれてって・・・もらえる・・です・・か」

僕「みんなが夏休みの宿題全部終わったらね」

雪菜「・・・・・・・・・・うん」

 

コクン、とうなずいた・・・

雪菜ちゃんがネズミーランドで、めいっぱい楽しむ姿を見てみたいなぁ・・・

などと考えながらみんなのいる食卓へ・・・今日はえらく凝ってるなぁ

 

雪巳「お兄ちゃん、今日の料理はすごいでしょー」

僕「うん、どうしたの?一体」

雪巳「貰ったおこづかいで料理の本を買ってきたのー」

僕「それでか・・・このギョウザ、手作り?」

雪沙「そうだよ〜、ゆきさも手伝ったんだから〜」

僕「えらいえらい、この大根と山菜のサラダも雪沙ちゃん?」

雪沙「そうだよ〜、サラダ作るのだいすき〜」

僕「よし、じゃあ食べよう!いただきます!」

雪巳「いただきまーーす!」

雪菜「いただき・・・ます」

雪沙「いた〜だき〜ます〜!」

 

もぐもぐもぐ・・・うんま〜〜〜い!!!

 

 

 

 

 

・・・・・ふう、お風呂サッパリした・・・

部屋に戻ると3姉妹がテレビも見ずに宿題やってる、

夏休みの宿題か、早速・・・みんな一生懸命になって解いてる。

 

僕「みんなの部屋でやらないの?」

雪巳「あそこテーブルないしー」

雪菜「ここだと辞典が・・・あります・・・」

雪沙「おにぃちゃんがいる部屋で勉強した〜い!」

僕「じゃあ、邪魔しないように漫画でも読んでるよ」

 

・・・・・テーブルのある部屋は他にいくらでもあるのに。

 

雪沙「かいぶん、むずかしいよ〜」

雪巳「見せてー・・・とまと、しんぶんし・・あと7文字が書いてないねー」

雪沙「9文字は書けたよ〜、わたしまけましたわ」

雪菜「・・・11文字も空白」

雪巳「7文字の回文・・・何があるかなー」

 

小5の宿題はそんなものまであるのか・・・

 

僕「たけやぶやけた、は?」

雪沙「おにぃちゃん、かしこ〜い!」

雪巳「それ、貰おうよー」

雪沙「うん!おにぃちゃんありがと〜」

雪菜「11文字・・・どうするの?」

 

11文字の回文ねえ・・・

しんぶんしはしんぶんし、

これじゃイカサマか・・・何かあるかな・・・

 

雪菜「・・・ニワトリと小鳥とワニ・・・」

雪巳「すごーーーい!」

雪沙「に・わ・と・り・と・こ・と・り・と・わ・に〜・・・できたぁ!」

 

すごいな雪菜ちゃん・・・

これって学校の勉強以上の能力を感じるよ・・・

いや、これくらい普通なのか?今時の小学校では・・・?

 

僕「あんまり夜更かししないように、ね・・・」

 

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