コンビニでは美鈴姉さんがみんなに歯ブラシを選んであげてる、

同時に歯みがきのアドバイスも・・・僕はこれから一気に消費するであろう日常品を買う。

洗剤にゴミ袋にシャンプーに・・・ティッシュ・・・変な意味じゃないぞ!!

 

美鈴「はい弟クン、歯ブラシと歯磨き粉」

僕「あ、モンダミンも買ったんですか!」

美鈴「歯は念入りにね・・・あとタオルも」

 

籠の中に入れられる。

 

雪沙「ね〜、おかし買ってもい〜い〜?」

僕「ん?いいよ、持ってきても」

雪巳「ほんとにー?」

雪菜「・・・・・私も・・・」

 

お菓子をどんどんどんどん入れられる!

ビスケット、チョコ、キャンディ、ポテトチップス・・・

・・・・・あっという間に籠の中がいっぱいになった。

 

美鈴「あーあ、こんなに・・・いいの?弟クン」

僕「ま、まあいいや・・・3人分なんだし」

雪巳「あー、私が持つねー」

 

籠を持ってくれる・・・

レジまで行って会計だ。

 

店員「4521円です」

僕「はい、5千円と21円で・・・」

 

三姉妹は手分けして袋を手に美鈴姉さんと車へ・・・

今日はえらい出費だな、でも仕方ないか・・・

僕もおつりを貰って車に乗る、あとは帰るだけだ。

 

ブロロロロ・・・・・

 

 

車の中。雪沙ちゃんはすでにお菓子を食べはじめている。

それに続いてみんなも食べようと・・・車の中が汚れちゃうよ。

 

美鈴「ちょっと、家まで待てないの?」

雪巳「あ・・はい!雪沙、やめなよー!」

雪沙「・・・は〜い」

僕「そういえばさっきの、雪巳ちゃんたちのお姉さん・・・名前なんだっけ」

雪菜「・・・雪香・・・です・・・」

僕「雪香ちゃんって、いくつくらいなの?」

雪巳「17だよー」

僕「あの子も家で寝る場所ないの?」

雪沙「ゆきかおね〜ちゃんは、かえってこないよ〜?」

雪菜「・・・・・ずっと、外泊してる・・・みたい・・・」

僕「外泊か・・・どこで寝てるんだろ」

美鈴「男の所とかじゃないの?」

雪巳「多分そー」

雪沙「すっご〜くたまにかえってくるよぉ〜、すぐいなくなっちゃうけど〜」

 

まあ、あんな家にはいたくないよな・・・

17か・・・高校は行ってるんだろうか?

さっきはセーラー服とかじゃなかったけど・・・

 

美鈴「はい到着」

 

マンションの前で降ろされる、

みんな両手に荷物を持って・・・

美鈴姉さんは乗ったまま、もう帰るようだ。

 

美鈴「忘れ物ない?服も全部持った?脱いだ制服も」

雪巳「うん、大丈夫だよー」

雪菜「・・・・・ありがとう・・・美鈴さん・・・」

雪沙「またねぇ〜〜〜」

美鈴「また様子見に来るから・・・弟クン、よーく面倒見てもらうのよ?」

僕「はい、面倒見ます・・・って、見てもらう?」

美鈴「その子たちメイドでしょ?たっぷり面倒見てもらいなさい!」

雪巳「まかせてー」

美鈴「雪巳ちゃんたちも困った事があったら私に電話するのよ?」

雪菜「・・・番号、私も貰いました・・・」

雪沙「じゃ〜ね〜!」

美鈴「そういうこと。あ、最後に!相談所が来るや来た時は私への連絡、忘れないで!」

僕「何から何まで本当に、ありがとう」

 

僕らが見送る中、

美鈴姉さんの車はかっこよく去っていった・・・

 

・・・

 

歯磨きを終えて部屋に戻る、

三姉妹が買ったばかりのパジャマに着替え終わって、

ちょこんと並んで座っている、大きさと色は違うけど同じタイプのパジャマ・・・

グリーンの雪巳ちゃん、ホワイトの雪菜ちゃん、ピンクの雪沙ちゃん。

何だかかしこまっているようだ、僕はその前に座る。

 

雪巳「んっとー、お兄ちゃん、今日からよろしくね」

僕「うん、あらためて・・よろしく」

雪菜「何か・・・・・言うこと・・・あります・・・か」

僕「えっと・・・本当にみんな大丈夫?できる?」

雪沙「するよ〜、するぅ〜〜」

 

やっぱり不安だ・・・

 

僕「いい?みんな今までは自分1人のことやれば良かったかも知れないけど、

  8月いっぱいまでは僕の世話をあわせて、みんな1.3人分やらなきゃいけないんだよ?

  君たちの年齢から考えると1人分するのも大変そうだけど、それをみんなで協力して・・・」

雪沙「ちがうよぉ〜?」

僕「えっ?」

雪沙「それだと0.1あまっちゃうよ〜?ゆきさたち、1か3分の1づつするぅ〜」

僕「あ・・・そ、そう・・・でも僕も0.1くらいはやるよ」

雪菜「・・・雪巳お姉ちゃんと私で1.5づつできると思う・・・です」

雪巳「目覚まし貸してくれるー?私たちで起こすからー」

僕「そうだね、じゃあ、みんな、がんばって!!」

 

時間はもうすぐ0時か・・・寝なきゃ。

 

雪巳「じゃあ、お布団ひいてくるねー」

僕「そうだ!布団・・・ずっと2つでいい?」

雪菜「かまわない・・・です」

僕「枕、1つ座布団を代わりに使っていいよ!」

雪沙「ゆきさ、こんやぁ〜、おにぃちゃんといっしょにねるぅ〜」

 

ええーーーっ!?

そ、そんな・・・

そういえば一昨日の夜、起きたら三姉妹と一緒に寝てたってことがあったっけ・・・

 

僕「い、いや、いいよ、ベット狭いし・・・」

雪沙「せまくないよ〜?そいねしてあげるぅ〜」

僕「えええ、遠慮させていただきます・・・」

雪巳「そうだよー、雪沙じゃ添い寝にならないよー、私がするー」

僕「だだだだだ、駄目だよ!そんな・・・ちゅーがくせーなら、なおさら!!」

 

しどろもどろになってきた・・・

 

雪菜「明日、学校の本・・・持ってきても・・・いいです・・・か」」

僕「う、うん、いいよ、その方がいいと思う、勉強できて」

雪巳「早く帰ってくるようにするねー」

僕「そうだ!合鍵をパスワード渡しておかなくっちゃ」

雪沙「おにぃちゃん、なんじにかえってくるのぉ〜?」

 

えっと・・・あったった、

スペアキーは2つしかない・・・もう1つ作るか。

パスワードも紙に書いて、っと・・・

 

僕「明日は金曜だからちょっと遅くなる、午後7時くらいかな?」

雪巳「大学はいつまでなのー?」

僕「12日までだけど・・・みんなの学校はいつまで?」

雪巳「18日までだよー」

雪菜「・・・・・です」

雪沙「ゆきさもぉ〜」

 

カレンダーを見る・・・

そうか21日、月曜が海の日だからか・・・

とりあえず鍵とパスを渡さなきゃ。

 

僕「じゃあ、はい、これ・・・雪巳ちゃんと・・・あとは・・・」

雪沙「ゆきさが先にかえってくるよ〜?」

僕「どうぞ、絶対無くしたり人に見られたりしちゃ駄目だよ?」

雪沙「うん、まかせてぇ〜」

僕「雪菜ちゃん、遅くても7時には必ず帰ってこれるよね?」

 

コクン、と返事・・・

ちょっと眠そうだ、色々あったもんな、

児童相談所の職員相手に神経も張り詰めただろうし・・・

 

僕「じゃあ、今日はもう寝る!みんなも寝なさい!」

雪巳「はーい」

雪菜「おやすみ・・なさい・・・」

雪沙「おにぃちゃん一人でねむれるぅ〜?」

僕「一人で寝たいから!おやすみ」

 

・・・・・

 

こうして僕と三姉妹による、

夏の同居生活が始まったのだった・・・

 

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