・・・・・・・・・・

 

僕「・・・・・・・・・う〜〜〜・・・暑いっ!!!」

 

息苦しさで目を覚ました!

そりゃそうだ、1人用ベットで三姉妹にこれだけ囲まれてて熟睡できる訳がない!

雪沙ちゃんなんて上に乗っかっているんだから、おしくらまんじゅうみたいなもんだ。

 

僕「眠りに入るときは気持ちよかったんだけどなぁ・・・」

 

・・・耳を澄ますと三姉妹の寝息、

僕とは違って熟睡してるようだが真っ暗でよくわからない、

電気のリモコンは・・・?あれ?雪沙ちゃん、どこへ置いたんだろうか?

 

僕「とりあえず・・・抜けよう」

 

蓑虫状態から何とか逃げ出す、

僕の寝てた所へは雪沙ちゃんが丁度うまく入ってるはずだ。

手探りで廊下へ・・・汗びっしょりだ、そういえばお風呂も入ってなかったもんな。

 

僕「そーっと・・・そーーっと廊下へ・・・」

 

ふう、開放感・・・

いくら女の子に囲まれてうはうはって言っても、

あのくらいの少女は体温が高いからな、おまけに蒸れるし。

 

僕「と、なると、やっぱりお風呂だよなー・・・」

 

喉も渇いた、先に台所かな・・・

あれ?三姉妹のいつも寝てる部屋から明りが漏れてる、

消し忘れかな、後で消しておこう・・・でも、下着とか脱ぎ散らかってたらどうしよう。

まあ、電気を消すだけだからいいだろう、今更そんな事で騒ぐような子たちじゃ・・・どうだろう。

なんて考えているうちに台所へ到着、っと・・・冷蔵庫、冷蔵庫・・・オープン!

 

僕「あれ?麦茶がからっぽ・・・スポーツドリンクは・・・無くなってる」

 

昼には結構あったと思うんだけどなぁ?

まあいいや、とりあえず水を飲んで、っと・・んぐ・・んぐ・・・ぷはぁ。

次はお風呂だ、もう温くなっていそうだ、今何時だ?・・・2時11分か、日付が変わっちゃってる。

 

僕「一度抜いて、お湯を溜め直した方がいいな・・・」

 

お風呂場へ向かい脱衣所についた・・・

なんか床が濡れてるぞ?足跡も残ってる、

この大きさ・・・雪沙ちゃんかな?ちょっとくらい拭けばいいのに。

 

僕「浴室は・・・うわ!もっと酷い!」

 

誰か暴れたか?

ソヨカゼでも洗ったんだろうか?

それにしてはお湯が飛び散りすぎだ、浴槽内も真っ黒。

 

僕「・・・也幸くんかな?でも、そんなに汚れてたっけ?」

 

これは、まず洗う所からはじめないと・・・

もういいや、シャワーだけにしておこう。

ってシャンプーやリンスも倒されてる、ボディソープなんか蓋が空いちゃって中身が、あ〜あ。

 

僕「まさか三姉妹がケンカでもしたか?」

 

仲が良いっていっても男が絡むと・・・男って僕だけど。

お兄ちゃんは私の!とか言ってケンカになって、暴れだして・・・

そこへ僕が入ってきて、三姉妹で誰が僕を一番好きかってなって迫ってきて・・・ムフフフフ

 

僕「はっ!駄目だ!変な妄想を・・・」

 

シャワーと一緒に洗い流そう。

 

キュッ、キュッ、キュッ、

シャーーーーーーーーー・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・キュッ、キュッ、キュッ。

 

僕「ふぅ〜、さっぱりした」

 

出てバスタオル・・・あれ?いつもの所にない?

何か代わりは・・・ない、とりあえず脱いだシャツで顔だけ拭こう、

ええっと・・・しょうがない、新品を出そう・・・今日に限ってなんでこんなに手際が悪いんだ?

 

僕「他はともかく雪菜ちゃんが手を抜くとは考えにくい・・・」

 

でもまあ、いかに気が利くっていってもまだ小6だ、うっかりって事もあるだろう。

 

僕「それに雪巳ちゃん雪沙ちゃんが僕の部屋へ向かうのを見て、慌ててついていって、とか・・・」

 

じゅうぶん、ありうるな。

嫉妬深いからつい夢中になってとか・・・

あとは僕がお風呂は朝にすると思って、夜明け前に掃除すれば間に合うから後にしようと思ってたとか。

 

僕「よくよく考えると、大変だよな〜小6なのに・・・」

 

三姉妹で分担してローテーションを組んでるとはいえ、

家政婦の仕事を・・・あ、メイドか。警察判断だと家のお手伝いだからどっちでもいいけど。

炊事洗濯、お掃除に買出し、さらに下の家の手伝いもやらされて、僕の添い寝までやってくれる・・・

 

僕「愛がなけりゃ、やれないよな・・・なんてね」

 

とりあえず、かっこよくパンツを履こう・・・

新しいシャツも着て、廊下へ・・・三姉妹のあの中へ潜り込むと思うと緊張するな、

その前に電気を消してあげなくちゃ、三姉妹が寝ていない方の部屋を・・・そーっとドアを開けると・・・

 

僕「・・・・・あれっ!?」

 

寝てる、しかも2人・・・と1匹。

まあ1匹はソヨカゼだ、隣は也幸くん、

布団の中で仲良く向かい合って寝ている。

 

僕「もう1人は・・・・・隆幸だ」

 

あれ?汗ばんでる?枕が湿ってるみたいだ・・・

熱は・・・・・無いな、普通だろう、快適そうにスヤスヤ寝てる、

これは多分、お風呂に出て、ろくに体を拭かずに布団に入った感じだ。

 

僕「バスタオルも部屋の隅っこに・・・スポーツドリンクの空き缶も転がってる」

 

なるほど、そういう事か、なんとなくわかったぞ、

僕が寝ている間に隆幸くんを家に上げて、お風呂に入れたんだろう、

この感じならおそらく夕食の残りも・・・麦茶やジュースも飲ませたんだろうなこれは。

 

隆幸「・・・・・ん・・・ゆきみねぇちゃ・・・ぁん・・・・zzz・・・」

 

という事は、三姉妹が僕の寝ている所へ押しかけたのは、

お風呂や夕食をもらっている隆幸から目を逸らす為という事か、ついでに也幸くんも上げて。

よくよく考えてみたら、あそこまで抱きついてきたら、えっちな事をしようとしてくるはず・・・でも・・・

 

僕「それが無かったのは、僕が逃げないようにか、終わった後にお風呂へ行って、かち合わないように・・・?」

 

考えすぎか?まあ、それだけじゃなくっても、

姉3人が僕と変なことをしてるのが隆幸に聞かれたり見られたりするとまずいだろうし。

ちょっとショック・・・いや、かなりショックかも・・・三姉妹が僕を、騙した訳になるんだから。

 

僕「でも、これくらいの事・・・・・・・・とは、いえないよなぁ・・・」

 

冷や水を浴びせられたというか、我に返ったというか、

三姉妹の化けの皮が剥がれたというか、馬脚を現したというか、

もちろん隆幸くんや三姉妹にも、こうせざるを得ない事情があったんだろう、

也幸くんみたいにご飯を食べさせてもらえないとか、お風呂入れてもらえないとか。

でも、一言相談してくれれば、ちゃんとお願いしてきたら僕だって断りきれないの、わかってるはずだろ・・・

 

僕「・・・・・醒めちゃったな・・・・・すっかり」

 

そうだな、三姉妹には三姉妹の事情がある、だから、しょうがない。

それと同時に、僕だって、僕の事情があるんだ、そしてそれは、しょうがない事なんだ。

これがきっかけで、どうやら結末が見えてきた気がする、僕が取るべき道・・・下すべき決断が。

 

僕「電気を暗くして、と・・・」

 

さて寝よう・・・

今夜は書斎で寝るかな、

あそこへは戻りたくない、そう、三姉妹の所へは・・・

 

也幸「・・・・・・??(目ごしごし)」

僕「あ、起こしちゃった?ごめんね・・・おやすみ」

也幸「・・・・・・・・・(こっくこっく)」

 

誰も悪くない・・・

だから、僕がどういった選択をしても、

それは悪くない・・・責められはしない・・・・・はずだ。

 

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