一旦置いてガマ口を開け、ビクッ!とする、もう20円しかない!
どうしよう・・・汗がタラーと流れる。実際はSUICAで乗れるのだが也幸くんはそれを知らない。
美鈴「リュックも詰まってるみたいね・・・いいわ、車で送ってあげる!」
美鈴「そのパスは・・・猫猫園!?一人で!?怖い事させるわねー」
・・・くちゃくちゃと買ったばかりのお菓子を食べているうちに、
車はあっという間にマンションについた、美鈴ねえさんがトランクから何か探してくれている。
美鈴「待ってね・・・はい紙袋、これにそのお菓子を詰めなさい」
美鈴「あ!そのローションは私のよ、最初からあったでしょ?今夜使うんだから」
美鈴「まあ、あの子たちにあげるのもいいわね・・・今度持って行ってあげましょ」
画面ではおっぱいのおっきな水着のお姉さんがクネクネと踊っている。
雅幸「雪香姉ちゃんは・・・もうちょっとかかる、遅れるって・・・」
隆幸「雅幸にーちゃんが寿司ばっかで飽きるって言うから、コロッケ買いにスーパー寄るってー」
雅幸「だってほんとに飽きてきたもん・・・也幸はまた何を持ってきたの・・・」
雅幸「パンもいっぱい・・・チョコもガムも・・・グミも・・・」
その反応に満足した也幸くんは再び外へ・・・エレベーターに乗っかる。
すご〜〜くえっちな漫画・・・三姉妹がお兄ちゃんにしたエッチな事は、
ここに来て早いうちに見つけたこの大量のエロ漫画が参考書になっていた、
描いてある内容は刺激が強すぎた反面、なぜか男の子が犯される話が多く、
三姉妹はきっとお兄ちゃんはこんな風にされたいのだろう、と純粋に想い、遂行した・・・恐ろしい話である。
お兄ちゃんをどうやってロリロリ肉地獄に落とすかの方が大事なようだ。
大冒険を成し遂げた也幸くんは少し大人になった事を報告しようとソヨカゼを探す。
てけてけと近づくとソヨカゼが顔を上げる、じーっと也幸くんを見つめる・・・
返事をしてくれたソヨカゼ、でも、いつものような心の言葉が浮かばない!
あせりながら頭を、背中をなでる・・・気持ち良さそうなソヨカゼ・・・そして・・・
ソヨカゼ「ふにゃぁ〜〜〜・・・(坊主・・・そろそろのようじゃ)」
ソヨカゼ「にゃにゃ・・・(坊主とワシが話ができるのも、もうお終いのようじゃわい)」
ソヨカゼ「にゃう・・・(坊主、坊主は今日でひとつ大人になった、新しいことを覚えるには古いものは消えるもんじゃよ)」
也幸「ーーー??(それって、ねこのことばをわすれちゃうってこと!?)」
ソヨカゼ「ふぁぁ・・・(そうじゃ、人間の言葉を話せるようになるには、猫と話せる能力を捨てなくてはならぬ)」
也幸「!!!(そんなー!ぼくいやだよー!もっとソヨカゼのおじいちゃんと、おはなししたいよー!)」
慰めるようにソヨカゼはやさしくしっぽで也幸くんの手を撫でる・・・
ソヨカゼ「にゃにゃにゃ・・・(いいんじゃよ、人間は人間と話すべきじゃ、大人になるには失わなければならない物もある」
也幸「・・・(ソヨカゼ・・・ソヨカゼはもう喋ってくれないの!?)」
ソヨカゼ「ぐるぐるぐる・・・(喋らなくとも、気持ちは伝わる・・・今まで坊主が人間と接していた時のように、な)」
也幸「・・・・・(わかった・・・ソヨカゼのおじちゃん・・・ぼくにいま、なにかいいたいことはある?)」
ソヨカゼ「うにゃうぅ(そうじゃな、坊主、そのやさしさをいつまでも持っておくのじゃぞ、ワシからの最後の教えじゃ)」
雪沙「おにぃちゃんおかえりぃ〜・・・なりゆきもおかえりぃ〜」
雪菜「也幸・・・お兄ちゃんにSUICA・・・カード返してあげて・・・」
雪巳「晩御飯できてるよー、食べ終わったらお風呂入れてあげるねー」
お腹を空かしていつも寂しそうに鳴いている猫を保護する施設を作ろう!
勉強して高校を出たら、そういう仕事について、猫も人もみんなが笑顔でいられるように・・・
大冒険をやり遂げた也幸くんなら、きっと、きっと・・・それが現実になるのは15年先の事であった。
雪沙「なりゆきもたべるよね〜、ソヨカゼもごはんはやくこっちぃ〜」