僕「これで・・・いいですね」

 

最後に朱肉で拇印を押すと、

雛塚のお父さんがまじまじと見直している。

それをビッグマザーが取り上げ、大事そうにエプロンへしまった。

 

雛塚父「間違いありません、ありがとうございます」

 

約束を結んだ内容はこうだ、

僕は雛塚雪巳、雛塚雪菜、雛塚雪沙と互いの両親公認で婚約をする。

お昼に実家で婚約する事になったって言ったら、父も母もあっけにとられたが、了承してくれた。

そして婚約者の一番下、つまり雪沙ちゃんが結婚できる年齢、すなわち16歳になったその日に、

三姉妹のうち誰か1人と、すみやかに婚姻届を出して、結婚する・・・もちろん婚約した今日の時点から、雛塚家は僕の身内とすること。

 

雛塚母「もうアンタはウチの親族なんだから、しっかりやるんだよっ!」

 

はは、ビッグマザーからすれば、僕が新しい婿として親族に入ったって感じなんだろうな。

 

僕「それでは管理人業務の方、お願いします」

雛塚母「任せておきなっ!さ、アナタ、いくよっ!」

雛塚父「はい、ではこれで・・・本当に申し訳ありません」

 

威張って出て行くビッグマザーと、ぺこぺこ謝りながら出て行く元バーサーカー。

いや、もう僕の、義理の母と父なんだ・・・見事にはめられちゃったけど、結果的にこうなった以上、しょうがない。

 

僕「美鈴ねえさん、逃げるように帰って行っちゃったよなぁ・・・」

 

結局、美鈴ねえさんは三姉妹の味方だったみたいだ、結果論かも知れないけど。

ねえさんによると僕がもし三姉妹の最後の賭け、ハニートラップに引っかからなかったら、

雛塚家はみんな夜逃げしていたらしい、でも僕が罠に落ちる可能性は80%と踏んでいたとか・・・結果的に当たってる。

今にして思えば、キャバレー部屋でワインを勧めてきた時から罠は始まっていたんだろうな、美鈴ねえさんの入れ知恵もありそうだ、

結局、夜中にあんな形で飲まされて、あとはもう・・・でも、そこまでの流れに持っていかれた時点で僕の負けだ、それは素直に認めよう。

 

雪巳「お兄ちゃん晩御飯できたよー」

雪菜「お兄ちゃん・・・これからずっといられて・・・嬉しい・・・です」

雪沙「おにぃちゃんこんやはこんやくしたおいわいでごちそぉだよぉ〜」

 

笑顔の三姉妹・・・心のそこから僕を愛してくれている、それは間違いない。

確かに30日のあの夜、願い星に「僕はどうなってもいいからみんな幸せに」と願った、31日の夜は背中を押して欲しかったとも言った、

だからハメられたとはいえ、強引にでも背中を押されて良かったのかも・・・最初の願い、素敵な恋人が3人も手に入ったんだ、良かったと思うしか、もうないな。

 

雪巳「管理人室、広くて良かったー」

雪菜「雪香お姉ちゃんの家も・・・綺麗だった・・・です」

雪沙「もとのおうちもひろくなってびっくりぃ〜」

 

そう、雛塚のご両親はこのマンションの管理人として雇うことになり管理人室に住む。

最大の敵は味方に、いや、身内にしてしまえばたのもしいはずだ、ちゃんと働いてくれればだけど。

元の1階雛塚家は3悪兄弟が居残るが、食事は管理人室でビッグマザーの作るのを食べる感じみたい。

 

僕「後で雪香の所にも顔を出さなきゃな」

 

真面目になった雪香には9階の4LDKを与えた、

そこで稼ぎ頭の雪香が雅幸、隆幸、也幸の3人を養う、

今度は投げ出さずちゃんとやるって言ってたから任せて大丈夫だろう。

 

雪巳「お兄ちゃん、今夜いっぱい犯してあげるー」

雪菜「婚約したから・・・選んでもらえるように・・えっちもがんばる・・です」

雪沙「みすずおねぇさんから、ぱうだぁいちねんぶんもらったから、いっぱいつけっこしよぉ〜」

 

ああぁ・・・そうか、僕ももう、遠慮なく毎晩犯されちゃうんだ、

一緒に住んでるし、あれだけ夏休み期間、甘い甘い蜜を吸わされちゃったんだ、

すっかり心の底まで毒されて・・・中毒にされて・・・それはおそらく三姉妹も同じだろう。

お別れが迫ったとき、僕に「何でもする」って言ってたのは、僕のためならどんな事でもする、と同時に、

僕を手に入れるためなら、どんな手段だって選ばないっていう意味も含まれていた・・・だとしたら恐ろしい。

 

ぴんぽーーん

 

僕「あ、来た!」

 

玄関に行くと、

うんしょ、うんしょ、と荷物を手にした幼い姉妹、

今夜からメイドルームに住む、雪絵ちゃんと雪音ちゃんがやってきた。

 

雪巳「自分で入ってこれたんだー、偉い偉いー」

雪菜「鍵なくさないで・・・暗証番号、忘れちゃ駄目だから・・・」

雪沙「おふろとおといれときっちんがあるへやだけどぉ、おっきくなるまではいっしょのおふろとおしょくじにしよぉ〜」

 

☆雪絵雪音いらっしゃい☆

期待に胸を膨らませた笑顔の2人。

 

雪絵「よろしくねぇ〜」

雪音「おせわになるぅ〜」

 

この子たちも、もう立派な身内だ、やっと楽な思いをさせてあげられる。

今後はみんなで助け合っていく、その一員に僕もなれたんだ、それを良かった事と思おう。

でも、他にはもっと劣悪な環境で救いの手を待っている子供だって、きっといっぱいいるだろう。

・・・そうだ、大学を出たら児童保護施設で働こう、自分で作るのもいい、

まずはこのマンションの一室からはじめて、ゆくゆくは大自然に囲まれたのどかな場所で、

土地を安く買って、のびのびと育てられる孤児院を造ろう、それが僕の新たな夢だ。

 

ソヨカゼ「ふにゃぁ〜」

 

2人をソヨカゼも迎えて挨拶してるみたいだ、

也幸くんもちょくちょく遊びに来るだろう、もう断れない。

 

僕「じゃあ、ここはもう雪絵ちゃん雪音ちゃんの家だから、自由にくつろいでね」

 

さ、さすがに、年齢一桁には手を出さないよな僕は?

たぶん・・・うん、きっと・・・あは、あはは、ははははは・・・・・

 

雪巳「お兄ちゃーん、めでたしめでたしだねー」

雪菜「わたしたち・・・お兄ちゃんと一緒なら・・幸せになれる・・・です♪」

雪沙「だからぁ〜、おにぃちゃんも、う〜〜んとしあわせにしてあげるねぇ〜〜〜♪♪」

 

禁断のハーレムは、まだまだ続くのであった。

 

おしまい。

 

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