パレードを見終え、ちょっと時間が余った。

あと15分くらいか、中途半端だな〜、すぐ乗れるアトラクションってないよな?

 

雪巳「ねー、あれ乗ろー」

僕「あれ?・・・空とぶ象さん?子供向けだよ?」

雪巳「ちっちゃいとき乗れなかったから今乗りたーい」

僕「うーん、親子連れも乗ってるから、重量オーバーは無さそうだけど・・・」

雪巳「20分待ちだってー、ならぼならぼー」

 

・・・並んじゃった、まあいっか。

乗って空中でくるくる旋回するだけだから大丈夫だろう、

あきらかにちびっこばっかりの列はちょっと恥ずかしいけど・・・

 

雪巳「ねーねー、待ってる間ねー」

僕「どうしたの?」

雪巳「お兄ちゃんのこと聞かせてー」

僕「聞かせてって、何が聞きたいの?」

雪巳「んー、なんでもいいよー」

 

なんだ、暇つぶしか。

 

僕「何でもいいって言われても何言っていいのか困っちゃう」

雪巳「じゃー、お兄ちゃんのパパとママはー?」

僕「元気だよ、調布でウチよりもっと大きいマンションのオーナーしてる」

雪巳「すごーい、いいなー、私のパパとママなんてねー・・・」

 

と話し込んでいるうちに順番がやってきた。

 

僕「うわ、あらためて近くで見ると狭いなー」

雪巳「乗ろー・・・こっちー」

僕「うん・・・なんとか納まった」

 

ぎゅうぎゅう詰めで体が密着する・・・

雪巳ちゃんの良い匂い・・・やわらかい体・・・長い髪が僕をくすぐる・・・

 

雪巳「浮いたー」

僕「うわ!思ったより上から見ると、高いぞ」

雪巳「おもしろーい」

僕「それに予想以上に加速して・・・上下の動きも激し・・・うわわっ」

雪巳「お兄ちゃん恐かったら私に抱きついていいよー」

 

・・・もう抱きついてるのとかわんないよ、この狭さじゃ!

乗るマシンが小さいから、全身を振り回されてるみたいで・・・

わわわ!は、は、はやく終わって・・・雪巳ちゃんは笑顔だけど、僕はひきつってるんだろうなぁ・・・

 

・・・・・プシューーーー・・・

 

雪巳「終わったーー」

僕「う、うん、ちょっと待って・・・」

雪巳「もー、引っ張ってあげるー」

 

助けられて何とか立ち上がる。

情けないけど、でもなぜか楽しかった・・・

きっと雪巳ちゃんが、物凄く楽しそうだからなんだと思う。

 

僕「はは・・・ごめんね、ちょっとふらついちゃって」

雪巳「ベンチで休むー?」

僕「ううん、いいよ、ネズミー像の前へ行って雪絵ちゃんたちを待とう」

 

あーどきどきした・・・

乗り物のドキドキもあるけど、

顔を覗き込まれた時、そのままキスされるかと思っちゃったよ・・・

 

 

 

 

待ち合わせ場所のネズミー像前につくと、

丁度、ガイドツアーのお姉さんがみんなを集めて何かやってる。

 

お姉さん「はーい、それではみんなが撮影した隠れネズミーをチェックしますねー」

 

デジカメを順番に回収しながらチェックしてる、

見つけた数に応じてキャラクターのシールを貰ってるみたいだ、

しかも今のところみんな7枚・・・まあ、自分だけ6つしか見つけられなかったら泣いちゃうもんな。

 

お姉さん「はーい、雪音ちゃんも雪絵ちゃんも7枚、最後は也幸くんですよー」

也幸「・・・・・」

お姉さん「・・・5、6、7、8・・・えっ?は、八枚っ!?」

也幸「!!!(コクコクコク)」

お姉さん「これは・・・あ、古いツアーコースの!久しぶりに見たわ・・・」

 

予想外の事があったらしい、

きっと也幸くんがツアー抜け出した時に撮ったんだろなー。

 

お姉さん「どうしようかしら・・・まあいいでしょう、也幸くん、はーい8枚!!」

也幸「〜〜〜♪」

お姉さん「カメラは回収しますが、みんなのかぶってるお帽子はそのまま持ってかえっていいですよ〜」

雪絵「やったぁ〜」雪音「うれしぃ〜」

お姉さん「それでは最後に記念撮影をしま〜す、できあがった写真はみなさんのお家まで送りますからね〜」

 

みんな集まってハイポーズ・・・みんな良い笑顔をしてるよ。

 

お姉さん「ツアーはこれでお終いでーす、あらあら、みんなのパパやママが迎えにきましたよー」

雪絵「はぁーい、ありがとー」雪音「たのしかったぁよぉ〜」也幸「!!!!(コクコクコクコク)」

お姉さん「それではみんな、この後も東京ネズミーランドをもっともっと楽しんでいってねー♪」

 

終わってちびっこ達が両親の元へ駆け寄っていく、

僕の所へも雪絵ちゃん雪音ちゃん也幸くんが楽しそうに・・・

 

雪絵「おわったよぉ〜」

雪音「おしゃしんとってまわったぁ〜」

也幸「・・・・・♪」

雪巳「良かったねー、お兄ちゃんにもお礼言うんだよー」

僕「はは・・・さあ、お腹空いたよね?宇宙ピザを食べに行こう」

 

貰ったシールを楽しそうに見比べてる、

也幸くんだけ1つ多い・・・シールといえばネームシール貼ったままだ、

まあいっか、迷子になったときに目立つから、これはこれでランドを出るまでつけておこう。

 

雪絵「あのねぇ〜、どこでもなりゆきがすぐみつけちゃうのぉ〜」

雪音「なりゆきがゆびさしちゃうから、みんなすぐわかっちゃうんだよぉ〜」

僕「それは凄いね、也幸くん、ちょっと見ただけですぐわかっちゃうんだ」

也幸「〜♪〜〜♪♪」

雪巳「也幸そういうの得意だからねー」

 

画家とか芸術家の素質もあるかも知れないな。

 

雪絵「ぱれぇど、うえからみたんだよぉ〜」

雪音「ほんとだよぉ〜、やねのうえからみてたのぉ〜」

僕「それはラッキーだったね、あのパレードを上から見られるなんて!」

雪巳「ご飯もうすぐだから我慢するのー」

也幸「・・・(コクコク)」

 

と話してるうちに宇宙ピザ屋さんについた。

 

僕「んー、適当に買ってくるから座って待ってて」

雪巳「ジュース持ちきれないよー?私も手伝うー」

僕「じゃあ雪絵ちゃん雪音ちゃん、そこのテーブルで也幸くんをしっかり捕まえててね」

雪絵「うん〜」雪音「にぎってるぅ〜」也幸「・・・(あせあせ)」

僕「さてと・・・ピザが凄く安いのはいいんだけど、サラダが値段高いんだよな」

 

まあ、あの子たちなら残さず食べてくれるだろう。

 

 

 

雪巳ちゃんとテーブルへ食事を運ぶと、

也幸くんが雪絵ちゃん雪音ちゃんに、いじられて遊んでる。

 

雪絵「ほっぺたむにゅぅ〜」

雪音「かみのけちょんまげぇ〜」

也幸「・・・・・」

僕「こらこら也幸くんをオモチャにしない!」

雪巳「でも、うちのお兄ちゃんたちはもっと本当に酷いことするよー」

 

まあ、顔中に落書きするくらいだからな、

今のこのくらいなら、本当に「遊ばれてる」程度なんだろう。

 

僕「よし、じゃあピザだけど・・・也幸くん!」

也幸「・・・?」

僕「何か喋ったら食べていいよ」

也幸「!!!」

僕「喋らなかったら、お昼ご飯は抜きね」

 

☆也幸おろおろ☆

おろおろと焦ってる、

ピザを食べたいのに食べちゃいけなくて、あたふたしてる。

 

僕「さん、はいっ」

也幸「・・・ー!ーーー!!」

僕「うなり声じゃ駄目!ちゃんと言葉でね」

雪巳「ニャーとか言っちゃ駄目だよー」

雪絵「はやくぅ〜」雪音「たべたぁ〜い」

 

みんなにプレッシャーかけられて変な汗が出そうな也幸くん!

その口が、ほんの小さく、ついに・・・・・開いた!!!

 

也幸「・・・うんとこしょ・・・どっこいしょ・・・それでもかぶは・・・ぬけません・・・」

 

な、なんだそのチョイスは!!

 

僕「ま、まあ、約束だから食べていいよ」

雪巳「いただきまーーす」

也幸「!!!(はむはむぺちゃくちゃ)」

 

うーん、学校で習った国語から抜粋したんだろうか?

面白いけど、無理矢理みたいでちょっと罪悪感が残るな・・・

でもまあいっか、これもちゃんと喋れるようになる訓練だ。

 

雪絵「あさのとちがってしょっぱくっておいしぃ〜」

雪音「あさはあまいの〜、おひるはしおからいの〜、どっちもおいしぃのぉ〜」

僕「ピザだからね、サラダもちゃんと食べてね、はい」

也幸「・・・(くっちゃくっちゃくっちゃ・・・ごっくん)」

雪巳「食べ終わったらちゃんとお口拭くんだよー」

 

・・・朝・昼とパン系できたから夕食はお米にしたいな、

そうなると夕食は・・・和食レストラン混んでそうだな、後はカレーライスか。

 

僕「ん・・・宇宙ピザ美味しいな、どこが宇宙かさっぱりだけど」

雪巳「食べ終わったらどこいくー?」

僕「どこにしようか・・・みんなどこがいい?」

雪絵「ぢゅ〜すもおいしぃ〜」雪音「やさいもおいしぃ〜」

僕「ま、行ってないとこでいっか・・・キッズツアーは何に乗ったの?」

 

って聞いても食べるのに夢中そうだな。

 

也幸「〜〜〜♪♪(くっちゃくっちゃ♪♪)」

僕「近くでいいか・・・飛び出す映像シアターにしよう」

雪巳「7月に入ったとこだよねー?」

僕「うん、でも雪絵ちゃんたちがまだだから」

雪巳「わかったー、じゃーもういっかい見るー」

 

・・・テーブルの上で揺れてる大きなおっぱい、

スポーツブラで押さえてるからよけい立体的な迫力が・・・

飛び出す映像シアターよりこっちのがよっぽど・・・んぐ!喉に詰まっちゃう、ちゃんと食べよう。

 

也幸「・・・(ずずずずず〜〜〜〜〜)」

 

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