食事を終えた足で、飛び出す映像シアターを堪能した。

 

僕「也幸くん、まだ目の前が気になるの?」

雪巳「ずっと立体メガネの前で手ふってたねー」

雪絵「はずしたりかけたりはずしたりかけたりしてたぁ〜」

雪音「え〜、ずっとまえみてたから、きづかなかったぁ〜」

也幸「・・・?????」

 

まあ、不思議なことは不思議なまま持ち帰ってもらおう。

 

僕「次は何にしようか」

雪巳「あー、あそこ3時間待ちになってるー」

僕「どこどこ?あ!あそこは・・・スペースレンジャーシューティング!」

 

雪巳ちゃんと2人きりで乗ったやつだ、

もうこんな待ち時間になっちゃったら並ぶのは絶望的・・・

先に乗っちゃって良かった、そういえば賭けの「何でも1つ言うことをきく」ってまだ使ってないよな。

 

雪絵「あのえがこわぁ〜い」

雪音「目が三っつのおばけぇ〜」

僕「あはは、お化け屋敷じゃないから」

也幸「・・・・・・・・(ぽけー)」

雪巳「也幸は平気みたいだよー」

 

平気というより無関心・・・

そうだ、じゃあ実際のお化け屋敷はどうだろう?

ゴーストハウス・・・雪絵雪音ちゃんには刺激が強すぎるかなあ?

 

雪絵「ねぇ〜、ネズミーさんはどこであえるのぉ〜?」

雪音「ぱれ〜どおわったから、もうおうちにかえってるぅ〜?」

僕「そうだね・・・じゃあネズミーさんに会いに行こうか!」

也幸「!!!!!」

雪巳「也幸がちょっと恐がってるみたーい」

 

そうか、也幸くんが駄目か・・・

でも雪絵ちゃん雪音ちゃんが会いたがってるし・・・そうだ!

 

僕「雪巳ちゃん、お願いが1つあるんだ、約束の言うこと1つきいてくれるよね?」

雪巳「うんいいよー、どうしたらいいのー?」

僕「雪絵ちゃんと雪音ちゃんをネズミーの家に連れてくからさ、也幸くんを・・・」

雪巳「わかったー、也幸と一緒に待ってるー」

僕「時間かかりそうだから2人で何かに乗っててもいいよ、エリアから出なければ」

 

この程度の軽いお願いでいいだろう、

別にこんな遊園地の中で、あんな事こんな事させるつもりは無いから。

・・・雪巳ちゃんが勝ってたら、させられたんだろーなー・・・あー恐い恐い。

 

僕「ここを通り抜ければアニメエリア・・・あったあった」

雪絵「ここきたぁ〜」雪音「ふわふわのいえ〜」也幸「!!(コクコク)」

僕「そっか、でもネズミーさんの家はまだだよね?」

雪巳「也幸、ちっちゃいジェットコースターのろー」

僕「任せたよ!さ、雪絵ちゃん雪音ちゃんは、あっちへ並ぼう」

 

屋根がいい感じで出てるから待機列が日陰になってて涼しい。

 

雪絵「あのねぇ〜、ふわふわのいえ、すっごいたのしかったのぉ〜」

雪音「からだがふわふわになってぇ〜、おもしろかったぁ〜」

僕「ははは、楽しんでくれたみたいで安心したよ」

 

小2小3とはいえ女の子だから、

かなりなついてくれてるのは嬉しいけど、

べたべたしてくるから暑さもあって、ちょっとだけ鬱陶しい。

 

雪絵「おにぃちゃんはどこいってたのぉ〜?」

雪音「ゆきみおねえちゃんと、ちゅ〜したのぉ〜?」

僕「し、してないしてない!さっきの三つ目の宇宙人倒したりしてたんだよ」

雪絵「ぢゃ〜、ゆきえとちゅ〜するぅ〜?」

雪音「ゆきねもちゅ〜するぅ〜、おにぃちゃ〜ん」

 

女の子とはいえ小2小3が何て事を!

気持ちは嬉しいけど、ここは頭をナデナデ・・・と。

 

僕「チューはいいから、列が進んでるから前を詰めるよ」

雪絵「え〜、あいさつのちゅ〜だよ〜」

雪音「おうちかえったらぁ、おにぃちゃんのおうちにすめるぅ〜?」

僕「・・・だーめ!雪絵ちゃん雪音ちゃんは下のお家があるから、ね?」

雪絵「いれてぇ〜」雪音「いれてほしぃ〜〜」

 

こんな所でねだらなくても・・・

 

僕「大人しく待ってないとネズミーさんが会ってくれないよ?」

雪絵「はぁ〜い」雪音「ねぇねぇ〜、かったえほんはぁ〜?」

僕「お土産のミニ絵本?もう宅配便で送っちゃったよ、明日あげる」

 

これくらいの子って、

落ち着き無いし、やかましいんだよなー

也幸くんがいかに特別に大人しいのかよくわかるよ。

 

僕「もうすぐ玄関だよ」

雪絵「あれおしたぁ〜い」

僕「呼び鈴だね、持ち上げてあげる、はいっ」

 

・・・小3とはいえ、やわらかいなぁ・・・さすが女の子だ。

 

ぴこぴこぴろりんっ♪

 

ネズミーの声「ハーイ!いらっしゃい!楽しんでいってねー!」

 

雪絵「これおもしろぉ〜い」

雪音「わたしもおすぅ〜〜」

僕「はい、じゃあ雪音ちゃんも・・・」

 

ぴこぴこぴろりんっ♪

 

ネズミーの声「ハーイ!ようこそ!ここはネズミーのお家だよ!」

 

雪音「べつのことしゃべったぁ〜」

僕「さあ、中に入るよ、色々仕掛けがあるから」

 

ネズミーの家を雪絵ちゃん雪音ちゃんは暴れまわるように堪能し、そして・・・

 

僕「いよいよこの向こうにネズミーがいるんだよ」

男性従業員「こんにちは、ネズミーくんとの記念撮影はいかがですか?」

雪絵「しゃしん〜」雪音「いくらぁ〜?」

男性従業員「お値段は1000円で、記念写真を撮影いたします!」

僕「・・・そういえば使い捨てカメラ、雪巳ちゃんが持ったままだった」

男性従業員「写真を撮影いたしますと、出来上がりは午後6時半となります」

雪絵「どうするぅ〜?」雪音「じかんまにあう〜?」

僕「・・・・・買います、お願いします」

 

せっかくだから買わないと、もったいない。

 

ガチャ

 

女性従業員「ネズミーさんの準備ができましたー、みなさんどうぞこちらへー」

雪絵「わぁ〜〜い」雪音「あえるぅ〜〜〜」

僕「飛び込まないの!ネズミーさんびっくりしちゃうよ?」

 

部屋に入るとネズミーさんが!!

 

雪絵「うわぁああああ〜〜〜〜い!!」

雪音「うれしいぃぃぃ〜〜〜〜い!!」

僕「こらこら、飛びついたらひっくり返っちゃうって!」

 

ネズミーさんは慣れた様子で雪絵ちゃん雪音ちゃんを落ち着かせる。

そして再び抱きついてこれないようにオーバーアクションで楽しませて・・・

やっぱりプロだな、1度雛塚家全員を飛びつかせて、あわてふためかせてみたいかも。

 

女性従業員「はー、ネズミーさんはテレビアニメ最新作の撮影をしていまして、その合間の休憩時間を利用してこうして・・」

雪絵「あははははあああぁぁ〜〜〜♪♪」

雪音「おもしろおおおおぉぉ〜〜い♪♪」

 

まるで聞いちゃいない・・・ま、いっか。

 

女性従業員「それでは皆さん、もうお時間となりましたので・・」

雪絵「え〜はや〜い」雪音「もうおわりぃ〜?」

 

30秒も経ってないから文句も無理はない。

でも、多くの人数をさばくには仕方ないんだよ雪絵ちゃん雪音ちゃん。

 

男性従業員「それでは記念撮影を行います、並んでー」

僕「じゃあ両サイドに・・・やさしく抱きつくんだよ」

雪絵「おにぃちゃんはぁ〜?」雪音「まんなかしゃがむぅ〜?」

僕「僕は・・・別に入らなくてもいいや」

女性従業員「え〜、一緒に入ったほうがいいのになぁ〜」

 

余計なフォローを・・・

気を使った心配りなんだろうけど、

そういう踏み込んだ発言はいかにネズミーランドといえど、いらないと思う。

 

仲良く並んではい・ぽーず!

 

パシャ!!

 

男性従業員「ありがとうございましたー」

女性従業員「またネズミーに会いに来てくださーい!!」

雪絵「またねぇ〜〜」雪音「ありがとぉ〜〜〜」

 

手を振るネズミーさんたち、

それに応える雪絵雪音ちゃん・・・良い記念になった。

午後6時半に写真受け取りブースか、忘れないようにしよう。

 

僕「さあ、雪巳ちゃんと也幸くんが待ってるよ」

 

みんなで手を繋いで出る、

雪巳ちゃんと也幸くんはどこで待って・・・いた!

恐ろしくノロノロのオープンバスに乗ってる!!

 

雪巳「あーお兄ちゃんー」

僕「凄いバスに乗ってるね」

也幸「・・・(コクッ)」

雪巳「おもちゃのバスの、大きいのだよー」

雪絵「わたしのほ〜がはやいぃ〜」

雪音「バスおいぬいちゃうよぉ〜」

 

確かに大人が普通に歩くより速度が遅い。

 

雪巳「也幸と速いコースター乗ったから今度は遅いの乗ってるのー」

僕「で、それはいつバス停につくの?」

也幸「・・・・(ひょい)」

雪絵「あ〜おりちゃったぁ〜」

雪音「かってにおりちゃだめだぉよ〜」

僕「あ!・・・いいのか、もう着いてる」

 

遅すぎて、いつ止まったのかわからなかったよ。

 

雪巳「お兄ちゃんたちはどうだったのー?」

僕「うん、写真撮ったよ、出来上がりは6時半」

雪巳「じゃー帰りだねー」

也幸「!!!!!(コクコクコク)」

僕「ははは、也幸くんは写ってないけどね」

 

逆にこっそり映ってたりして。

この子なら、それが本当にありそうで恐いよ。

 

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