僕「ただいまー」

雪巳「ただいまーーー」

 

とたとたとた・・・

 

雪沙「もぉ〜、ゆきみおねぇちゃん、ずるぅ〜い」

僕「ど、どうしたのどうしたの?」

雪沙「も〜9時になっちゃったぁ〜」

 

そんな時間か、

でも、なんでこんなにむくれてるんだろう?

夕飯は別で食べてもらってるはずだから、待ってはいないだろうし・・・

 

雪沙「じかんお〜ば〜だよ〜」

僕「え?何か約束してたっけ?」

雪沙「ゆきみおねぇちゃんは、8時までだよぉ〜」

僕「うん、だから8時に終わって、帰ってきたんだけど・・・」

雪沙「8時にかえってきてなきゃだめなのぉ〜!」

 

そういう事か。

 

雪巳「えー、でも8時過ぎたら一緒に帰っただけだよー」

雪沙「ずるい〜〜、ゆきさは朝8時に、おにぃちゃんとでたのにぃ〜」

僕「移動時間くらい大目に見てよ」

雪沙「だったら、ゆきみおねぇちゃんとおにぃちゃん、5時間もいっしょにぃ〜」

雪菜「雪沙・・・我侭言って、お兄ちゃん困らせないの・・・」

 

遅れて出てきた雪菜ちゃんが雪沙ちゃんをなだめてる。

 

雪沙「ゆきなおねぇちゃんも〜、でんしゃのってるじかんがないから、ずるい〜」

雪菜「ずるいとか・・・そういうのじゃ・・・ないの・・・」

雪沙「ゆきさ2時間ちょっと、ゆきなおねぇちゃん3時間、ゆきみおねえちゃん4時間、ずるい〜」

僕「その計算はおかしい!それだと雪沙ちゃんの行きの電車時間抜いて、雪巳ちゃんの電車の時間は足してる!」

雪巳「そーだよー、それに雪沙だって、すっごく楽しかったって喜んでたー」

 

あ、みんなに言われて雪沙ちゃん、泣きそうになってきた!

 

雪沙「だってぇ〜、だってぇええええ〜〜〜・・・」

僕「あーもう!だったらこれから、いや今夜10時から、ちょっとどっか行こう」

雪沙「ほ・・・ほんとにぃ〜〜〜?」

雪巳「えー、それもずるーい」

雪菜「泣いたら・・・デートの延長が・・・貰えるんです・・・か」

 

う、これはまずい!

 

僕「みんなでだよ!みんなで行こう」

雪沙「え〜〜〜〜〜」

僕「行かなくてもいいんだよ?疲れたし」

 

部屋に戻ると昨日のお土産が届いてる、

ネズミーの残り半分、宅配便にした分だ、

それもすでに仕分けられてて、僕のだけ置いてある。

 

雪菜「雪絵と雪音は・・・下に帰した・・・です」

僕「うん、ありがとう、也幸くんは・・・いた」

 

ソヨカゼの前に向かい合ってうつぶせになったまま、

何かを悟ったように目を閉じて・・・也幸くんも、ソヨカゼも。

まさか僕が朝、家を出たときもあの格好だったから、そのままずっと・・・?

 

僕「也幸くん、ご飯はちゃんと食べた?」

也幸「・・・・・(足ぱたぱた)」

雪沙「たべたんだってぇ〜、たべてたよぉ〜」

僕「そっか・・・ネズミーのお土産も貰ったよね?」

雪菜「也幸帰そうとすると・・・怒られる・・・です」

 

誰に!?

 

雪巳「也幸、下のお家へ帰してあげるー」

 

後ろからレスリングのように持ち上げると・・・

 

也幸「!!!」

ソヨカゼ「ふにゃあああああ!!」

雪巳「きゃーーー!!」

 

さっきまで寝てたように大人しかったソヨカゼが、

雪巳ちゃんの足に抱きついて、噛み付いて引っかいてる!

也幸くんが放されると、ソヨカゼは猫キックしながら座布団に戻った。

 

ソヨカゼ「にゃ・・・」

雪巳「もーーー・・・引っかかれたー」

雪菜「私もやられた・・・です」

雪沙「ゆきさもぉ〜、ほらみてぇ〜」

也幸「・・・・・(ふっ)」

 

あーあ・・・也幸くん、番猫に守られちゃってる。

ソヨカゼにやられた傷は別に酷くはないから本気じゃないんだろうけど、

あんな風に威嚇されたら、僕でも連れていけないや、もう、しょうがない。

 

僕「そうだ!ソヨカゼを僕が抑えてる間に・・・」

 

と、ソヨカゼを持ち上げると・・・

 

ソヨカゼ「にゃ!」

也幸「ー!ーーー!!!」

僕「わ!也幸くんごめんごめん!!」

 

今度は也幸くんがポカポカ叩いてきた!

 

僕「ま、いっか。10時・・・いや10時半になったら、みんなで屋台のラーメン食べに行こう」

雪沙「それが、で〜とのえんちょ〜せ〜ん?」

僕「うん、也幸くんも行く?」

也幸「!!!(コクコクコク)」

僕「ソヨカゼは連れてきちゃ駄目だからね」

 

とりあえず、落ち着こう。

 

 

 

横になりながらデートを思い出す。

三姉妹とも、本当に楽しい子ばっかりだよな、

これがこのまま秋、冬休み、春休みと続いて来年も・・・

そう思うと、この生活を続けていきたいとも思う、でも・・・

いつまでも、こんな生活が続けられるんだろうか?それは僕の努力次第なんだろうか?

 

雪沙「なりゆきぃ〜、ぱうだ〜つけてぇ〜」

也幸「!!!(コクコク)」

雪菜「後で外、出るから・・・また汗かくよ・・・」

雪沙「かかないよ〜につけるの〜、おふろはいっちゃったしぃ〜」

也幸「・・・・・(ぽんぽんぽん)」

 

あと1週間、結論を出さなきゃ。

事が事だけに、31日まで待ってもらっても仕方ないだろう、

そう思うと残り1週間は、みんなと本当の意味で、ちゃんと過ごさないと・・・

 

雪巳「汗かいたから着替えていっちゃおー」

雪沙「あ〜、ふつ〜のブラだぁ〜」

雪巳「せっかく買ってもらったから、たまには着けないとねー」

 

それはいいけど、なんでここで着替えるんだ!サービスかよ!!

 

雪菜「雪沙・・・明日の学校の準備・・・終わった?」

雪沙「ん〜、あさでいい〜」

雪菜「今するの・・・しておいで・・・」

雪沙「ラーメンたべおわってからぁ〜」

雪菜「駄目・・・今すぐ・・・でないと、置いていくよ・・・」

 

僕も汗かいたから、シャツくらいは着替えていくか。

 

 

 

公園近くのラーメン屋台にやってきた、

お客さんがすでに何人かカウンターに座っている。

 

店主「へいらっしゃい」

僕「ラーメン4つください」

雪沙「なりゆきは、ゆきさといっしょにたべるんだからねぇ〜」

也幸「!!(コクコク)」

店主「へい、そこの特等席に座って待っててください」

 

特等席、と言われた公園のテーブルにつく。

店のオヤジしっかりしてるな、水も水飲み場のを使ってるし。

蚊が飛んでるから雪巳ちゃん腕をペチパチ叩いてる、雪菜ちゃんはテーブルをハンカチで拭いてる。

 

僕「タオルでも持ってくれば良かったね」

雪沙「なりゆきぃ〜、のらねこさがしにいっちゃだめぇ〜」

雪巳「お兄ちゃんのおでこに蚊ー!」

僕「ほんと?うー、こんなに多いとは」

雪菜「お家で・・・ラーメン作った方が・・・良かったかも・・です」

 

でもそれじゃあデートにならない。

って、みんなで来てる時点でもうデートじゃないんだけど。

 

雪沙「ちょっとさかあがりしてくるぅ〜」

 

鉄棒へ行って、うんしょ、と逆上がり・・・

体が小さくて運動神経はあるから簡単に回ってる、

そしてお約束の、スカートの中が丸見え・・・夜で暗いのが変に淫靡だ。

 

僕「雪沙ちゃんは元気のかたまりだね」

雪菜「じゃあ・・・私は何の・・・かたまりです・・か」

僕「うーん・・・知性のかたまり、ってとこかな」

雪巳「私はー?」

僕「雪巳ちゃんは・・・・・うーん・・・」

 

おっぱ・・・いや、なんでもない。

 

僕「天然・・・自然のかたまりかな」

也幸「・・・・・」

僕「也幸くんは、猫のかたまり」

雪巳「お兄ちゃんは、お兄ちゃんのかたまりだよー」

僕「なんだそれ」

 

エロのかたまりとか言われないだけマシか。

 

店主「へい、おまちどう」

僕「雪沙ちゃーん、ラーメンきたよー」

雪沙「はあぁぁ〜〜〜〜い」

雪巳「もー!蚊にさされた痕がー!」

雪菜「お水・・・無くなったら汲んで来る・・・です」

 

みんなで食べる屋台のラーメン、

夏の蒸し暑い公園でこうしてすすってると、

家族・兄妹って感じが凄くしてていいな、親戚一同が集まってるバーベキューみたいで。

 

雪沙「も〜、なりゆき、こぼしちゃだめぇ〜」

僕「チャーシュー1枚あげるよ、はい」

雪沙「いいのぉ〜?ひとり2枚しかないのにぃ〜」

雪菜「也幸・・・丼に顔突っ込んで寝ちゃ駄目・・・」

也幸「・・・(うつらうつら)」

雪巳「美味しいー、屋台って美味しいねー」

僕「うん、伸びないうちに早く食べちゃおう」

 

そして、みんなをどうするかも・・・・・早く決めちゃわないとな。

 

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