時間は夜の11時、

みんなを来客用の部屋へ呼んだ。

並んで座ってもらい、僕は正面へ・・・

 

雪巳「どーしたのー」

雪菜「ばんごはん・・・お兄ちゃんまだ・・・です」

雪沙「だいじなおはなしってなぁにぃ〜」

 

どう切り出すか・・・

いや、切り出すも何も、ちゃんと言わないと。

 

僕「みんな・・・・・ごめん」

 

ごちん、と頭が机にあたる、

両手をついて謝る・・・だめだ、僕、もう泣きそう・・・

 

雪巳「えー?えー?えー?」

雪菜「あやまること・・ないです・・みんな心配しただけ・・・です」

雪沙「ゆきさもごめんなさ〜い、もっとはやくたすけたかったのぉ〜」

 

・・・・・しっかり言葉を・・・搾り出さなくちゃ。

 

僕「今までありがとう・・・最初の約束通り・・・8月いっぱいで・・・・・帰ってもらうから」

 

静まり返る部屋・・・

ちゃんと、もっと、しっかりと話さないと!

 

僕「本当に、本当に真剣に考えたけど、君達を貰うには、僕は・・・・・重すぎる」

雪巳「えーー・・・・」

雪菜「お兄ちゃん・・・」

雪沙「そんなぁ〜〜・・・」

僕「その気にさせちゃったよね、ごめんなさい、本当に、ごめん!!」

 

うぅ・・・もっと言って納得してもらわないと・・・

 

僕「世間は、やっぱり今、厳しいんだ・・・特に君たちくらいの子を貰うなんて・・・」

雪巳「気にしないよー、お兄ちゃんも気にしないでー」

僕「でも、一緒に暮らしてるだけで2回も警察連れてかれて、やっぱり無理だと思う」

雪菜「それはもう・・・かいけつしたと・・おもう・・・です」

僕「それに、はっきり言うけど、みんなに誤解されるような事、してるよね、実は誤解じゃないっていう」

雪沙「あそんでもらってるだけだよぉ〜、おにぃちゃんがほんとにいやならも〜しないよぉ〜」

 

・・・・・そうは言っても、耐え切れる訳がないよ。

 

僕「一緒にいること自体が許されないんだと思う、たとえ養子に貰っても」

雪巳「えー、私たちでお兄ちゃんを守るから、そんなこと言わないでー」

僕「・・・管理人が逮捕されて、ニュースで流れて、世間の目はこのマンションに集中するんだ」

雪菜「だったら・・・ほとぼりさめるまで・・・がまんする・・・です」

僕「時間の問題じゃなくって、やっぱり、ちっちゃい子供と大人が養子を隠れ蓑に恋愛しちゃ駄目なんだよ」

雪沙「い〜わけはも〜いい〜、おにぃちゃんはゆきさや、おねぇちゃんたちのこと、きらいになったのぉ〜?」

僕「・・・嫌いだったら、こんなに苦しまないよ」

 

大好きだから、みんなに幸せになって欲しいから、だよ。

 

僕「僕のせいでみんなが幸せになれないのはつらいから・・・」

雪巳「お兄ちゃんがいたら、どこだって幸せだよー」

僕「そう言っていられない事に、もう、なっちゃってるんだ」

雪菜「誰にも見られない場所以外では、もう、くっつりたり、えっちなことは、しない、です」

僕「でもそういうのは隠していても、いつかはばれちゃうんだ、ばれちゃったら・・・美鈴ねえさんみたいなことに・・・」

雪沙「でもぉ〜、うちのぱぱもままも、お〜け〜だよぉ〜?ね〜ど〜すればいいのぉ〜」

僕「ごめん!本当にごめん!・・・・・殴るなら殴って、蹴るなら蹴って・・・警察に本当のこと言われても、償うよ」

 

うん、もうしょうがない、これで駄目ならおとなしく刑務所に入ろう。

 

雪巳「・・・ずるーい、お兄ちゃん、私たちそんなこと絶対にできないのにー」

雪菜「お兄ちゃんを・・・刑務所で苦しめたくは・・・ない・・・です」

雪沙「ぢゃ〜〜〜・・・きがかわるまでまつぅ〜、そのあいだ、すきになっててもいいでしょ〜?」

 

駄目だ・・・三姉妹の顔が見れない!

 

僕「わかって・・わかって欲しい・・・お願い・・・・・ごめん」

 

・・・・・・・・・最後にちゃんと3人を見よう。

 

僕「雪巳ちゃん、楽しかったよ、やっぱりいざとなったら3姉妹で頼りになった」

雪巳「・・・・・」

僕「雪菜ちゃん、いつもありがとう、本当に細かい所に気が効いて、助かったよ」

雪菜「・・・・・」

僕「雪沙ちゃん、元気をありがとう、体が小さいのに無理して頑張ってくれて・・・」

雪沙「・・・・・」

僕「本当にみんな、ありがとう、そして、本当に・・・・・ごめん」

 

ゴチン!ともう1度頭を打つ・・・

これくらいで許される訳じゃないけど・・・でも・・・

 

雪巳「ぇ・・ぇ・・・えええええええええええええええん」

雪菜「ひっく・・ひっく・・・うっく・・・うえええええええええん」

雪沙「やぁ・・・やぁぁ・・・やあああああああああああああああん」

 

みんな泣いちゃった・・・僕も泣いてる。

でもしょうがない、こういう決断になっちゃったんだから。

そして、そう決めた以上、もう変えちゃいけない、曲げちゃいけないんだ!

 

僕「ごめん、ごめん・・・ご・・め・・・・ん・・・・・・・・・・・・」

 

今夜はみんなで・・・・・泣き明かそう。

 

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