ネズミーランドの園内インフォメーションについた。

 

僕「すいません、この割引券でガイドツアーを・・・」

係員「はい、キッズツアーですね!では以下のコースからお好きなのをお選びください」

僕「どれどれ・・・3種類あるな・・・」

 

也幸くんに足にしがみつかれながらツアーを選ぶ。

どれも「3つのアトラクションと1つのショーまたはパレード」を巡るのか、

時間にして2時間から2時間半・・・料金は1人3000円、が半額の1500円になる。

 

僕「まずは・・・ネズミーランド冒険ツアー・隠れネズミーを探せ!か」

 

園内のあらゆる場所に隠されている7つの「隠れネズミー」を探すツアー、

ああ、あれか、なんでもない模様の壁にこっそりネズミーの形があったりするやつだな。

それを探しに行く・・・楽しいんだろうか?僕が小学生低学年なら・・・見つけたら嬉しいかな。

 

僕「次は・・・ネズミーランド、キャラクターツアー・ネズミーさんに会いに行こう!か」

 

園内のどこかにいるネズミーさんに会うため、他のネズミーキャラクターを尋ねて・・・

あー、これは駄目だ、也幸くんが逃げ回っちゃう。きっとネズミーさんに最後に会うまでに、

色んな着ぐる・・・キャラクターと会うんだろうけど、雪絵雪音ちゃんが大喜びでも也幸くんが・・・

 

僕「最後は・・・ネズミーランド乗り物ツアー・子供だけで楽しもう!か」

 

園内にある子供向けアトラクションを最優先で、ツアー貸切で・・・

貸切って凄いな、まあ1つの滑車だけとかだろうけど、それでも最優先は凄い。

子供専用のアトラクションに乗ってるのを僕が待つ手間も省けていいな・・・これかなぁ。

 

僕「どれがいいかな・・・ねえ也幸くん」

也幸「???」

僕「也幸くんは、冒険と乗り物、どっちが好き?」

也幸「・・・・・?????」

僕「はは、わからないか・・・それじゃあ・・・」

 

こっちでいいや。

 

僕「すいません、冒険ツアーを小学生3人で」

係員「ではこの申込用紙に保護者の方の同意書と携帯電話などの緊急連絡先を・・・」

僕「はい・・・子供の名前はひらがなで、か・・・ゆきえ、ゆきね、なりゆき、と・・・」

係員「代金は4500円になりますねー」

僕「5000円札で・・こら也幸くん!ズボンをほつかない!!」

 

申込書を渡し、しばらく待つと三人の名前がそれぞれ書かれたネームシールと、

ひらがなで書かれた「ぼうけん・しょうたいじょう」を貰った、なんだか楽しそうだな。

 

係員「ツアーは12時半からとなります、場所はバザー街を出てすぐのネズミー像前に、

 お渡ししたネームシールを目立つ場所に貼っていただいて集合してください、お子様のみの行動になりますので、

 何か緊急事態がありましたら携帯電話に連絡させていただきます、早ければ2時半、

 遅くとも3時までにはネズミー像前に戻りますので、保護者の方のお迎えを必ずお願いします」

僕「わかりました、では12時半に必ず連れて行きますので・・・也幸くん、行こう」

也幸「・・・・・(あむあむ)」

 

わ!シャツの裾を噛んでる!

いつのまに・・・お腹が空いたのかな?

みんなお腹を空かしてるだろうから早く戻ろう。

 

 

 

僕「・・・あれ?みんなはどこだ?」

雪巳「お兄ちゃーん、こっちこっちー!」

僕「あ、いたいた、どうしてたの?」

雪巳「あのねー、いろんなぬいぐるみやお姫様と一緒に写真とってたのー」

僕「へー・・・あ、使い捨てカメラ!」

 

雪絵ちゃん雪音ちゃんのために買ってあげたんだろうな、

妹思いの姉だ、雪巳ちゃんの財布からすると1000円は大金なのに。

 

雪巳「みんなで1枚撮ろうよー」

僕「うーん・・・お腹空いたから後にしよう」

雪絵「はやくたべたぁ〜い」

雪音「なにかたべたぁーい」

也幸「!!!(コクコクコク)」

 

みんなを連れてネズミーカフェへと入った。

 

 

 

女性従業員「ようこそ!何名様ですか?」

僕「5人です、3人ちいさい子供ですけど」

女性従業員「ではこちらへ・・・」

雪巳「あー、ネズミーさんのパンケーキ食べた所だよねー」

僕「そうだよ、今日は時間があるからゆっくり食べられるね」

 

雪絵ちゃん雪音ちゃんは豪華な店内に目をきょろきょろ。

也幸くんは・・・他の家族連れが食べてるトーストを、じーーーっと見てる。

 

女性従業員「こちらへお掛けください」

僕「はい・・・也幸くん椅子の上に立っちゃ駄目!」

女性従業員「補助椅子をお持ちしますね」

雪絵「きょ〜だれかのおたんじょ〜びぃ〜?」

雪巳「違うよー、普通に朝ごはん食べるんだよー」

雪音「すごぉ〜い、すごぉ〜〜〜〜〜い!!」

僕「こら也幸くん、テーブルの下に潜らない!」

女性従業員「補助椅子をお持ちしました」

僕「すみません3つも・・・手伝います」

 

補助椅子をセットし座らせる。

メニューは・・・雪絵ちゃんたちは子供用でいいよな。

 

僕「2人通常セット、3人はお子様セットで」

雪巳「飲み物はオレンジジュースでいいよねー?」

雪絵「なんでもいい〜」雪音「たべられるならいい〜」也幸「・・・(コクッ)」

僕「僕は・・・じゃあ僕もオレンジジュースで、パンケーキはハチミツ、ヨーグルトはストロベリージャムを」

雪巳「んー・・・私もお兄ちゃんと同じのにするー」

 

オーダーを取った店員が去り、

お水を飲む雪巳ちゃん、汗ばんでちょっと色っぽい・・・

雪絵ちゃん雪音ちゃんは椅子をギシギシ動かして遊んでる。

 

僕「こら!落ちるからやめなさい」

也幸「・・・・・」

僕「也幸くんも、水に指入れてしゃぶるのは、みっともないからダメ!」

 

ほんっと、これくらいの子は落ち着きがないな。

也幸くんも家じゃ大人しい方だったけど、こうやって外に出ると・・・

いや、家でも結構、気ままに動き回ってたよな?猫がいるとそれにかかりっきりになるだけで。

 

僕「ん・・ん・・・お水おいしい・・・さて、ちょっとトイレに行ってくるね」

 

こういうタイミングで行かないと、

外なんかで待たされると誰かがどっか行っちゃう可能性があるからな。

 

 

 

僕「・・・ふう」

 

トイレで用を済ませて手を洗いながら考える。

ネズミーランドで朝食を取るまでに、こんなに疲れるとは・・・

やっぱり子供の、しかも大人数の世話って大変だ。

雪巳ちゃん雪菜ちゃん雪沙ちゃんを養子に貰うとなると、

予想外にもっともっともっと大変だろう、僕にそれが務まるのだろうか?

 

僕「でも・・・・・楽しいよな」

 

エッチな事をされまくってるのは別にして、

家族として真剣に考えると、今は凄く、とっても楽しい。

と同時に、家族って本当にかけがえの無い、大事なものなんだなって思う。

 

僕「・・・・・真剣に考える、良い機会だよな、これって」

 

 

 

テーブルに戻るとすでに朝食が配られた後だった。

 

雪巳「おかえりー、もう食べてるよー」

僕「うん、いいけど・・・でも・・・」

 

下の三人が、凄い勢いでがっついてる。

 

雪絵「おいしぃ〜」

 

ネズミー型のパンケーキ中央にナイフをぶっさし、

それを上に向けて傘みたいにして、上にはちみつをかけて端から食べてる。

 

雪音「あまぁ〜〜い」

 

こっちはパンケーキを素手で千切って、

はちみつに浸してパクパク食べている。

 

也幸「・・・・・」

 

そして也幸くんはパンケーキを両手で広げて持って、

表面に塗ったはちみつを、れろーっと、れろーーって舐めてる。

三人とも、手も口もはちみつでべとべとだ、行儀が悪いにも程がある。

 

僕「三人ともちゃんと食べ・・・あれ?」

 

也幸くんの頭にネズミーの小旗が4つささってる!

僕のパンケーキに刺してあるのと同じ・・・何して遊んでるんだろ、

別に頭皮に刺してるんじゃなく、髪の毛に挟んであるみたいだから痛くはないだろうけど・・・

 

雪巳「お兄ちゃーん、おいしいよー?」

僕「うん、それはいいけど、雪絵ちゃんたちの食べ方がさ・・・」

雪巳「お腹に入ったら一緒だよー」

 

・・・・・まあ、ナイフとフォークの使い方教えるのは無理か。

箸でも持って来てもらおうかな、と思ったけど、もう半分くらい食べちゃってる。

 

僕「まあ・・しょうがないか。あ、お子様セットのデザートはプリンなんだね」

雪巳「ちっちゃいけど上にさくらんぼが乗ってるー」

僕「いいな・・・よし食べよう!食べ終わったらお土産買いに行くからね」

 

お昼ご飯は、行儀良く食べられるものにしたほうがいいな。

 

 

 

遅い朝食を終え、みんなお腹が満足したみたいだ。

そして次に連れて来たのはお土産売り場、今のうちに買っておいた方が混まなくていい。

 

僕「何でもいいって訳じゃないけど、欲しいの買ってあげるよ」

雪絵「ほんとぉ〜?」雪音「あれとあれとあれとぉ〜」也幸「!!!」

僕「1人3つまで!値段があんまり高いのは駄目!ちょっと高いのなら1つだけね」

 

ってそんな話も聞かず選んでる。

ここ凄く広いから、迷子にならないように見張ってないと・・・そうだ!

 

僕「雪巳ちゃんは雪絵ちゃん雪音ちゃんを見ててね、あ、雪巳ちゃんも買っていいから」

雪巳「うんー、わかったー、それで也幸はどこいったのー?」

僕「え?・・・・・あ!もういない!じゃあ探してくるから!!」

 

どこだどこだどこだ・・・

そんなに遠くは行ってないはずだぞ・・・

 

僕「・・・・・いた!そんな所で何やってるの!」

 

一番下の棚、巨大ぬいぐるみが並べてある間に挟まって、

ぬいぐるみと同じ格好できょとんと座って溶け込んでいる・・・

昆虫の擬態みたいだ、なんでこんな事を・・・ぬいぐるみの気持ちになってみたかったのかな?

 

僕「欲しいの3つ買ってあげるから、おいで」

也幸「・・・・・(ぽけぇ〜)」

僕「・・・あ!わかった、也幸くんを誰かに買って欲しいの?」

也幸「・・・・・・・(さっ)」

僕「え?僕?僕が也幸くんを買えばいいの?」

 

なんのこっちゃ。

小1のおもしろ思考に構ってたらきりがない、

ぐいっと引っ張り出して2人でお土産を物色する・・・

 

僕「そうだ!雪菜ちゃん雪沙ちゃんのも買わないとな・・・」

也幸「・・・・・」

僕「雪沙ちゃんはジェリービーンズだったよな・・雪菜ちゃんは・・・」

也幸「・・・・・・・」

僕「雪菜ちゃんは前に来たとき何買ってあげたんだっけ・・・」

 

ぽーっとあたりを見回してる也幸くん、

しっくり来る物がないのか、物がありすぎて選べないのか・・・

 

僕「雪菜ちゃんは文房具セットでいいや、あとみんなにまとめてクッキー・・・」

也幸「!!!」

僕「わ!どうしたの!どこ行くの!」

 

ぴゅーーーって走っていった先は・・・

 

僕「はぁ、はぁ・・・」

也幸「ー!ー!ー!」

僕「ここは・・・ペット用品!?」

 

そして也幸くんが抱えたのは、爪とぎ板!

 

僕「それって、ソヨカゼのお土産?」

也幸「!!(コクコク)」

僕「いいけど・・・也幸くんのは?」

也幸「・・・(ぶるんぶるん)」

僕「也幸くんのはいらないからその分、ソヨカゼのを買って欲しいって事か」

 

健気だなー・・・

 

僕「わかった、じゃあ買うけど、也幸くんのをもう1個買ってもいいよ」

也幸「!!!」

僕「走らない!まったくもう」

 

さて、美鈴ねえさんのお土産も選ばなきゃな・・・

 

 

 

雪巳「お兄ちゃーーん!」

僕「お、いたいた!決まった?」

雪巳「うんー、私はこれー」

僕「あ!それは確かケーキを作るセットだね」

雪巳「あと雪絵と雪音は鉛筆とノートと消しゴムだよー」

 

文房具が籠にいっぱい・・・

そうか、ネズミーランドのグッズだから云々よりも、

普段の生活で足りないと支障の出る物を買っちゃったんだな、そりゃそうか。

 

雪巳「あとー、私が雪絵と雪音にこれ買ってあげたいんだけどー」

僕「わ!ちっちゃい絵本だね、手のひらサイズ」

雪巳「駄目ー?1つ500円だけどー、2冊ー」

僕「いいよ、白雪姫とオズの魔法使いか、買ってあげる」

雪絵「わぁ〜〜〜い♪」雪音「わぁぁ〜〜〜〜い♪」

 

一緒にレジへ並ぶ・・・

也幸くんもミニ絵本が気になるみたいだ。

 

僕「レジ済ませてから読ませてもらいなよ」

雪巳「お兄ちゃんは何買ったのー?」

僕「ソヨカゼの爪とぎと、雪菜ちゃんの文房具と雪沙ちゃんのお菓子と・・・」

雪巳「このオルゴールは美鈴さんのー?」

僕「ううん、也幸くんが欲しいって・・・こら絵本読まない!」

也幸「!!!(ビクビクビク!!!)」

僕「美鈴ねえさんにはこれ!調味料セット」

 

よく兄を待たせて僕の家へ来てくれるからな、

放置プレイで無い限り悪いことしちゃってるから、

これで間接的に兄にお詫びしよう、美鈴ねえさんのとびきりの料理で・・・

 

僕「あとこれは僕がみんなで食べようと思ったクッキーとチョコ・・・」

雪巳「順番きたよー」

僕「あ、そうだね。すみません、これ全部一緒で・・・」

 

2万円くらいで収まるといいなぁ・・・

 

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