お台場の映画館についた。

 

僕「ここに来たかったんだ」

雪沙「そ〜だよぉ〜、ぴっかっちゅぅ〜のえいがぁ〜」

僕「子供がいっぱいだね」

 

朝最初の上映なのに家族連れがいっぱい・・・

夏休みだからなー・・・ってあんまりキョロキョロすると、

雪沙ちゃんに他の女の子見ちゃ駄目って注意されちゃう。

 

☆高いジュース☆ ☆サッポロポテト☆

雪沙「あれかってぇ〜」

僕「どれ?ポップコーン?違う、サッポロポテトか」

雪沙「おかしたべながらみるぅ〜」

僕「じゃあジュースも・・・いや、お茶も買ってあげるよ」

雪沙「おかしはんぶんこしよぉ〜」

 

ジュースは・・・

1本200円!?高いなぁ、

ボーリング場値段かよ・・・さあ、席も確保しなきゃ。

 

僕「あそこのあれ使う?」

雪沙「どれぇ〜?」

僕「ほらそこ、いっぱい積んであるやつ」

 

☆お子様座布団☆

お子様用の、椅子の上にさらに置く椅子だ。

 

雪沙「いらないぃ〜」

僕「でも前の席の頭で見えなかったりしたら・・・」

雪沙「そのときは、おにぃちゃんのひざのうえにすわるぅ〜」

 

もう・・・子供椅子拒否で背伸びしたかと思えば、

いざとなったら僕の膝に座る、って思いっきり子供じゃないか!

これが雪沙ちゃんらしい、女の子らしい所ってことなのかな?かなあ?

 

僕「じゃあ高さのある後ろの席に座ろう」

雪沙「おにぃちゃんのとなりならどこでもいいぃ〜」

僕「んじゃあ、まあ適当に」

 

☆映画館劇場内☆

開いたばかりの中へ入る、

後ろの方の真ん中あたりへ・・・

このへんでいいかな、座ると雪沙ちゃんが足をぶらぶら。

 

僕「こら!前の人の椅子に足が当たるから駄目!」

雪沙「ぢゃ〜くつぬぐぅ〜」

僕「それでも駄目!大人しくしなさい」

 

とはいうものの他のちびっこも騒がしいな、

走り回ったり椅子の上で飛び跳ねたり大声出したり・・・

たまに大人しい子がいると思ったら携帯ゲームやってるし。

 

僕「あ、トイレ行くなら今のうちだよ?」

雪沙「まだだいぢょうぶぅ〜」

僕「ならいいんだけどさ」

 

なんて話しているうちにみるみる席は埋まり、

場内も暗くなって映画の予告編やCMが流れ始めた。

 

雪沙「ちょっとみにくいぃ〜」

僕「ほら、いわんこっちゃない」

雪沙「ん〜〜〜こうするぅ〜〜〜」

 

身を乗り出してこっちへ・・・

器用に上半身だけ僕の胸に身を預けてきた、

下半身は隣の椅子・・・ていうか手もたれに腰かけてないか?

 

僕「しょうがないな・・・おいで」

雪沙「えへへへへぇ〜〜〜」

 

膝の上へ収納するしかないや。

 

僕「そのかわり、大人しくね」

雪沙「はぁ〜〜〜〜い・・・」

 

あーあ、うっとりしちゃって。

 

僕「さ、本編が始まるよ・・・」

 

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

 

僕「・・・・・」

雪沙「・・・・・・・」

僕「・・・・・」

雪沙「・・・・・・・・・・・ちゅっ♪」

僕「!!!」

雪沙「・・・・・(〜♪)」

僕「はは・・・・・・」

 

今のは気のせいにしておこう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

 

僕「・・・・・」

雪沙「・・・・・・・」

僕「・・・・・」

雪沙「・・・・・・・・・・・ふうぅぅ〜〜〜っ♪」

僕「!!!(ビクビクッ!!)」

雪沙「・・・・・(〜♪)」

僕「あぅ・・・・・・」

 

み、耳に息を・・・

まったくもう、くすぐってやろうか・・・

でもそんな事したら、もっと凄い倍返しが・・・そうだ!

 

僕「・・・(ぎゅううぅぅぅ〜〜)」

雪沙「・・・・・(♪♪♪)」

 

こうして抱きしめててあげればいいや。

 

・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・映画が終わった。

 

雪沙「おもしろかったぁ〜〜〜」

僕「う・・・うん」

雪沙「ちゃんとみてたぁ〜?」

僕「もちろん!それを言ったら雪沙ちゃんだって・・・」

雪沙「ゆきさもちゃんとみてたよぉ〜」

 

・・・・・だよな。

もち途中で飽きてたら、

キスや耳に息どころじゃない、もっと凄い事されてそうだし・・・

 

僕「出よう、出よう」

雪沙「これどこにすてるのぉ〜?」

僕「ペットボトルは出口だよ、ほら手も拭いて!」

 

サッポロポテトの塩まみれになっちゃってるよ。

 

 

 

 

僕「もう10時か、あと2時間あるね」

雪沙「あそこいきたぁ〜い」

僕「ゲームセンター?別にいいけど・・・」

雪沙「はつしまでぇ〜、ゆきさだけ、メダルのゲームできなかったぁ〜」

僕「あれは雪沙ちゃんがちっちゃい男の子と遊んでたから・・・まあいいや」

 

そんな事、根に持ってたのか。

子供らしいというか、ほほえましいと思っておもう。

じゃあメダルゲームだな、入ってまずは・・・2000円分ずつでいいかな・・・

 

ジャラジャラジャラジャラジャラ・・・・・

 

僕「はい、まず雪沙ちゃんの分」

雪沙「もうこれだけでいいよぉ〜、いっしょにつかお〜」

僕「え?競わないの?」

雪沙「もったいないしぃ〜、いっしょにあそぼぉ〜」

僕「わかった、そういう事なら、一緒に増やそう」

 

何をやろうかな・・・

競馬のゲームは人で埋まっちゃってる、

スロットマシンは2人でするもんじゃないし・・・

 

雪沙「あそこすわろぉ〜」

☆ルーレットゲーム☆

 

ペアで座れる椅子が空いてるブースへ・・・

これはルーレットゲームだ、早速メダルを入れよう。

 

僕「・・・とりあえず50個入れたよ」

雪沙「でぇ〜、これど〜やってあそぶのぉ〜?」

僕「知らないで選んじゃったの?・・・まあいいや、これはね」

 

軽く説明してあげるんだけど、

ゲームのボードよりも僕の方ばかりをじーっと見てる・・・

 

僕「で、赤と黒を当てるやつは簡単だけど当たっても2倍」

雪沙「そ〜なんだぁ〜〜」

僕「かけてみる?」

雪沙「おにぃちゃんかけてぇ〜」

僕「うん、わかった」

 

これはきっと、ルールを知りたかったんじゃなくって、

僕にルールを「教えてもらう」っていう事が目的なんだろうな、

何でも良いから僕が雪沙ちゃんだけに熱心に言葉を伝える、それがいいのだろう。

 

☆あたるかな?☆

雪沙「あたったぁ〜?」

僕「わ!あーあ、00番に入っちゃった」

雪沙「そこにはいるとど〜なるのぉ〜?」

僕「00を選んでないから、ハズレだよ」

雪沙「それおしえてもらってなぁ〜い」

 

そんな、教えてもらってたら00に賭けたとでもいいたげな・・・

 

僕「じゃあ今度は雪沙ちゃんが!どこに賭ける?」

雪沙「・・・ぜんぶぅ〜〜」

僕「それ、当たっても、儲からないから!!」

 

他のゲームに移りたくなってきたよ。

 

 

 

 

メダルが全部無くなって出ると、もう11時を過ぎてる。

 

僕「あと1ヵ所くらいどこか行く?」

雪沙「きっさてん〜〜〜」

僕「お昼ご飯?何か食べたいのある?」

雪沙「ん〜〜〜〜〜・・・あ〜、あれがいい〜」

僕「どれかな?・・・・あ!これは・・・」

 

1つのクリームソーダに、

ストローが2本ささってる・・・

伝説の、カップルジュースだ!!

 

雪沙「はいるよぉ〜〜」

僕「あ!・・・しょうがないなーもう」

雪沙「おひるごはんもたべよぉ〜」

 

座ってメニューを選ぶ・・・

そういえば雪菜ちゃんは12時からだっけ、

ということは昼食はまだかな?まだなら僕と一緒に食べるつもりだろう。

だったら、今ここで雪沙ちゃんと食べちゃったら・・・ま、いっか、

僕は僕でコーヒーでも飲んで雪菜ちゃんが昼食終わるのを待てばいいだけだ。

 

雪沙「おむらいすぅ〜」

僕「じゃあ同じものにするよ」

雪沙「あとこのくりぃむそ〜だぁ〜〜」

僕「はいはい・・・すみませーーーん」

雪沙「くりぃむそ〜だ、さきがいい〜〜〜」

 

注文を終えると、

にこにこと僕を見つめる雪沙ちゃん。

2人でいるのが楽しくて仕方がないみたいだ。

 

雪沙「も〜すぐなつやすみおわっちゃう〜」

僕「だね、あっという間だったよ」

雪沙「あした、さいごのと〜こ〜びぃ〜」

僕「まだ学校行く日があるの?」

雪沙「いっしゅ〜かんまえだからぁ、しゅくだいチェックされるのぉ〜」

 

へー、学校側もちゃんと考えてるな。

 

雪沙「でもぉ〜、りょこ〜いってる子は、いかなくていいんだよぉ〜」

僕「なんだ、任意か」

雪沙「でもいったほ〜が、できたぶんのしゅくだい、も〜だせるんだよぉ〜」

僕「じゃあ全部渡せられるね」

雪沙「・・・おにぃちゃんは、しゅくだいないんだっけぇ〜」

 

・・・あるよ、君たちをどうするかっていう宿題が。

 

ウェイトレス「お先にクリームソーダをお持ちしましたー」

雪沙「わぁ〜い、いっしょにのもぉ〜」

僕「う、うん・・・同時がいいんだよね?せーの・・・」

 

ちゅ〜〜〜

ぢゅうううぅぅ〜〜〜〜・・・・・・

 

雪沙ちゃんの目、キラキラ輝いてるよ・・・・・。

 

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