僕「・・・・・ん・・・外が・・・あかる・・い?」
朝・・・といっても、まだ白み始めたばかりだ、
反対側にはまだ星が残っていそう・・何時だ・・・まだ5時前だ。
僕「なんでこんなに早く目が覚めたんだ・・・?」
寝直したのって2時半くらいだよな?
でも、夕べ最初に寝たのは・・・そうか夕食後だ、
だからトータルすると途中で何度か起きたのを除いても9時間くらい・・・
僕「起きるべくして起きたって感じだな」
とりあえずトイレへ行こう。
書斎を出て静かな廊下へ・・・まだみんな寝てるのかな。
入って用を足す・・・あとはどうしよう、いっそお風呂は僕が洗うか。
僕「・・・・・ふぅ」
終わってドアを開けると、そこには・・・!!
也幸「・・・・・」
僕「わ!・・・おはよう、はい次どうぞ」」
也幸「・・・・・・・(さっ)」
ん?何かくれるのか?
僕「あ、これ、僕の携帯!」
也幸「・・・(コクコク)」
僕「ありがとう・・・光ってるね」
メールかな?
とことことこ・・・・・
渡してトイレにも入らず歩いていった・・・
どこかで落としたのかな?いや、僕の部屋にあったはず。
姉の様子を見に行って、光ってたから持って来てくれたんだろう。
僕「用件は・・・違う、メールじゃなく着信履歴だ」
この番号、どっかで見た事があるよーな無いよーな、あるよーな・・・
僕「・・・留守番電話が入ってる、聞いてみよう」
・・・・・かかってきた時間は0時過ぎか、と、いうことは・・・
雪香「あーもしもしぃー、ちょっとやばいんだけどー」
やっぱり!雪香だ!!
雪香「ちょっといまマジやばいんだけどー、怒らせちゃったみたいでさー」
また僕にたかろうっていう腹か・・・
雪香「いま逃げてんだけど・・・やっば・・・ちょ、ちょっ・・・きゃ!」
なんだなんだ?
雪香「きゃーきゃー!マジやばくない?ちょっと!逃げなきゃ!!」
・・・・・雑音が入ってきた、走ってるっぽいな。
雪香「はぁ・・はぁ・・・やっば・・マジしんじらんない・・・公園来て!すぐ!・・・駅の・・きゃ、きゃああああああ!!」
うわ!耳が痛い!!
雪香「きゃあ!きゃあ!・・・・・きゃ・・・」
・・・・・切れた。
これはアレか、ここまですれば、すぐ来てくれると思って・・・
手が込んできたな、次は男が出てきて雪香は預かった、とか?振り込め詐欺みたいだな
僕「まあ、無視だな・・・」
・・・・・・・・・でも、もし本当だったら?
もちろん雪香の過去の所業を考えると芝居の可能性が高い、
でも、万が一でも、本当に誰かに襲われていたとしたら・・・・・?
僕「・・・電話からもうすぐ5時間か、さすがに居る訳ないよな」
街で会ったら何食わぬ顔で『なんで来ないの?ひっでー』とか言うくらいだろう。
さすがに僕だって学習するよ、狼少女の言う事なんか・・・でも、本当に狼に襲われていたら?
それはそれで雪香の自業自得だけどさ・・・でも・・・後味が悪くなっちゃう・・・よなぁ・・・余計な心配だろうけど。
僕「公園・・・駅って言ってたような・・・駅の裏の公園、か・・・」
遠いな、パチンコ屋の近くだ。
あのへんって繁華街の裏で、ホテルや風俗街とも違って人通りが少ない。
何かあったら助けを呼びにくい所だよな・・・変な連中のたまり場にもなってるんだっけ。
僕「・・・・・・・・・・そうだ!朝の散歩に行こう」
ぶらっとバイクで駅前を散歩してだな、
ついでに公園で、三姉妹の今後について考えよう。
あくまでも雪香に騙されてじゃないぞ、なんとなく散歩に行くだけだ。
僕「そうと決まったら、さっさと着替えよう」
ついでにコンビニでスポーツドリンクでも買おうっと。
・・・・・
ブルルルル・・・・・
・・・・・
僕「この公園だよな・・・」
ラジオ体操かボランティアの掃除の人でもいるかと思ったけど、
誰もいない・・・ちょっと早朝すぎるからかな?いたのはベンチでくつろいでる猫くらいだ。

僕「・・・雪香っていう派手な女の子、見なかった?」
猫「にゃっ!」
僕「え?あっち?」
茂みの方を見てる、
何かが転がっている・・あれは・・・スニーカー?
僕「女の子のっぽいな・・・」
片方だけだ、まさかこれ、雪香のか?
足までまじまじ見たりはしないからなぁ、
派手できわどい服のほうなら目が行くけど・・・特に谷間とか短いズボンとか・・・
僕「茂みの奥ってゴミくらいしか無さそうだけどなぁ・・・」
野良猫が住んでそうな奥へ突っ込んでみる。
朝から藪蚊が多い・・・猫じゃなく野良のおじさんとかいそうな気配・・・
すっぱい変な匂いもしてるし、生ゴミでも捨てられてるのかな?・・・わ、服が捨てられてる!
僕「ボロボロの服から・・・足が出てる!?」
違う、これは人だ!
片足はさっきのスニーカーのもう片方を履いていて、
ホットパンツが足首までずり下げられてて・・・これは、やっぱり!!

僕「雪香!!!」
うわっぷ・・・くさい
服はボロボロに破かれて、
上から下まで汚い白濁した液が・・・
僕「これは酷い・・・」
複数に犯された感じだ。
僕「おい雪香、雪香!」
ぺちぺちぺち!
僕「・・・・・息はあるな、よし!」
救急車を呼ぶより、
僕が病院まで担いだ方が早い!
ズボンを上まで履かせ、シャツは僕のを着せる!
僕「走ればすぐの場所だ、雪香、行くぞ!」
茂みの中から肩を担いで出し、
背負って病院まで走る!走る!走る!
雪香が精液だらけだとか、僕の体が上半身裸だとかは、おかまいなしだ!
僕「バイクは無理だよな・・・雪香、もう少しの辛抱だからな!!」
まわりの目なんか気にならない!
緊急事態だ、確かあそこを曲がれば救急病院・・・・・あった!!
僕「すみませーん!・・・あ、ここを押すのか!」
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