JRを乗り継ぎバスに乗り、
ようやくマンションへ帰ってきた、もう10時20分だ。
無事に帰れてよかったなー大きいトラブルもなかったし。
へとへとでエレベーターへ・・・と思ったら19階に止まってる、待つの長いな。
雪巳「もー体中バキバキー」
僕「うん、汗だらけ・・・お風呂はいりたい」
雪絵「もうねるぅ〜」雪音「ここでねるぅ〜」也幸「・・・ZZZzzz」
僕「こらこら、もうエレベーターに乗るだけだから!」
雪巳「雪菜と雪沙呼んで荷物持たそうよー」
ゆっくりとエレベーターが降りてくる・・・
11・・10・・・9・・・あれ?携帯が光ってる?・・・着信アリだ、
いつのまに・・・番号は・・・ウチだ、ということは雪菜ちゃんか雪沙ちゃんが・・・?
雪巳「やっときたー」
3・・・2・・・誰か乗ってる?中にいたのは・・・!!
僕「あ、雪菜ちゃん!」
雪菜「!!・・・」
ダダッ、と逃げるように駆けていった、
雪巳「どうしたのー?雪菜ー!」
そのまま廊下へ・・・雛塚家に入っていったみたいだ。
僕「心配だな、何だろう」
雪巳「私、見てこよっかー」
僕「うーん、とりあえず上がってからにしよう」
雪絵「にもつもつぅ〜」雪音「ひとつもてるぅ〜」
僕「ありがとう、偉いね・・・こら也幸くん、エレベーターの中で横に寝ない!」
19階を押して、と・・・雪菜ちゃん気になるなー、
携帯の着信も何か関係してるんだろうか?かかってきたの何時だ?
まあいいや、後でわかるだろう。どんどん昇り19階につき扉が開く。
雪絵「なりゆきぃ〜」雪音「くるのぉ〜」也幸「・・・・・zzz」
2人がかりで引きずられてる、
こう見ると雪絵ちゃん雪音ちゃんもお姉ちゃんなんだな、
双子みたいな姉2人に同時に面倒見てもらえるって、ちょっといいかも。
僕「はいキー開けたよ」
20階への厳重なドアを開けると、
也幸くんが捕まった宇宙人みたいに階段を引き上げられていく。
もうすぐ家だ、たった1階分の階段がエベレスト登山のよう・・・玄関が見えた、ゴールだ!
ガチャッ!
雪沙「もってっちゃだめぇ〜〜〜〜!!」
なんだなんだなんだ!?
ドタドタドタ・・・
出てきたのは、3悪兄弟!
確か、名前は・・・広幸、彦幸、信幸だ!
何か持ってる、あれは・・・ゲーム機3つとソフトいっぱい!!
広幸「なんだよ借りるだけだろ〜」
彦幸「これ全部売って6万はいくぜー!」
信幸「あ!やべえ!帰ってきやがった!!」
きやがった、だぁ!?
僕「こら泥棒!」
広幸「雪菜が借りていいって言うからさー」
彦幸「そそそ、5年ぐらい借りるから、やっぱ7年かな」
信幸「文句は雪菜に言えよ!」
雪沙「ゆきなおねぇちゃん、そんなこといってない〜」
あきらかに嘘なのはわかるけど、
やばい・・・へとへとで体力が無い!
このまま持って行かれても、奪い返すだけの力が・・・
僕「置いてけよ!」
広幸「うっせー!雪巳たちにいっぱいおごってるんだろ?」
彦幸「俺たちにも少しくらいくれたっていーだろ!」
信幸「行っちまおうぜ!早くしないとゲーム屋閉まっちまう」
雪巳「駄目ー!返すのー!お兄ちゃんたちの馬鹿ー!」
怯える雪絵雪音ちゃんたちを蹴散らして階段へ・・・
せめて1つだけでも奪い返さなきゃ!お土産を投げ出し後を追う、
19階のエレベーターを待ってやがる、奪い返すなら今しかない!!
僕「くぉらお前ら!」
広幸「どーする?3対1だしボコるか?」
彦幸「めんどくせ、逃げた方がはえーよ」
信幸「じゃー階段で降り・・・エレベーターが来た!」
僕「待て!こいつ・・・う・・あうっ!!」
簡単に弾かれた、
力が残ってないのはもちろんだけど、
最近の中高生は力があるからな・・・エレベーターが開いた!!
広幸「乗ろうぜー」
彦幸「そいつ入れないようになー」
信幸「・・・・・げえっ!!!」
すでに中に誰か乗っていた、
そこにいたのは・・・うっぷ酒臭い!
雛塚のお父さんだ!そして横には雪菜ちゃん。
雛塚父「ヒック・・・てめえら・・・バカヤロー!!」
ビュッ!!
僕「裏拳!!!」
ボグッ!!
広幸「いってぇ〜〜〜!!」
雛塚父「コノヤロー!うら〜〜〜〜!!」
ビュビュッ!!!
僕「南斗水鳥拳!!!」
バキッ!!
グシャッ!!!
彦幸「ひでぇ〜〜〜!!」
信幸「あうぅ〜〜〜!!」
すごい!!
これが酔拳ってやつか!?
雛塚父「てめぇ〜ら・・・ヒック・・・迷惑かけんじゃねぇ〜〜!!」
ビュッ!ビュッ!!
シュシュシュシュシュシュシュッ!!!
僕「凄い!腕が、掌底が何十発も見える!!」
ババババババババババッッ!!!!!
3悪兄弟「ひ〜〜〜助けて〜〜〜ごめ〜〜〜ん」
ガラガラガラガラガラ・・・
ゲーム機本体とソフトを落として階段から逃げていった。
雛塚父「ウィ〜〜〜〜〜・・・・・ヒック」
僕「あ、ありがとうございました!!」
雛塚父「・・・・・・・・じゃあなぁ・・・・ヒックヒック・・・」
再びエレベーターへ・・・
雪菜ちゃんも一緒についていった、
呼んできてくれたのか、良かった・・・お父さんが来てくれなかったら売られてたよ。
雪巳「あー、ちらかってるー」
雪沙「かたづけるねぇ〜〜」
僕「うん・・・あーあ、中のCDが出ちゃってるのもあるよ」
それよりゲーム機本体だよ、
傷ついてないといいけど・・・壊れてはなさそうだ。
雪沙「ごめんなさぁ〜い、まさゆきがいれちゃったのぉ〜」
僕「ひどいなぁ・・・って、雅幸くんを入れちゃってたの!?」
雪沙「うん〜、ゆきさはたかゆきだけでいいっていったのにぃ〜」
僕「隆幸くんもか・・・まあ終わった事はしょうがない」
雪沙「ごめんなさぁ〜〜〜〜い」
そうか雅幸め、あいつのせいか!
大きい事件が起きれば雪巳ちゃんたちが追い出されると思って・・・
いや、単純にあの3悪兄弟に脅されただけかも知れないな、恨むのはよそう。
僕「1度に全部は持っていけないな」
也幸「・・・(ひょいひょい)」
僕「あ、ソフト拾ってくれるの?ありがとう」
家についたから目が冴えちゃったのかな。
とりあえず4人で持てるだけ持って20階へ・・・
玄関では放り出してたお土産を雪絵ちゃん雪音ちゃんが中へ運んでくれてる。
雪絵「それさいご〜、どあしまっちゃうからぁ〜」
雪音「これぇ、どあしまらないようにおいてあるからさいごなんだぁ〜」
僕「ありがとう、玄関に置いてくれたらいいよ」
ソヨカゼ「にゃぁ〜〜〜」
僕「ソヨカゼただいま・・・あれ?エリザベスカラーは?」
雪沙「たかゆきがはずして、まどからなげちゃったぁ〜」
僕「酷いな・・・でもまあ、もう無くても大丈夫そうかな」
それより荷物だ、
家の1歩手前で倍になるとは思いもよらなかった・・・
とりあえず玄関へゲーム機&ソフトも置き、残りを慌てて19階へ拾いに行く。
僕「早くしないと19階の住人に踏まれたら大変だ・・・あ、雪菜ちゃん」
お父さんを1階まで送り届けたのか、
エレベーターでまた戻ってきたみたいだ。
落ちてる残りのゲームソフトを拾ってくれている・・・ちょっと泣いてる。
雪菜「ごめんなさい・・・です」
僕「泣かないで・・・雪菜ちゃんのおかげで助かったよ」
雪菜「でも・・・私たちの・・・せいで・・・」
僕「もういいから・・・電話かけてくれたのも、雪菜ちゃん?」
雪菜「そう・・・です・・・どうしたらいいか・・わから・・なくて・・・」
軽く頭をなでてあげる。
僕「さあ、早く帰ろう、人が来たら変な誤解されちゃう」
雪菜「・・・はい・・・・・です」
僕「これが最後かな・・・雪菜ちゃんのおかげで全部回収できたよ」
さあ、今度こそ家の中に帰れるぞー!!
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