玄関のモニターには・・・

 

美鈴「間に合ったかしら?」

僕「ば、ばっちりです!」

美鈴「そう、よかった」

 

ほっ・・・美鈴姉さんで良かった。

ロック解除!はやく上がってきて!!

 

美鈴「こんばんわ」

僕「はい・・・実は」

美鈴「ん?何かあったの?」

僕「マンションの管理人さんも来てて、一緒に話をすることに・・・」

美鈴「そう・・・んー、それはちょっと困るかも」

 

な、なして!?

 

美鈴「管理人さんは?」

僕「来客用の居間でお茶飲んでます」

美鈴「相談所の人はまだなのよね?女の子たちは?」

僕「僕の部屋でテレビ見てるけど・・・」

美鈴「それは正解。じゃあ、時間も無いし、こっちいらっしゃい」

 

僕は空いている、誰もいない部屋へ引っ張りこまれた。

 

美鈴「さあ、作戦会議よ」

僕「ど、どうするんですか?」

美鈴「それはこっちのセリフよ!」

僕「ええっ!?」

美鈴「さあ、もう1日じゅうぶん考えたでしょ?結論は?」

 

ぐいっ、と顔を近づけられる・・・

 

僕「なんのことですか?」

美鈴「あのねぇ・・・作戦会議するには目的が必要でしょ?その目的よ」

僕「つまり・・・?」

美鈴「あの子たちをどうするか、どうしたいかよ!」

僕「あ、そういう、ことかぁ」

 

ちょっと美鈴姉さん、怒ってる・・・

 

美鈴「まったく能天気なんだから・・・で、あの子たちと住みたいの?それとも追い出したいの?」

僕「追い出すだなんて・・・」

美鈴「時間が無いんだから言葉尻取らないで!選択肢は4つ!いい?よく聞いて即答するのよ?」

僕「はい、はい・・・」

美鈴「A・あの子たちとしばらく一緒に住む B・あの子たちをこの家から追い出す

   C・あの子たちと家族をこのマンションから追い出す D・あの子たちを養子に貰う」

僕「ちょ、ちょっと待って・・・」

美鈴「待てないわ!今、来るかも知れないのよ?さあ、選んで!」

 

うーん、うーん、うーーーーーん・・・

 

僕「A・・・かな」

美鈴「ファイナルアンサー?」

僕「ファイナルアンサー!」

 

わっ!つい反応して言っちゃった!

 

美鈴「・・・・・・・・・・正解!」

僕「ええっ!?」

美鈴「に、なるといいわね。わかったわ、後は任せて」

僕「美鈴姉さんに?」

美鈴「ええ、弟クンは胸張って、客観的事実だけ言いなさい、後は私が立ち振る舞うから」

 

廊下に出て僕の部屋へ向かう、

そっちは三姉妹がいる方なのに・・・

 

美鈴「はーい、みんな集まって集まって!テレビ消してー」

雪巳「あー、昨日のお姉さん!」

雪菜「・・・・・(ぺこり)」

雪沙「な〜に〜?テレビけすねぇ〜」

美鈴「いい?よく聞くのよ、これから児童相談所の人たちが来るの」

 

ば、ばらして・・・いいのか?

 

美鈴「そこで、作戦なんだけど、まず学校の服を着て・・・あ、弟クン!」

僕「はいっ!」

美鈴「君は管理人さんの所へ行って場を繋いでて」

僕「僕だけ、ですか?」

美鈴「そうよ、そろそろ退屈してるでしょうから・・・こっちに来させないためにも。早く!」

 

僕は急いで来客用居間へ向かう。

管理人さんのお茶がなくなってる・・・入れなきゃ。

 

僕「すいません、気が利かなくて」

管理人「いえいえ、それにしてもあの子たち、どうなるかねえ・・・」

僕「はい・・・」

管理人「やっぱり施設に引き取ってもらいましょうか」

僕「そう・・・ですか」

 

いや、よけいな事言っちゃ駄目だ!

 

管理人「あの子たちが不憫でねえ・・・」

僕「はぁ・・・」

管理人「どうしたものかねえ・・・」

 

コポコポとお茶を入れる・・・

作戦会議はどうなってるんだろう?

そして・・・あの子たちは、どうなるんだろう???

 

 

時計は進み、午後8時半を迎えようとしていた・・・

 

ピンポーン

 

僕「やっと来たみたいですね、行ってきます」

管理人「はいはい」

 

玄関に向かおうとすると、ドタドタ足音が!?

 

雪沙「は〜〜〜い」

 

まずい!雪沙ちゃんが出てる!!

ちゃんと下と会話するボタン覚えちゃってるし・・・

止めさせ・・・あれ?美鈴姉さんもいる?何で止めなかったんだ?

 

職員の女性「児童相談所の者ですが・・・」

雪沙「は〜〜〜い、あけまぁ〜〜す」

 

カチャ

 

ロック外すボタンまで!?

 

僕「美鈴ねえさん!あ、雪巳ちゃんと雪菜ちゃんも!」

美鈴「・・・弟クンは黙ってるの!さ、みんなで迎えるわよ」

僕「うん・・・あ、こっちの玄関の鍵が閉まってる、開けなきゃ」

雪巳「私があけるー」

 

ガチャッ

 

職員の女性「はじめまして、こんばんわー」

職員の男性「こんばんわ、失礼します」

雪巳「こんばんわー」

雪菜「こんばんわ」

雪沙「こんばんわ〜〜」

 

三姉妹が率先して出迎えてるぞ!?

 

美鈴「わざわざ申し訳ありません、どうぞこちらへ・・・」

 

こうしてみんな、来客用の居間へと集まった。

 

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