大学が終って家に帰ってきた、

早めに抜け出してまだ6時半にもなってない。

バイクを駐輪場に止め・・・あ、僕の自転車、空気がパンパンに入ってる!

無事終ったみたいだな、そして帰ってきている・・・エレベーターに乗って上へ・・・

19階で暗証番号を押して鍵をあけて・・・階段を上がって玄関の鍵も開けて、っと・・・

 

僕「ただいまー」

雪沙「おかえりなさ〜い!デパートデパート〜〜!!」

僕「はは、ずっと玄関で待ってたの?」

雪沙「ううん、さっきまでテレビでまんが見てたよ〜」

僕「アニメか・・・じゃあ、すぐ行こうか」

 

すでに雪沙ちゃんはお出かけ用のTシャツとスカートを履いていた。

あ、雪菜ちゃんや雪巳ちゃんもお出かけ服に・・・みんな待ちどうしかったんだな、

昨日買ったばかりでその場で着なかった服で着飾って・・・

雪巳ちゃんは吊りシャツにデニムのミニスカート、あいかわらず胸がぼいーん・・・

雪菜ちゃんは白いキャミソール、清潔感がある・・ヒビが通ったままの眼鏡さえなければ・・・

 

僕「じゃあ、すぐ行けるよね?」

雪巳「うんっ!ばっちりー」

雪菜「電気消してくる・・・」

雪沙「ゆきさ、ハンバーグたべたぁ〜い」

僕「ハンバーグでいいの?僕はいいけど・・・」

 

雪巳ちゃんが何か取り出した?

 

雪巳「はい、おつりー」

僕「あ、自転車の?3千円・・・」

雪巳「修理、千円でいいってー」

僕「そうなんだ、ずいぶん乗ってなかったからなあ・・・」

雪菜「電気消してきた・・・」

 

エレベーターに乗って下へ・・・

 

雪巳「あ!またー・・・」

僕「え?・・・あ、雛塚父!」

雪沙「パパ〜〜〜!」

僕「ええっ!?」

雪菜「・・・・・大丈夫です、ほら・・・」

 

雪沙ちゃんの頭をなでる雛塚父、

暴れる様子は無い・・・ひょっとして・・・シラフ?

 

雛塚父「あ、こんばんわ、あなたが娘たちの世話をしてくれてるようで・・・」

僕「はい、こんばんわ・・・その、世話をして、もらってます」

雛塚父「ははは、使えない娘たちですが、どうかよろしくお願いします」

 

ぺこり、とおじぎされた・・・

なんだ、普通の紳士じゃないか、

お酒が抜けていれば・・・

 

雪巳「今からデパート行くのー」

雛塚父「良い服買ってもらったなー、失礼のないようにするんだぞ」

僕「あの・・・夏休み終るまで、一緒に住みますから・・・」

雛塚父「妻から聞いております、押し付けてしまったようで申し訳ない」

僕「ああっ、そんなにぺこぺこしないで・・・」

 

お酒が無いと、すごく気が弱そうだ。

 

僕「よろしいんですか?娘さんたちを、その・・・」

雛塚父「ええ、うちとしては問題ありません、お任せします」

雪菜「・・・パパ、私たちは心配しないで・・・」

雛塚父「ああ、粗相のないようにな」

僕「あの、あらためてご挨拶を・・・」

雛塚父「いや、いいでしょう、うちの妻がうるさいでしょうから」

僕「はい、わかりました・・・」

 

何度も何度も頭を下げながらマンションへ入っていった・・・

素だとあんなにいい感じの人だったんだなあ、別人のようだ・・・

でもこれで心配していた、僕の「直に親から再確認」が出来てよかった。

 

雪巳「デパート、バスで行くのー?歩きー?」

僕「あ、丁度きた、タクシー!」

雪菜「はじめて乗るー・・・」

雪沙「あいたぁ〜!中がすずしぃ〜!」

僕「じゃあ僕が助手席ね」

 

しばらくしてデパートについた。

 

雪沙「ごはんごはん〜」

僕「まだまだ。レストラン街は夜10時までやってるけど普通のお店は8時までだから」

雪巳「雪沙ー、もうちょっと我慢だよー」

僕「確か靴屋は・・・こっちこっちこっち」

雪菜「買って・・・もらえるの?」

 

雪菜ちゃんはいまだにまだちょっと信じられない様子だ、

ここまで、昨日服とか買ってあげたりしたのもまだ夢の中での出来事なのだろうか・・・

そう思うとやっぱり不憫でならない、早く買って安心させてあげよう。

 

僕「ちゃんとサイズ合わせて!一人2足までだから」

雪沙「これとこれがいい〜」

雪菜「ゆきさ・・・ちょっと大きめ買った方がいいよ」

雪巳「じゃー、1つ運動用で1つお出かけ用のにするねー」

僕「値段は気にしなくていいや、子供用はそんなに高いのないから」

 

とはいえ雪巳ちゃんが今、手にしたスニーカーは6500円・・・

うーん、いかに子供を持つ親が出費多いかよくわかる。

しかも雛塚家は大家族だから・・・ド貧乏になるはずだよ。

 

雪沙「もうきまったよ〜〜」

雪菜「・・・丈夫なのにしないと、お母さんに怒られちゃう・・妹たちが将来履くからって・・・」

雪巳「わあー、履いたら身長が伸びたみたいになっちゃうー」

 

どうやら3人とも決めたようだ。

 

僕「じゃあ会計済ますから履き替えて。前の靴はボロボロだから捨てる?」

雪沙「ううん〜、いも〜とにあげるぅ〜」

雪菜「捨てたら・・・お母さんに怒られる・・・」

雪巳「持って帰るよー」

僕「ええ?これをさらにまた妹とかに?」

 

・・・・・ひどいなあ、

かといってその分までまた買う訳にはいかないし。

 

僕「わかった、袋に入れてもらうよ」

雪巳「うん!ありがとー」

雪菜「たすかる・・・」

雪沙「ほんとだ〜、くつが高い〜〜せが高くなるぅ〜」

 

 

さあて、次に行くのは、っと・・・

お、とりあえずあそこへ行ってだな・・・

 

 

僕「あそこ、どう?」

雪沙「かみかざり〜?」

雪菜「小物がいっぱい・・・」

雪巳「イヤリングとかヘアバンドがあるー」

僕「えっと、じゃあまずそこで雪沙ちゃんと雪巳ちゃん、好きなの選んでて」

 

雪菜ちゃんの方を見る。

 

僕「雪菜ちゃんだけは、こっちこっち」

雪菜「え・・・?なあ・・・に?」

雪沙「ゆきなおねえちゃんだけどこいくの〜?」

雪巳「雪沙!邪魔しないのー!」

僕「しばらくしたら戻るから、ここ離れないでね」

 

雪菜ちゃんを連れて他の店へ・・・

何だかとまどってる、でもちゃんとついて来る・・・

ここを曲がったあっちに・・・あそこだ!!・・・

 

僕「はい、眼鏡屋さん」

雪菜「・・・わぁ」

僕「ずっとその片方ヒビが通った、割れた眼鏡じゃ困るでしょ?」

雪菜「でも・・・眼鏡、高い・・です」

僕「だからって無いと大変だよ、さあ作ろう」

店員「いらっしゃいませ」

僕「この子のレンズ、新しいの欲しいんだけど」

店員「それでは視力を合わせさせていただきます、こちらへどうぞ」

僕「さ、雪菜ちゃん、行っておいで」

雪菜「うん・・・あ・・・一緒に・・・来て」

店員「お兄さんもどうぞ」

僕「じゃあ・・・つきそいで」

 

奥の部屋へ入り、視力検査と調整をする・・・

そんなに時間がかからず、仮のレンズを次々と合わせてベストの眼鏡を作る。

 

店員「・・・これでどうですか?」

雪菜「これで・・・これが一番合ってます」

店員「じゃあ、古い眼鏡からずいぶんと目が悪くなってますねー」

僕「そんなに合ってなかったんですか?」

店員「ええ、全然。ずっとぼやけてたと思います」

雪菜「目が・・・すごく良く見える・・・嬉しい!!!」

 

思わず声をはりあげている!

そんなに嬉しかったんだ・・・

目が悪くない僕にはよくわからないけど、

やっぱり違うものなんだろうな、表情でわかるよ。

椅子から降りてあたりをキョロキョロ・・僕の顔を見て赤くなった!?

 

店員「ではレンズとフレームを選びましょう」

僕「はい・・・雪菜ちゃんも」

雪菜「どれでもいいです・・・」

 

店舗へ戻って眼鏡の相談をする。

 

店員「安さではガラスですが壊れにくさではプラスチックですね」

僕「この割れてる、前のレンズはガラスですか?」

店員「そうです、プラスチックはこんなヒビは入りません」

僕「じゃあ、とびきり丈夫なプラスチックで」

店員「それでフレームですが・・・」

僕「前のこれは繋げただけですよね?」

店員「ええ、フレームのにすれば安定しますし折れにくいです」

雪菜「・・・・・これがいい」

僕「この黒くて細いの?」

雪菜「うん・・・安そうだから・・・」

店員「形状記憶合金ですね、この値段になります」

僕「うわ!高い!」

雪菜「やっぱり・・・いいです」

 

もどる めくる