パレードを見終え、ちょっと時間が余った。

あと15分くらいか、中途半端だな〜、すぐ乗れるアトラクションってないよな?

 

雪沙「あ〜〜〜、みなほちゃ〜〜ん!」

 

他の家族連れに駆け寄って、

雪沙ちゃんよりちょっと背の高い少女と話はじめた。

 

水穂「ゆきさちゃん〜!どうしたの〜?」

雪沙「あそびにつれてきてもらったの〜」

水穂「へ〜〜、となりのシーにはもういったぁ〜?」

雪沙「きょうはいってないけど、7月にいったよ〜」

水穂「わたしはきのういったの〜、シーにとまったの〜」

 

ちょっと雪沙ちゃん嬉しそうだな、自慢できるのが。

 

雪沙「ゆきさも7月にとまったよ〜、おへやから花火きれいだったぁ〜」

水穂「え〜、わたしのへや、はなびみえなかったぁ〜」

雪沙「へやにね〜、ねずみ〜さんやブーブーベアーさんもきた〜」

水穂「うそ〜、くるわけないよ〜、きのうのへや、こなかったよ〜」

雪沙「ほんとにきたよ〜、がっこ〜でしゃしんみせてあげる〜」

 

あーあ、その自慢はちょっといただけないな。

 

水穂「ゆきさちゃんいいな〜、きゅうにおかねもちになったの〜?」

雪沙「おにいちゃんのおかげだよ〜、このおにいちゃんにつれてきてもらったの〜」

僕「ははは・・・雪沙ちゃん、妹や弟が待ってるからそろそろ行こうか」

 

あーあ、水穂ちゃんのご両親に、いぶかしげな目で見られてるような気がしてきた。

 

水穂「ゆきさちゃん、ひょっとしてしらないひとについてきちゃったの〜?」

雪沙「ちがうよ〜、しらないひとぢゃなくって〜、おっきいおともだちだよぉ〜」

僕「い、行こう!行こう行こう!!ほらほらほら!じゃ、それじゃあ!!」

 

無理矢理に雪沙ちゃんを、まるで連れ去るようにしてその場を離れる。

やっばいなー、説明すると長いうえに、あらぬ疑いを深めてしまうかも知れない。

養子に貰った後ならまだしも、今の僕の状況は雪沙ちゃんが言った通り「おっきいお友達」だ。

 

雪沙「ど〜したのぉ〜?」

僕「もう・・・能天気だなぁ雪沙ちゃんは」

雪沙「いい天気だよ〜・・・あ〜、おっきいリスがあるいてるぅ〜」

 

ネズミーキャラクターを見つけて走っていった、

ほんっとにこの子は、色んな意味で振り回してくれるよ・・・まったく。

 

 

 

 

待ち合わせ場所のネズミー像前につくと、

丁度、ガイドツアーのお姉さんがみんなを集めて記念撮影だ。

 

お姉さん「それでは最後にみんな集まったお写真をとりま〜す、後でみなさんのお家まで送りますからね〜」

 

仲良く並んでハイポーズ・・・みんな良い笑顔をしてるよ。

 

お姉さん「ツアーはこれでお終いでーす、ほらほら、みんなのパパやママが迎えにきましたよー」

雪絵「はぁーい、ありがとー」雪音「たのしかったぁよぉ〜」也幸「!!!!(コクコクコクコク)」

お姉さん「それではみんな、この後も東京ネズミーランドをもっともっと楽しんでいってねー♪」

 

終わってちびっこ達が両親の元へ駆け寄っていく、

僕の所へも雪絵ちゃん雪音ちゃん也幸くんが楽しそうに・・・

 

雪絵「おわったよぉ〜」

雪音「このおぼうしもらったのぉ〜、あとぉ〜、のりもののっただけ、シールもらったぁ〜」

也幸「・・・・・(さっ)」

雪沙「なりゆきの、し〜るわけてくれるのぉ〜?」

僕「え?僕も?ありがとう・・・8枚のうち2枚も!?」

 

貰ったシールを楽しそうに見比べてる、

也幸くん、僕と雪沙ちゃんに2枚ずつくれて手元に4枚だ。

シールといえばネームシール貼ったままだ、まあ、迷子になったときに目立つからランドを出るまでつけておこう。

 

僕「じゃあこれから遅いけどお昼ご飯だよ」

雪絵「いっぱいのったからおなかすいたぁ〜」

雪音「ひとつのったら、し〜るふたつくれたんだよぉ〜」

雪沙「ぢゃ〜、4つのったのぉ〜?」

也幸「・・・(ぶるんぶるん)・・・(さっ)」

 

右手で指3本、左手で指1本・・・あぁ、きっと1本はパレードだな。

と話してるうちにクマさんのカレーハウスについた、いい匂いが流れてくる。

 

僕「んー、適当に買ってくるから座って待ってて」

雪沙「ゆきさもはこぶよぉ〜、おてつだいできるぅ〜」

僕「じゃあ雪絵ちゃん雪音ちゃん、そこのテーブルで也幸くんをしっかり捕まえててね」

雪絵「うん〜」雪音「にぎってるぅ〜」也幸「・・・(あせあせ)」

僕「さてと・・・お子様カレーは・・・あった、あとデザートはどうしよう・・・」

 

まあ、あの子たちなら残さず食べてくれるだろう。

 

 

 

雪沙ちゃんとテーブルへ食事を運ぶと、

也幸くんが雪絵ちゃん雪音ちゃんに、いじられて遊んでる。

 

雪絵「ほっぺたむにゅぅ〜」

雪音「かみのけちょんまげぇ〜」

也幸「・・・・・」

僕「こらこら也幸くんをオモチャにしない!」

雪沙「でもなりゆき、いやがってないよぉ〜?」

 

まあ、本当に仲が良さそうだからな、

今のこのくらいなら、単純に「遊ばれてる」程度なんだろう。

 

僕「はいカレー・・・待って!也幸くん」

也幸「・・・?」

僕「何か喋ったら食べていいよ」

也幸「!!!」

僕「喋らなかったら、お昼ご飯は抜きね」

 

☆也幸おろおろ☆

おろおろと焦ってる、

カレーを食べたいのに食べちゃいけなくて、あたふたしてる。

 

僕「さん、はいっ」

也幸「・・・ー!ーーー!!」

僕「うなり声じゃ駄目!ちゃんと言葉でね」

雪沙「なりゆきしゃべれるぅ〜?」

雪絵「はやくぅ〜」雪音「たべたぁ〜い」

 

みんなにプレッシャーかけられて変な汗が出そうな也幸くん!

その口が、ほんの小さく、ついに・・・・・開いた!!!

 

也幸「・・・にゃぁぁ〜〜〜〜〜」

 

ね、猫の言葉を喋った!?

 

雪沙「むりやりしゃべらせたら、かわいそぉだよぉ〜」

僕「ご、ごめん・・・わかった、もう食べていいよ」

也幸「!!!(はむはむぺちゃくちゃ)」

 

確かに嫌なことを無理矢理させるのは可哀想だよな、

でもちょっと甘やかし過ぎな気もするけど、

まあここは雪沙ちゃんの弟思いに免じて・・・いっか。

 

雪絵「かれぇだいすきぃ〜」

雪音「おにくがおおいからうれしぃ〜」

僕「良かったね、デザートもあるからね」

也幸「・・・(くっちゃくっちゃくっちゃ・・・ごっくん)」

雪沙「なりゆきぃ〜、おくちふいてあげるぅ〜」

 

・・・朝ホットケーキ、昼カレーときて夜どうしよう?

ディナーショーはもう予約でいっぱいだろうしな・・・まあ思いつきでいいか。

 

僕「そうだ、雪沙ちゃん、也幸くんに聞いて欲しい事があるんだけど」

雪沙「なぁにぃ〜?カレーならおいしいよぉ〜?」

僕「そうじゃなくって・・・也幸くんって、どうして、着ぐるみが、恐いの?」

雪沙「きいてみるねぇ〜、なりゆきぃ〜、どうしてネズミーさんとかこわいのぉ〜?」

也幸「・・・・・・・・(くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ・・・・・ごっくん)」

 

食べるのに夢中だったのが、ようやく一息ついたみたいだ。

 

也幸「・・・・・」

雪沙「え〜、そうなのぉ〜?」

也幸「・・・ーーー!!」

雪沙「そうだったんだぁ〜」

僕「な、なんて言ってるの!?」

 

抽象的な答えしか出ないような気がするけど。

 

雪沙「あのねぇ〜、なりゆき、なかがこわいんだってぇ〜」

僕「へ?・・・・・中?中って・・・中身?」

雪沙「なかにひとがはいってるからこわいんだってぇ〜」

僕「なるほど、そういう訳か」

也幸「!!!(コクコクぱくぱく)」

 

それなりにちゃんと理由があったんだ。

 

雪沙「なかにひとがかくれてるから、こわいってぇ〜」

僕「つまり、隠れてるイコール何かされるかも、って事か」

也幸「〜〜〜♪♪(くっちゃくっちゃ♪♪)」

 

何もされないのに、むしろ楽しませてくれてるのに・・・

きっと兄たちに意地悪されたり虐められたりしたせいで、

そういう発想になっちゃてるのかも?だとしたら、可哀想すぎる。

 

僕「そうだ!カレー食べ終わったら、どこ行きたい?」

雪絵「どこでもいい〜」雪音「いってないところぉ〜」

僕「うーーーん・・・也幸くんは?」

也幸「!!!・・・ーーーーー!!」

雪沙「え〜・・・なりゆき、ねこねこえんいきたいんだってぇ〜」

 

はは・・・つまり、ネズミーランドを出ろ、と。

 

僕「それは駄目だよ、今日はみんなで遊びに来てるんだから」

也幸「・・・・・!!!」

僕「也幸くん1人だけのわがままで行く訳にはいかないから、ね?」

也幸「・・・・・・・(しくしくしく)」

僕「べそかいても駄目!」

 

まあ、また機会があったら連れて行ってあげよう。

 

雪沙「なりゆきなでなでぇ〜」

 

・・・う、雪沙ちゃんの胸のポッチが目に入った、

小5のあんな小さい胸でも、乳首が浮き出て見えちゃうと、

色気なんてなくてもドキッとするもんだ・・・んぐ!喉に詰まっちゃう、ちゃんと食べよう。

 

也幸「・・・(ずずずずず〜〜〜〜〜)」

 

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