食事が終わって、雛塚家の前まで来た。

 

僕「緊張するなぁ」

 

インターフォンを押すだけなのに、なんでこんなに緊張するんだろう?

別にやましい事なんてない・・・とも言い切れないけど、でも何か緊張する。よし・・・

 

ピンポーン

 

誰が出てくるかな?

・・・・・・・・・・お父さんだといいんだけどなぁ、

ビッグマザーだったらひと睨みして閉めちゃいそうだけど・・・

 

僕「・・・・・あれ?」

 

もう1度押してみよう。

 

ピンポーンピンポーン

 

・・・・・ガチャ

 

開いた!

そして出てきたのは・・・・・雅幸だ。

 

雅幸「・・・・・」

僕「その、お父さん、いる?」

雅幸「・・・・・お姉ちゃん・・・返せよぉ・・・」

 

バタンッ

 

僕「ちょ、ちょっと!」

 

まいったなー

 

雪沙「おにぃちゃんど〜したのぉ〜?」

僕「あ!いいとこへ・・・ちょっとお父さんに用があってさ」

雪沙「おしごとでいないとおもうよぉ〜、ママもぉ〜」

 

と言いながら鍵を取り出して開ける。

 

雪沙「なりゆきぃ〜〜〜」

 

奥からトコトコと也幸くんがやってきた。

 

雪沙「はい、あ〜ん」

也幸「・・・(ぽかーん)」

雪沙「ぽいっ」

 

あぁ、肝油ドロップか、

偉いな、こうしてこまめにあげにきてるんだ。

 

雪音「ゆきさおねぇちゃ〜ん」

雪絵「おねぇちゃ〜〜〜ん、わたしもぉ〜」

雪沙「これはなりゆきのなんだよぉ〜」

僕「そうだ!雪絵ちゃん、雪音ちゃん、也幸くん、ちょっといいかな」

3人「なぁにぃ〜〜〜?」「おかしぃ〜〜〜〜?」「・・・・・(くっちゃくっちゃ)」

 

まずはこの子たちの意思を聞いておかないとな。

 

僕「君たちのお父さんに、君たちもどこか連れて行って欲しいって言ってたから・・・いく?」

雪音「どこぉ〜〜〜?」

雪絵「うえのおうちぃ〜?」

也幸「・・・・・・(くっちゃくっちゃくっちゃ)」

僕「ううん、日帰りの遊園地だけど・・・」

 

幼い姉妹が悲鳴にも似た歓喜の声をあげる!

 

雪音「ほんとにいぃぃ〜〜〜〜〜〜いいい!?」

雪絵「ゆうえんちぃぃぃ〜〜〜いいい!?」

也幸「・・・・・・・・・・・・(くっちゃくっちゃくちゃくっちゃくっちゃ・・・ごっくん)」

 

あーあ、2人とも跳びあがっちゃって・・・一方也幸くんは、なぜか冷めてる。

 

僕「也幸くんは、行きたくないの?」

也幸「?????」

雪沙「なりゆきぃ、、あそびにつれてってもらえるんだよぉ〜」

也幸「!!!」

僕「わ!急にバンザイして・・・」

 

そうか、『遊園地』の意味がわからなかったかも。

 

雪音「いつつれてってくれるのぉ〜?」

僕「いつがいいかな?」

雪絵「いまからぁ〜〜〜!」

僕「ええ!?今からは無理だよ、日帰りだよ?」

雪音「じゃ〜あしたぁ〜〜」

也幸「!!!(コクコクコク)」

僕「明日・・・急だなぁ」

 

でも、こんなに喜ばせちゃったからな、

別に明日じゃ困る理由もないし・・・明日でいいか。

 

僕「じゃあ、明日朝ね」

雪絵「うれしい〜〜〜〜」

雪音「たのしみぃ〜〜〜」

也幸「!!!!!(コクコクコクコクコク!!!)」

僕「はは、じゃあ時間とかは今日中に連絡するよ」

 

これでこの子たちのほうは大丈夫だ。

 

雪沙「パパもママもいないよぉ〜」

 

奥の様子を見てくれたみたいだ、

そうか、いないか・・・帰ってくる時間にまた来よう。

 

僕「じゃあまた来るね」

雪音「うん〜〜〜」

雪音「うん〜〜〜〜〜♪」

雪沙「ママにはないしょだよぉ〜?」

也幸「!!!(コクコクコク)」

 

え?・・・・・あ、そっか、

ゴッドマザーに知られたらお土産を山ほど頼まれるもんな。

それはあのお父さんも言ってた事だし・・・まあいいか。

 

隆幸「遊園地ってほんと?行く行く行く!」

僕「残念!定員オーバー」

隆幸「ひっでー!なんでだよー」

僕「1度に沢山は無理だから!またの機会にな」

隆幸「ずっりーーー、やっぱロリコンじゃねーかよー」

 

う・・・わかってないなぁ、

さすがに小2や小3は・・・かといって小5や小6は許されるって事はないよな。

 

雪沙「おにぃちゃんかえろ〜」

僕「うん、じゃあ!」

隆幸「いつつれてってくれるんだよー、約束してくれよー」

僕「・・・お前、夏休みの宿題は終わったのか!?」

隆幸「う・・・うっせーーー!」

 

はは、逃げよう。

雪沙ちゃんとエレベーターまで駆け込んで上がる・・・

 

僕「喜んでもらえてよかったよ」

雪沙「ね〜、ゆきさはぁ〜?」

僕「それなんだけど・・・お金が結構かかるからさ」

雪沙「ええぇ〜〜?」

僕「雪沙ちゃんたちは1度行ったじゃん!しかも泊まりで!」

 

ちょっとムクれたけど、わかってはくれるみたいだ。

雪巳ちゃん雪菜ちゃんもわかってくれるといいけど・・・

あとはあのお父さんに一言伝えないと。明日って事になっちゃったからなー、

まあ、もうすぐ夏休みが終わっちゃうから、雪音ちゃん雪絵ちゃんたちだって

宿題を追い込む期間が必要だ、だから明日のうちに行っちゃったほうがいい。

 

エレベーターが19階につくと、丁度雪巳ちゃんが乗るとこだった。

 

僕「あ、どこ行くの?」

雪巳「下のおうちでお洗濯とかー、弟や妹の世話ー」

僕「そっか・・・お父さんが来たら教えてね」

雪巳「うんー、どうしてー?」

僕「雪絵ちゃんと雪音ちゃんと也幸くんを明日、遊園地へ連れていきたいから」

 

おっぱいを揺らしながら、

すれ違いで乗ってボタンを押した。

 

雪巳「わかったー、来たら教えるねー」

僕「お願いするよ」

雪巳「夕方か夜だとおもうよー」

 

そう言いながらエレベーターは閉まり下へ・・・

ちゃんとわかってるかな?雪巳ちゃんは留守番かも知れない事。

3姉妹のうち保護者として連れて行けるとしたら1人がせいいっぱいだ、

そうなると後で・・・いや、翌日にでも留守番の2人にはフォローしないとな。

お金があまりかからないデートを・・・でもそれならそれで2人だけっていうのも気が引ける。

 

僕「3人まとめてかな・・・」

雪沙「え〜?やっぱりみんなつれてってくれるの〜?」

僕「ち、違うよ!それはその・・・留守番させたお詫びに雪巳ちゃんたち3人を、また別のところへ・・・」

雪沙「ほんと〜?だったら、1人ずつがいい〜」

僕「え?じゃあ、雪巳ちゃん雪菜ちゃん雪沙ちゃんを3日に分けて・・・」

 

て、無理に3日にする事ないか、

午前と午後と夜って分ける手だってある。

なんて話してるうちに家につくと雪菜ちゃんが玄関の掃除をしていた。

 

雪菜「おかえりなさい・・・です」

僕「ただいま」

雪沙「ただいまぁ〜、ジュースのむぅ〜」

 

靴を揃えて脱いで台所へ・・・

脱ぎ散らさないようになったのは、

ちょっとは女の子らしくなってきたからかな?と思ったけど、

脱いで上がるときに思いっきりスカートがめくれて中が見えちゃってるから、

まだまだ子供なんだなーと・・・普通の白だったな、うん。

 

僕「そうだ、明日、雪絵ちゃんと雪音ちゃんと也幸くんを遊園地に連れていくんだ」

雪菜「遊園地・・・どこ・・・ですか」

僕「ネズミーランドかシー、でも年齢が低すぎるから日帰りでちょこっとね」

雪菜「雪絵たち・・・喜ぶ・・・です」

僕「うん、まだ君たちのお父さんの許可はもらってないけど・・・それでさ」

 

じっと僕の顔を見つめる雪菜ちゃん。

 

雪菜「・・・・・お留守番、がんばる・・・です」

僕「う、うん、お願いするよ、そのかわり、あらためてどこか連れてってあげるから」

雪菜「・・・・・・・・・はい・・・・・です」

 

じっと見つめられると心を見透かされてる気分になるんだよな、

まだ小6なのに恐ろしい・・・そんな僕の気分を察してか、掃除の作業に戻った。

 

僕「じゃ、じゃあ、お掃除がんばって」

雪菜「・・・・・・・・・うん」

僕「僕は部屋でテレビか漫画でも見てるから」

 

三姉妹のうち、誰を連れて行こう・・・・・迷うなぁ。

 

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