雪巳「お兄ちゃん朝だよー」

雪菜「起きて・・です・・・ご飯できた・・・です」

雪沙「おきないとくすぐっちゃうよぉ〜・・・ご〜よんさん・・・」

 

はっ!もう朝か!

 

僕「おはよう・・・起きる起きる!」

雪巳「はい新聞ー」

雪菜「今日は朝、みんなで作ったです・・・」

雪沙「たべてたべてたべてたべてたべてぇ〜〜〜」

僕「はいはい、そんなに急がせないで・・・」

 

さあ、三姉妹と食べる最後の朝食だ・・・

食卓の上は・・・わ!豪華すぎるにも程があるぞ?

 

僕「ご飯にパンにオムレツに焼き魚にハンバーグにソーセージに・・・夕食じゃないよね?」

雪巳「みんながここで作って、一番得意なの並べたのー」

雪菜「お料理が上手になったの・・・お兄ちゃんのおかげ・・・です」

雪沙「めぇ〜しぃ〜あぁ〜がぁ〜れぇ〜〜〜〜〜〜♪」

也幸「!!!!!(コクコクコクコクコク)」

 

まあ、そこまで腕によりをかけてくれたなら、食べなきゃな。

 

僕「ありがとう・・・じゃあ、いただきまーす」

雪巳「いただきまーす」

雪菜「いただきますっ」

雪沙「いただきまぁす」

也幸「!!!(コクコクコク)」

ソヨカゼ「にゃんっ♪」

 

おいしい・・・おいしすぎる!

 

僕「どれもこれも、美味しいよ!」

雪巳「良かったー」

雪菜「がんばった・・・です」

雪沙「これもたべてぇ〜」

僕「うんうん、これならちょっと多くても食べられるよ」

 

でもさすがに多すぎる・・・

あと、美味しすぎるから、これが最後だと思うと泣けてくる・・・

 

僕「がんばって食べるぞー!」

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

駄目だ!もうお腹いっぱいだ!

 

僕「ふぅ〜、もうパンパンだよ、ありがとう」

雪巳「残ってるのもったいないねー」

僕「お昼まで残しておく?」

雪菜「・・・最後の日だから・・下の家に持って行っても、いいで・・・すか」

雪沙「すてるのよりは、ましだよぉ〜〜」

 

そういう事か・・・最後だし、まあいいや。

 

僕「いいよ、じゃあお昼はお返しに外で食べよう」

雪巳「うれしーーー」

雪菜「あんまり高くなくて・・いい・・・です」

雪沙「なりゆきぃ〜、よかったねぇ〜」

也幸「!!!(コクコクコク)」

 

この際、也幸くんも、いっか。

 

雪菜「じゃあ下へ持っていく・・です」

雪沙「てつだうよぉ〜、なりゆきもてつだってぇ〜」

也幸「!!(シャキーン)」

雪巳「私はお掃除してくるー」

僕「じゃあ僕は・・・ソヨカゼのトイレでも取り替えようかな」

 

食器洗いは雪菜ちゃんたちが戻ってからやるみたいだし。

 

雪沙「おにぃちゃんはなにもしないでぇ〜」

雪巳「そうだよー、私たちの仕事なんだからー」

雪菜「最後は・・ちゃんとやらせてほしい・・・です」

 

そこまで言うのなら、やってもらおう。

 

僕「じゃあ、すること無くなっちゃうな・・・あ、そうだ!」

 

管理人がいないんだ、軽くマンションを見守ろう。

 

僕「散歩してくるよ」

雪巳「行ってらっしゃーい」

 

・・・日曜日の暇なお父さんみたいだな、

実際に日曜日だからいいか、階段を下りてエレベーターに乗って、と・・・

 

僕「ゴミが落ちてる、ここも本当は管理人が掃除するんだよな」

 

明日から来てくれるとはいえ、軽く拾っておこう。

 

僕「ついた・・・あ、雅幸くん!」

雅幸「・・・・・・・・」

僕「おはよう、色々あったみたいで・・・ごめんね」

雅幸「・・・・・・・・・・・・ごめん」

僕「え?・・・・・あ!もう逃げちゃった」

 

でもちゃんと、僕に謝ってくれた!?偉いなぁ。

 

僕「管理人室は・・・入っていいのかな?」

 

現場検証が終わったのか、かなり綺麗になってる、

まだ管理人の私物がちょこちょこあるみたいだけど・・・

このまま新しい人に入ってもらって構わないな、とりあえずは。

 

僕「泊り込みじゃないから、布団とかは、まだいいだろう」

 

次は裏口・・・あ!

 

僕「こら!この自転車ドロボー!!」

 

逃げていく三悪兄弟、

結局、打ち解ける事は無かったか・・・

さあゴミ捨て場へ・・・あ!あそこにいるのは!

 

僕「隆幸くん!?」

隆幸「!!!」

僕「おはよう」

隆幸「おはようおはよう、み、みみ、みてない、みてないよ!」

僕「うん、それはもうわかったから・・・・・あ、逃げた!」

 

そんなに怯えなくても・・・

ええっとゴミは・・・ちゃんと分別してある、

またビッグマザーがやってくれたんだろうか?裏がありそうで怖いな。

 

僕「花壇は大丈夫かな・・あれ?あそこにうずくまってるのは・・・」

 

間違いない!雛塚家の、お父さんだ!!

 

僕「どうしたんですか!?」

雛塚父「い、いや、もう・・平気・・・ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ・・・」

僕「しんどそうですね」

雛塚父「実はお酒をやめまして、そうしたら歩くのがすぐに疲れて・・・」

僕「肩を貸しますから、家まで行きましょう」

 

そうか、今まではアルコールが麻酔みたいになってたのかも?

家の中へ入れるとビッグマザーが雪菜ちゃんたちの運んだ料理を食べてる。

 

ビッグマザー「ほらほら、とっとと転がして出ていきな!」

僕「は・・・はい」

ビッグマザー「ちょいお待ち!」

 

呼び止められた!!

 

ビッグマザー「・・・・・感謝してるよ」

僕「えええっっ!?」

ビッグマザー「わかったら、でていきなーーー!!」

僕「は、はい〜〜〜!!」

雛塚父「本当に・・ありがとう・・ござい・・ま・・す・・・」

 

追い出されたけど、

あのビッグマザーから感謝の言葉・・・

まさか本当に夜逃げするんじゃあ!?

 

僕「これは美鈴ねえさんに相談してもいいよな・・・」

 

携帯に電話をかける・・・

 

プルルルルルル・・・

プルルルルルル・・・

プルルルルルル・・・

 

僕「出ない・・・あ、日曜だから薬剤師の仕事はお休みか」

 

プルルル・・・プッ

 

出たか!?

 

僕「もしもし?美鈴ねえさん?」

 

・・・・・・・・・

 

あれ?返事がないぞ?

 

僕「もしもし?もしもーし」

 

おかしいなぁ・・・でも、よーく耳を澄ますと聞こえるような・・・

 

美鈴「・・・が・・ぃの・・・ね・・・ふふ」

男「た・・・け・・・てぇ・・・ぅ・・・ぁぁぁ・・・」

 

この、遠くに聞こえる男の声、僕の兄にそっくりだ!

 

美鈴「ほ〜ら、乳首にこんなに針を刺されて感じちゃうなんてぇ〜・・・」

兄「みすずさまぁ〜〜・・も、もう、ゆるし・・・はぁぁぁぁあああ!!」

美鈴「ほーら尿道にも・・・また気持ちよくなるお薬を入れてあげるわねぇ」

兄「やめてぇぇ、それをされるとぉ、くるっちゃいま、すううぅぅぅぅ〜〜〜」

美鈴「アナタが楽になる方法はたったひとつ、早く私を妊娠させなさぁい、さぁお尻にお注射よぉ」

 

・・・・・これは夫婦して僕をからかっているんだよな?

そうだよな?きっとそうだよな?そうに違いない!そういう事にしておこう!

 

僕「そして・・・・・聞かなかった事にしよう!」

 

プツッ・・・

 

ふぅ・・・あるよな、ちょっとした動きで携帯が勝手にボタン押しちゃうのって。

でも今のは、きつい冗談だろうし、隆幸くんじゃないけど、電話かけてないから、何も聞いてないって事にしよう。

・・・・・あれが2週間も続くとしたら、発狂しちゃうと思うけど、まあ幸せなら、それはそれでいっか、これにて一件落着!

 

僕「・・・・・上に戻ろう」

 

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